固体バイオマスの持続可能性の課題(2016/2/21) | |||
昨年の12月15日、バイオマス産業社会ネットワークが主催する「固体バイオマスの持続可能性確保に関する調査研究・啓発活動」キックオフセミナーに出席しました。 三井物産環境基金2015年度助成「固体バイオマス持続可能性確保に関する調査研究・啓発活動」というプロジェクトに参画することとなり、その初めての公開イベントでした。 「活動の概要と固体バイオマスの持続可能性をめぐる概況」 NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)理事長 泊みゆき 関心事項は、今後大きな問題となってくる、再生可能エネルギー電力買い取り制度(FIT)で輸入される木質バイオマスの取り扱い。長期エネルギー見通しでは400万KWの一般木質バイオマス・農産物残渣などがいるとされ、全部木質バイオマスだとすると8000万m3、半分でも4000万m3。大半が輸入材に依存せざるを得ない状況です。 発電用木質バイオマス証明ガイドライン― 本当に持続可能に提供できるのか?といったあたりが関心事項で、固体バイオマスの持続可能性基準の制定を視野に入れたプロジェクトです。 (液体バイオマス燃料の持続可能性基準) 日本でも液体バイオマス燃料(エタノール)の持続可能性基準が2011年から施行されています。
自動車の燃料を製造する石油精製業者は、一定割合を非化石エネルギー源を利用するよう義務づけられていますが、そこに利用される液体バイオマスエネルギーについて、原料収穫加工の過程のエネルギーを発熱量の半分以下にする、また、耕作地の食糧生産との競合、生物多様性へ配慮するというものです。 関連資料:バイオ燃料導入に係る持続可能性基準等に関する検討会中間取りまとめ概要 (海外の木質バイオマスの環境基準) イギリス・オランダでは(間接的土地利用転換を含む)等で固体バイオマスの持続可能性基準が導入されています。 2015年から導入された英国の基準の概要は以下の通りです。
(日本の固体バイオマスの基準の将来) 上記のように、バイオマスの環境基準は、@製造や消費過程のエネルギーなどLCA関係の基準と、A原料生産にかかる土地などに関するの基準の二つからなっていいます。 現在日本の発電用木質バイオマスの証明のためのガイドラインでは、FIT価格に関連して、国内の民有林では森林経営計画だとか、保安林でなどで正規に伐採されたものを要求し(間伐材等由来のバイオマス)、輸入材では合法性証明を要求されます(一般木質バイオマス)。いわば土地の基準だといえます。 今後国際マーケットの中での競合で国際的な基準の構築などが視野に入ってくるはずです。 土地基準やLCA関係の基準などがどのように構築されるのか、興味深いです。 関連資料 energy1-19(tomaripro1) |
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