都市の低炭素化の促進に関する法律と木造住宅(2012/12/25)

「都市の低炭素化の促進を図り、もって都市の健全な発展に寄与すること」を目的とした「都市の低炭素化の促進に関する法律」が12月4日に施行されました。

国土交通省関連ページ

都市・交通の低炭素化・エネルギー利用の合理化などの成功事例を蓄積し、その普及を図ると ともに、住宅市場・地域経済の活性化を図ることが重要のことから、基本計画の策定、民間等の低炭素建築物の認定、市町村による低炭素街作り計画の策定など実施するものです。

この中で低炭素建築物の認定は、認定された建物の所得税、登録免許税の特例措置で、サポートするものです。

その基準は、@省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネル ギー消費量(家電等のエネルギー消費量を除 く)が△10%以上となること。(※)という、定量基準の他に、以下の8つの基準の二つをくりあしていることです。

@節水に資する機器を設置している。
A雨水、井水又は雑排水の利用のための設備を設置している。
BHEMSホームエネルギーマネジメントシステム(又はBEMSビルエネルギーマネジメントシステム(を設置している。
C太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備及びそれと連携した定置型の蓄電池を設置している。
D一定のヒートアイランド対策を講じている。
E住宅の劣化の軽減に資する措置を講じている。
F木造住宅若しくは木造建築物である
G高炉セメント又はフライアッシュセメントを構造耐力上主要な部分に使用している

これらの基準は、●経済産業省の総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会住宅・建築物判断基準小委員会 、●国土交通省社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会省エネルギー判断基準等小委員会 、●環境省中央環境審議会地球環境部会低炭素建築物に関する専門委員会 合同会議での検討を経たものですが、(林野庁かかかわらない枠組みで)木造住宅もしくは木造建築物であることにメリットを与えらら得ていることは重要なことです。

この会合に提出された、資料4 低炭素住宅・建築物の認定に係る基準の概要について(案) には、以下の記述があります。

(15ページ )
【見込まれる効果】
木造住宅の材料に由来するCO2排出量はRC造りに比べ約3割程度。(ウッドマイルズ研究会2008) 

ウッドマイルズ研究ノート(その18)「建設時における木造住宅の二酸化炭素排出量−木材製造時のCO2 排出量と住宅の構法別CO2 排出量−ウッドマイルズ研究会 2008/3/1」が引用されています.

特に、多様な産業の関係者があつまる経産省の関係委員会などの場で、木造住宅に加点するといのは少し難しい議論だったはずですが、ウッドマイルズ研究会の10年間の蓄積の一部が、行政の最前線の議論を引っ張っていっているというのは、うれしいことです。

energy4-1(teitansocity)

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