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「木質バイオマスエネルギーが、地球を冷やす」というタイトルで長野市で開催される連続セミナーの第一回(10月22日)に、「ウッドマイルズ指標に基づく地域材住宅・国産ペレットのすすめ」という演題で話をさせて頂きました。
主催者は、バイオマスエネルギーとして「木質ペレット」(木材の廃材などを粉砕圧縮して小さな円筒状の形にし、燃焼器具への自動補給を可能にしたも→詳しくはペレットクラブHP)の普及を進めている長野県のグループです。
最近ペレットストーブの開発などが進み、同時に地域材の廃材を利用した木質ペレット工場などが造られて体制が整いつつあります。
普及の成果が現れ地域の需要が増えた場合、安い外国産のペレットがどんどん輸入され、地域のバイオマスエネルギーの循環という理念が達成できないのではないかという危惧があります。
そこで、輸入ペレットと地域材ペレットのエネルギー収支といいう試算をしてみました。
1キログラムの木質ペレットの発熱量は17.3MJ、製造に係るエネルギーはその一割ほどだそうです。
輸入されるペレットの一番多いのは北米産で、内陸部の工場から鉄道で太平洋岸なで輸送され、日本に船積みされます。それが、日本について長野で使われるまで、輸送エネルギーは3.4MJという計算です(図の輸入ペレット1)。
また、仮に欧州から輸入されると輸送エネルーは7.5MJとなります(図の輸入ペレット2)。
木質ペレットの重要なところはカーボンニュートラルといって、発熱するときに排出されるCO2は木材が出来たときに吸収した分に相当するので、ライフサイクル全体でCO2増加の原因にならない、ということですが、製造と輸送に関わるエネルギーはその分から差し引かなければなりません。
カーボンニュートラルな発熱量は、輸入ペレットの場合地域材を使ったペレットに比べて、8割から半分になってしまうわけです。
積算の過程などは、ウッドマイルズ研究会のHPに新設予定の「ウッドマイルズ研究ノート」に発表予定です。
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