問われる 森林バイオマスの持続可能性 (2019/12/06) | |
バイオマスの持続可能性に関する議論二つ。 (バイオマス持続可能性WG中間報告) (経産省の総合資源エネルギー調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会の新エネルギー小委員会のバイオマス持続可能性ワーキンググループで11月18日中間報告が公表されました。
主たるテーマは、FITで最近増えつつあるパームオイルなど「農産物にともなって生じるバイオマス燃料についての、持続可能性を確認する手段の具体化」で、環境、社会労働、ガバナンス、食料との競合、という4つの確認内容と、確認手段について検討し、現行認められているRSPO 認証に加えて、RSB ( Roundtable on SustainableBiomaterials)認証を追加して認めるべきである。等としています。
直接木質バイオマスに関する議論ではないのですが、FITのバイオマスの基準の中で、温室効果ガスGHGの排出に関する基準の議論、地域環境や土地利用権・労働安全等持続可能性に関する議論などの今後、木材バイオマスの基準にどのように、反映するのかという点で、重要な視点が含まれた報告書です。
今後、来年4月にむけて、FITの認定基準改定作業がおこなわれるようです。
(国際セミナ-森林バイオマスの持続可能性を問う)
12月4日に国際セミナー:森林バイオマスの持続可能性を問う〜輸入木質燃料とFIT制度への提言というイベントがあったので、出席してみました。
開催趣旨曰わくーーーー
木材を使った発電は、木材が二酸化炭素を吸収して成長するため「カーボンニュートラル」とされていますが、原料や燃料加工、輸送の各段階においてのGHG排出を無視することはできません。また、生産段階で森林・生態系や地域社会に大きな影響を与えることもあります。果たして、輸入森林バイオマスを利用した発電は本当に持続可能と言えるのでしょうか。
泊さんの話は、前述の中間整理の内容を踏まえて、GHG排出基準が必要との今までの主張をが中心でしたが、経済産業省の議論も(まえ向きに)少し変わってきたと、されていました。FIT以降を踏まえて、熱利用を踏まえた展開が必要。この課題は別途報告します
気になったのは二人の北米のNGOの関係者の報告。
(化石資源由来のCO2と木材由来のCO2の違いは)
同じエネルギーを供給するのに、バイオマスは石炭よりCO2の排出量が多い!というメアリーブース氏のプレゼンの一節はのは正しいのでしょうが、「それではバイオマスより石炭のほうがよいという考えでしょうか?」という質問がフロアからあったように、何を主張しようとしているのか?解りづらかったです。
「バイオマスを燃料に使う場合、供給過程のGHG排出量、持続可能な生産過程の二つが重要な要素であることは重要です。
いま直面している問題は、300年ぐらい前から化石資源を利用して効率的で便利な社会を作り上げようと努力した結果、生まれた自動車・飛行機などなど。それで温暖化問題が起こっている。この問題に対応するため、長い歴史的過程で形成されてきた化石資源から排出される二酸化炭素と、現在の空気中の二酸化炭素を固定した二酸化炭素は意味合いがことなるでしょう。
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