木質バイオマス固定価格買い取り制度の次のステップ?(2019/6/15)

左の図は、経産省総合資源エネルギー調査会のもとで開催されている バイオマス持続可能性ワーキンググループ第一回会合(4月18日)の席上で事務局から配付された
資料5 環境への影響について(地球環境への影響を中心に)に掲載されたものです。

縦軸は一定の電力量発電に必要なライフサイクルGHG温室効果ガス排出量(g-CO2/MJElrctricity)

横線は上から、石炭火力のライフサイクルGHG排出量、石油火力の同、LNGの同、LNGコンパインドの同。

横軸にならんでいるのが、バイオマスの種類。右から、パーム油(PAO副産物)東南アジア、キャノーラ油(アフリカ)、落花生油(アフリカ)・・とならんで6番目が木質チップ(北米東海岸)。

カーボンニュートラルで化石燃料に比べて地球環境に優しいとされるバイオマス燃料ですが、輸送過程や加工過程にエネルギーが必要でそれらを計算すると(燃焼過程で固定されていた炭素が二酸化炭素として放出される分はライフサイクルで吸収したカーボンニュートラルものなので除いても)効率的な化石資源発電システムより多くの温室効果ガスが発生することが示されています。(原データは三菱UFJリサーチアンドコンサルタント:平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査バイオマス発電を含めたバイオマス利用のあり方に係る調査報告書112ページ)

FITという消費者の負担による助成制度のなかで、これらの問題をどのように処理するのかが、今回のワーキンググループの課題の一つになるようです。(資料3 バイオマス発電燃料の持続可能性の確認方法を検討するに当たっての論点

この点については、個人的にも気になっていたのでこのサイトでもフォローをしてきましたが固体木質バイオマスエネルギーの需給動向と環境基準の展開の可能性ー森林学会報告(2017/4/23))政府の検討のまな板にのってきました。

energy2-77<FITnext>

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