「森が育むプラットフォーム」と新なた「森林・林業基本計画」が提示したものーWMF総会から(2021/8/1) | ||
7月20日にウッドマイルズフォーラムの総会がオンラインで行われ、その時に合わせて開催された情報交換のイベントで、私と、森林パートナーズ代表の小柳さんが報告をしました。
タイトルは右にあるように、私が「ウッドマイルズからみた新たな「森林・林業基本計画」が提示する課題」、森林パートナーズ代表の小柳さんが「森を育むプラットフォーム」です。 「小さな林業の可能性」を見事に示している、小柳さんの報告を中心に紹介します。 そのまえに、前座の藤原報告を簡単に。 ((ウッドマイルズからみた新たな「森林・林業基本計画」が提示する課題)) このサイトでも新たな森林林業基本計画の紹介は、何回かしてきました。 次世代の森林の行方・カーボンニュートラルは?ー新森林林業基本計画を読む(2021/7/15) そこで、「ウッドマイルズ(フォーラム)からみた」という部分に絞って紹介します 右の図をご覧下さい。 最初のパラは、先ほど終わったばかりの、ウッドマイルズフォーラムの総会の主要なトピックスです。 昨年度の事業報告の重要な点は、「(2)地域の木質資源の持続可能な利活用の手法に関する調査・研究・開発」という新たな事業を始めたことです。 その説明に、「 大規模事業者による国産材流通(大きな林業)が拡大する中で、地域の中小事業者による山と町をつなぐ取組(小さな林業)の現状や必要性を学ぶことを目的として、内部関係者によるオンラインミーティング(勉強会)を開始した」と記載され、フォーラムの今後の課題は、それを発展させることです。 そこで、たまたまタイミングよく先月閣議決定された、新たな森林・林業基本計画で「山と町つなぐ取組」がどのように位置づけられているかな、ということを説明しました。 (令和の国産材時代の次世代の山創りの課題ー森林ガバナンスはユーザーとの連携で) パブコメでも追いかけてきた、「山づくりの課題をユーザー(消費者や建築関係者なと)と一緒に取り組んでいこう」、というコンセプトは、ウッドマイルズフォーラムの取組の中から生まれた考えした。この話をウッドマイルズフォーラム総会のイベントで話ができてよかったです。 左の三つのパネルで説明。 一番上は、ほとんど計画の骨組みは前計画と同じなんですが、新しく基本方針にはいった「4 森林・林業・木材産業関係者に特に必要とされる視点」というセッションに、「自らの短期的な利益のみを追求するのではなく、国土と自然環境の根幹である森林の適正な管理、森林資源の持続的な利用を確保すべく、効率的なサプライチェーンを構築して相互利益を拡大しつつ、再造林につなげるとの視点を共有し努力していくことを期待する。」と記載されています。 真ん中の図は、再造林問題は重要なリスクがあるという認識が、基本計画に記載されている! 下の図は、どこに植えてどこに植えないというゾーンニング(線引きを)を県や市町村の計画で作成過程で、関係者と皆でやっていきましょう、という対処方針です。 以上です。そのほかに、カーボンニュートラルで木材利用に日があたっているか?等も含めて報告しましたが。ご興味のある方は、以下にデータをおいておきますので、ご覧ください。 .ウッドマイルズからみた新たな「森林・林業基本計画」が提示する課題 さていよいよ、森林パートナーズという会社の紹介です。
上は示された会社概要 事業概要を順に説明します。 (工務店の、山元への還元を確保する原木調達を原則) まず、ビックリするのが、「工務店による山林所有者からの原木(丸太)の直接購入」。 もちろん、山から建築現場までに木材は、まず丸太の段階で選木され、製材に加工され、乾燥され、建築に必要な製品が選別され、プレカットされ建築現場に渡される、というプロセスがあります。 普通、工務店は、プレカット工場か製材工場から、自分の建築にあった製品を購入して、現場で組み立てるということになります(上の図の下二つ)。 工務店の側は建築に見合った正確な形状と性質の製品を、いかに安く買うかということになります。 ところが、事業目的に「森林の維持・再生と、地域材の活用促進のための事業を行う」を掲げる森林パートナーズは、山元に適正価格で丸太をかうため、直接山林所有者から丸太を購入! 今後の建築計画を見据えて、原木を購入。ですので、上記にあったどんな資材をどんなタイミングで購入するかといった、中間の事業者がおこなう選別や貯蔵のリスクを、後述の情報管理でしっかり担保して、リスクをへらして浮いたコスト(の一部)で丸太を高く買う!そして、加工コストは委託料で支払っていきます。 こんなことがどうしたらできるんでしょうか?外にいる我々にはなかなか、イメージがつかめませんが、ポイントになるのが、、山元、製材所からプレカット事業や工務店が株式になった森林パートナーズという会社の力。 (ICTトレーサビリティシステム) その重要な柱の一つが、ICT (Information and Communication Technology、 情報通信技術 )による「一本一本の原木について、原木丸太から住宅の材木までトレースするだけでなく、工務店からの情報を起点に、出材・製材・プレカットの工程を総合的に連結し、生産管理・在庫管理にも活用出来る情報システム」トレーサビリティシステム(e-Forester2.0)なんだそうです。 右の図にあるように製品ごとに特定の番号が振られ、それがネット上に登録される。 その情報が森林パートナーズで管理され、それぞれのメンバーが入手できる。 どんな形式で見えるようになっているかなど、もう少し詳しいデータがプレゼンデータにあります。 このようなシステムを通じて、信頼できる事業者の連携ができ、消費者への訴求ができます。(右の図はウッドマイルズフォーラムが開発してきた近くの木の環境性能の見えるか図) (今後の方向性) いままで、手探りで積み重ねてきた森林パートナーズの活動。 「埼玉秩父での直営事業を常に改善しながら、ノウハウを蓄積し、そのノウハウを他地域へ提供」しようとしています。(福岡県・千葉県・・・) それをさらに拡大していくためは? そもそも、「森林再生・カーボンニュートラルという社会問題を持続可能な仕組み(シッカリしたお金の流れが前程)で取り組むという難度の高い挑戦」それを進めるには「志を共有する地域行政と関係事業者が必要となる」でしょう。 「このプラットフォームは築後3年間は地方行政による支援が必要だが、経済活動を通じたサステナブルな仕組みを内包し4年目には自立事業化」するそうです。(もちろん半分は決意表明) こちらにプレゼン資料森を育むプラットフォーム置いておきます ーーーー森林パートナーズ以上です 今後ともウッドマイルズフォーラムは森林パートナーズと連携して、小さな林業の可能性を拡げていくこととなると思います。 energy2-79<WMF2021> |
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