第9回アフリカ開発会議TICAD9の中の森林ガバナンス(2025/9/2)

8月20日から22日まで、横浜にアフリカの首脳が33人も集まる首脳会議TICAD9(第9回アフリカ開発会議)というのが開催されました。

TICADが横浜で開幕 石破首相 AI分野で3万人育成方針を表明

日本政府が主導する国際会議TICAD

アフリカというほとんどが熱帯地域である各国の首脳が集まる会議を日本が主導している?

当然、熱帯林問題などの問題点を日本が主導してどんな方向に主導しようとしているのかな?

少し調べてみましたので、紹介します。

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(TICAD(アフリカ開発会議)とは)

外務省のTICADの説明ページには、以下の説明があります。

「TICADとは、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催しています」

日本が主導する30年前から続く国際会議(最近は3年に一度)インパクトありますね

(TICAD9の中の森林問題)

アフリカは世界で一番森林の減少速度が速い地域です(世界森林資源評価2020主な調査結果)。右の図

TICAD9横浜宣言「革新的解決の供創争、アフリカとともに」という会議を総括する文書が公開されています。(日本語仮訳

横浜宣言の中で森林に関する文言がどのようになっているか調べてみました。

でも森林の「文言」は横浜宣言を文書解析してもゼロ

森林がどのように取り扱われたのかな?

林野庁の関係者に聞いてみました

以下のようなサイドイベントが開催されたのだそうです。

               TICAD9における森林をテーマにしたサイドイベント

1 アフリカの森林減少及び劣化抑止のための共創と分野横断的な連携」

林野庁、FA0、ITTOが共催で、「アフリカの森林減少及び劣化抑止のための共創と分野横断的な連携」をテーマにサイドイベントを実施し、林野庁とFA0が協力して開発した森林減少抑止策の政策決定支援ツールやアフリカ諸国の森林減少防止の取組の経験について共有しました。

アフリカの森林減少及び劣化抑止のための共創 {Co-create) と分野横断的な連携:効果的な解決策に向けてIDemonstraitng.!lli1.lm.12acto fc ross-sectoral collaboraiton a ndc o-creaitngk nowledgef orh altingd eforestaiton and forestd egradaiton inA frica TICAD9 side eventI R EDD+ ReducingE missions from Deforestaiton and ForestD egradaiton IF ood and Agriculture Organizaiton ofth e Untied Naitons
(以上FAO日本事務所による事前告知ページ←)

(→以降開催報告ページ)アフリカ森林フォーラムによるAt TICAD9, FAO and partners explore innovative solutions to tackle deforestation in Africa | afforum(/ FAOアフリカ事務所による同上

第9回アフリカ開送会議(TICAD9) におはる農柱水産酋の泣応について:農柱水産省

2 気候に対して強靭で脱炭素なアフリカに向けた日・アフリカパートナーシップ」

また、森林に特化したものではありませんが、環境省、ITTO、アフリカ開発銀行が共催で「気候に対して強靭で脱炭素なアフリカに向けた日・アフリカパートナーシップ」というサイドイベントを実施しており、その中で、ITTOが熱帯林の重要性について講演しています。

TICAD9: 氣候蕊助に強ふ脱医素化が進&t~、アフリカ生去現立る熱螢柱の重要性 1 ITTO IT he Internaitonal TroQical Timber Organizaiton 

本会では扱われなかったけれど・・・・、上記のようなサイドイベントが開催されたのだそうです

(TICAD8との比較)

それでは過去TICAD出はどうなっていたのかな?ということで、3年前のチュニスで行われたTICAD8チュニス宣言をひもといていました。

横浜宣言TICAD9/2027  チュニス宣言TICAD8/2024 
 1 序章
2 現状
 10 序章
 3 TICADの三つの柱  20 三つの柱
 31 経済  21 持続可能な経済成長と発展のための構造転換 の 実現
 32社かい  22 強靭で持続可能な社会の実現
33平和と安定   23 持続可能な平和と安定の実現
 4次なるステップ  30 今後に向けて

二つの文書の構成を比較したのが、左の図です。

殆ど変わりませんが・・・

横浜宣言で全く出てこなかった森林の文字が、「22強靭で持続可能な社会の実現」の中の1つの節224の中に、3箇所ありました

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アフリカにおける持続可能な開発を達成するため、我々は、気候変動 並びに 自然災害リスク、土地 及び 森林の劣化、廃棄物管理、プラスチックごみを含む 海洋汚染、干ばつ、洪水、熱帯サイクロン、砂漠化、水ストレス、生物多様性の損失 等 の関連課題 を含む 環境問題に取り組むことが急務であることを強調する。 そのため、 我々は、 アフリカの環境問題に対する国際 社会の支援 規模 の拡大 を呼びかける 。 特に、我々は、気候変動の緩和及び適応における我々のコ ミュニティの能 力 構築を継続すること にコミット し、 また、 気候 変動 と 強靭な開発のためのAU 戦略 及び 行動計画 2022-20 32 の 実施 を歓迎 する。 我々は、さらに、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を ゼロに まで削減 することを目指 す 。我々は、 野生動植物の違法採取と違法取引対策のためのアフリカ戦略及びアフリカ・ブルーエコノミー戦略 を考慮して 、 持続可能な森林管理及び違法伐採 対策に係る 国際機関との協力 強化の重要性を 強調する。

我々は、アフリカ諸国が、温室効果ガス排出が最も少ないにもかかわらず、グリーン経済の構築 及び温室効果ガス排出の削減のために努力していることを称賛する。 アフリカ諸国は、緩和及び適応の 分野における日本の貢献 を歓迎 する。 我々は、 また、グリーンインフラの整備 や 、 災害管理 、 農業環境森林環境 、海洋 環境及び土壌 環境 の分野における支援、 生態系保全 を含め 、 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)及び パリ協定の下で の 気候変動 対策のための 努力を継続する よう呼びかける。

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なぜ、横浜宣言でこれらの文言がなくなったのかはよくわかりませんが。熱帯雨林の減少は、気候変動問題、生物多様性保全問題も含めた地球環境問題の重要な要素です。

この秋の気候変動枠組み条約COP30がアマゾンで開催されるなどを切っ掛けに、是非レベルアップしていただきたいですね。

3年後に開催される次のTICAD10に期待しましょう

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