ウクライナの森林と日本の関係ー東欧からの木材リスクを回避できるか?(2022/3/1) | ||
隣国の外交方針が気に食わないから、軍隊を派遣して転覆、といった行為を許すのか、阻止できるのか、重要な課題です。 ウクライナという国は、少し遠い国ですが(・・・と思っていましたが、極東ロシアにはウクライナ系ロシア人が多く大鵬の父親もウクライナ系だとか()、森林や木材という視点で、日本といろいろ関係があるみたいなのでネット上の情報を紹介します。 (日本への木材輸入の主流である欧州材のでどころは) 日本の製材輸入の4割、集成材輸入の8割はEUからの輸入で(林野庁2020年の木材輸入実績)、、国別に輸入量の多い順に輸入先をみると、一番がフィンランド次にスウェーデン・オーストリアといった北欧の森林大国に次いで4番目がルーマニアがあります(木材(製材品)輸入相手国ランキング【2021年12現在】森林・林業学習館)。 そして、ルーマニアの日本向けの製材工場はウクライナ国境にあり大半がウクライナから原料が供給されるようなのです(「クリーンウッド」利用促進事業のうち生産国における現地情報の収集ルーマニア:by日本森林技術協会林野庁委託事業) 。 日本の普通の新築住宅に使われている白い柱(間柱)は欧州材。その多くがウクライナから来ているんですね。 日本人とウクライナ人の関係の重要な要素が木材です。 (ウクライナから日本への木材調達に 法的リスク) このルーマニアからの木材輸出を担っているオーストリアのシュバイクホーファー社の違法伐採問題に関するリスクについての情報が、環境NGOによって提供されています。東欧から日本への木材調達に 新しい法的リスクbyEnvironmental Investigation Agency。この情報はJETROのニュースでも共有されています2018/8ビジネス短信:違法伐採木材の対日輸出に環境団体が警鐘(ルーマニア) それによると・・・ 「2018年7月にロンドンを本拠地とするNGOであるEarthsightがシュバイクホファー社および他の欧州の大企業と取引のあるウクライナ森林セクターの広範囲の違法伐採と腐敗について詳述する包括的な報告書を発表した。日本企業がシュバイクホファー社のルーマニアからの輸出の約半分を買っていた長年の間、シュバイクホファー社がウクライナ産丸太を大量にルーマニアに輸入していたことがウクライナとルーマニアの税関データから明らかになった。」といったことが、元の資料とともに掲載せれています。
そして、その文脈の中で、シュバイクフォファ―社はFSC/PEFCのCOCを取得した会社で、いったい、FSCやPEFCは何をしているんですか?、・・・、 また、同社経由でルーマニアから輸入している日本の企業の輸入額推移の情報が掲載されています(右の図)。 こんな取引続けていていいんですか?・・・ (クリーンウッド法の改正で東欧の木材リスクへの対応―ウクライナ支援ができるか?) EUの東端にあるルーマニアからの対日輸出品目の6割以上が木材で(前掲JETROビジネス短信)、さらにその輸入先の環境リスク問題は木材ビジネスにとってもハードルが高いけれど、ウクライナ問題でチャレンジングな課題ですね。 ウクライナのルーマニアに接する西部には、カルパチア山脈という自然豊かな森林地帯で観光地があります。私の好きなウクライナ「カルパチア山脈」(イリンスカ・オリハ職員) ルーマニアに輸出される木材もその地域の森林から供給されているので、豊かな森林と、日本も含む世界への木材供給ビジネスをどのように共存・展開していくかは、ウクライナにとっても日本にとっても大切な課題ですね。 輸出側はほぼシュバイクホファー1社、日本側も上記の数社が担っているという状況なので、これでサプライチェーン管理ができないと、いったい輸入木材とは何なのか?といわれます。 リスク管理ができない危険国からの輸入は排除するという道もありますが、10社のうち7社がクリーンウッド法の第1種登録がされています(クリーンウッド法に基づく木材関連事業者の登録一覧 (2022年1月31日時点))。 日本の消費者が、ウクライナリスクを回避して、ウクライナのクリーンな木材業を支援することができるのかな?そんなクリーンウッド法の改訂ができるかどうか、一つの大きな課題ですね。 (追伸) ウクライナは遠い国という書き出しになっていますが、実は極東ロシアには歴史的に極東開発に送り込まれたウクライナ系の人が多く、大鵬の父親もウクライナ系なのだとか・・・、ウクライナ危機、日本の「知の再武装」が問われている 寺島実郎さん boueki 4-80 <uklianewood> |
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