日本の違法伐採問題ー「盗伐:日本にもあった違法伐採の実態」(2021/9/1)

8月25日、第57回フェアウッド研究部会 「盗伐:日本にもあった違法伐採の実態」というイベントが開催されたの参加してみました。

講師は森林総研の東北支所御田成顕研究員。

最近増えている、日本国内の盗伐の内容を分析して、どんなメカニズムで盗伐がおこるのか?どうしたらいいのか?勉強になりました。

ご本人のプレゼン資料をいただいたので、それにそって、概要を報告します。

(盗伐発生のメカニズム)

右の図は、2019年に、国内で行政や警察に相談があった盗伐の件数。その半分以上が九州で、故意に伐採したことが立証された5件が起訴されて有罪に。

加害者は1件が、素材生産事業者、4件が山林仲介業者なんだそうです。

山林仲介業者とは?左の図が宮崎市に発生事例です。山林所有者が立ち木を売るとき、素材生産をする事業者に立木を売るんだとだれでも考えるでしょうが、必ずしもそうではないんですね。

この場合、山林所有者は仲介事業者(被告人)に販売、その仲介事業者が別の仲介事業者に販売、その事業者が素材生産事業者に販売、その事業者が別の仲介事業者に販売、その事業者が素材生産事業者に販売してその人が伐採をしたんだそうです。

小規模な山林事業者が立木を売りたいと思ったとき、隣接した場所の森林で売れそうなものはないかな、など生産過程の利便性を考えて周辺の山の事情に詳しい人が仲介にはいる、ということなんですね。

仲介事業者の、このような役割は、特に小規模な山林所有者がたくさんいる地域では循環資源が山づくりに役立つためには、絶対に必要な仕事ですよね。

こんなにたくさんの仲介者が何ではいったのかはよくわかりませんが。

右の図は研究者である御田さんが、犯罪社会学?の一般理論から援用した盗伐発生のメカニズム。日常活動理論(Routien Activity Theory)

公的な対象(材価格と需要の上昇)、動機付けられた犯罪者(仲介事業者の動機)、管理体制の不備(山林所有状況など)の三つがそろっているで、要注意。

本文には詳しい分析があります

(対応策は)

ではどうしたらいいの?報告の内容でかたられたのは、信頼できる素材生産業者からの調達と、森林認証を活用した調達の二つ。

原文には、詳しくは下記のウェブへと紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。

責任ある素材生産事業体認証(CRL認証)がひむか維森の会より始めれれている
森林認証を活用した地域からの調達宮城県登米市の取り組み

(クリーンウッド法は?)

報告にも触れていますが。クリーンウッド法との関係はどうなのかな?

左の図は、報告の中に図です。クリーンウッド法の木材関連事業者という対象としている赤い視角に中に、素材生産事業者や仲介事業者が入っていません。

社会的に大切な仕事をしている、山林の仲介事業者について、信頼できる事業者に認定、業界団体による社会的責任などの活動をサポートしていく必要があるのでないかと思います。

このサイトでも、クリーンウッド法が、欧州や米国のように、海外の違法伐採をとりしまるんではなく、我が国及び海外の違法伐採問題に対処するためと、素晴らしい目的規定をもった世界にほこれる法律。

これが、しっかり実効あるものとなっていくために、木材関連事業者の範囲の拡大!、業界団体の社会的責任!などをしっかり位置付ける必要があると思いました。

いただいたファイルをこちらにおいておきます。→

ぜひご覧ください。

boueki4-76<ihoujapan>
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