<国際ワークショップ>木材・木材製品の合法性確認のためのデューディリジェンス(2017/7/23) | |||||||||||||||||||||||||||||
6月27日に標記ワークショップが開催されたので出席しました。 クリーンウッド法が施行され、日本の事業者のなかでも、合法伐採木材の利用を確保するためにとるべき正当な注意義務(デューディリジェンスDD)とはどういったことをどこまで実施するものなのか、の関心は高まっており、日本に先行した取り組みを行うEUの最新事例をご紹介しようという、(環境NGO団体による)企業向けのイベントでした。 中国などの具体的な市場で欧州の企業がDDを実施している例が紹介され、わかりやすいイベントでした。 また、私のEUの問題意識はEU域内のトレーサビリティはどうなっているのか、という点でしたが、これもについても率直な意見交換ができました。 概要を紹介します。
(テューディリジェンメシステムDDSの基本) テューディリジェンメシステム(以下DDSという)は以下の三つの段階からなり、2の段階でリスクが無視できないときは、3の段階まで実施することとなっている。(上記@C) 1 情報へのアクセス サプライチェーンの情報を入手する
日本のガイドライン方式との関係でいうと、リスクの対象が広い(伐採権だけでなくて納税、伐採施業の安全衛生などもリスクの対象として掲載されているC)ことが指摘されていました。 トレーサビリティという点では、林野庁のガイドラインがどこまでも伐採地点での合法性まで行き着くことを求めているのに対し、DDでは地域ごとのリスクの評価をもとめて、リスクの低い地域では伐採定点までのトレーサビリティを求めていない、効率的な取組をしているというのがリスク評価のポイント。 そので、重要なのが、いくつかのウェブサイトが國ごとのリスクを評価しているという紹介がありました。 NEPCon社、Timber Risk Assessments など 日本のクリーンウッドなりことの手の情報がしっかり掲載されることが必要でしょう。 いずれにしても、中国のナラの家具、手すり、中国の紙コップ、 など具体的な例示でOKとなった事例と、だめだった事例など具体的な紹介があって面白いです。 (EU域内のリスクとトレーサビリティ)気になったのは、EU域内のリスクとトレーサビリティです。 Brooks Bfos社の中国のナラ材の調達をする場合の事例が報告されました。欧州のナラ材を中国で加工する場合は、欧州市場で流通していることがわかればそれリスクがないのでそれ以上のDDは必要がないとされています(資料B) ここで問題になるのが、EU域内の木材の管理体制です。 今回の説明にもありましたが、EUに輸入する事業者はオペレーターとしてDDsを要求すされますが、それを引きつぐEU域内の事業者はトレーダーとしてDDSや要求すされず、誰から何を買って誰に売ったかといおう記録を保持しておくことだけが求められます(資料@)。 説明者もいっていましたが、「これではトレーサビリティが不足だといてで批判をされている」のだそうです。「次の検討に機会には改訂することになるだろう」といっていました。 EUの域内でも、東ヨーロッパのようにリスクが高いとされていることはあるのですが、EU域内で流通しているものはDDは要求されないのだそうです(資料A)。 これは、EUにとっても結構難しい課題で、「これに取り組むには日本のガイドラインの業界団体認定を是非勉強してほしい」といっておきました。 別途日本欧州の経済連携協定などの議論が進んでいますが、欧州から日本に輸入される木材のリスクは排除するようにしっかり議論すべきだと思います。 boueki4-67<EUDDWS1706> |
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