石破茂氏と森林林業の関係ー自伐型林業・CLT・里山資本主義など(2024/10/10改訂)

自民党総裁に選ばれた石破茂氏が、10月1日102代総理大臣になりました。

鳥取県を基盤とする新総理が森林や林業政策にどのように関わてきたのか、ネット上で情報収集してみました。

2009年麻生政権での農林水産大臣、安倍政権2014年地方創生国家戦略地区域担当大臣。

(農林水産大臣時代の石破氏)

農林水産大臣時代石破大臣の森林行政に関する言説が全森連のサイトに掲載されています。

石破農林水産大臣と(全森連)國井会長との対談が実現2009/02/25

石破農林水産大臣から会長へ三つのテーマで話が
〜 農山村の活性化の原点は、林業 〜
例えば、30年後ガソリンの6分の1を代用するエタノールを作るにしても、資源消費のわが国は、山林にある残地材等の活用に期待
〜 林道整備は、林業振興の出発点 〜
山からの安定的な木材の搬出には、高密度の林道・作業道の整備と地元負担がないことが望ましく、結果として搬出コストが低くなるとの考えを力説されました。
〜 ワンストップ・サービスの開始 〜
話題の提供として、地元の山林で切り出した木材で作った住宅を広く普及させる体制が必要との発想から、ワンストップ・サービスとして、一般の人々に身近な木材住宅の情報提供できるホームページ作成の予算(平成20年度補正予算)を織り込んでいる

その時点のトピックスをわかり易く、説明していますが、15年前石破氏が農林水産大臣で始めて今につながる大きなトピックスは??ないかな

(地方創生大臣時代の石破氏ー自伐型林業)

自伐型林業普及推進議員連盟が誕生!というトピックスが自伐型林業推進協議会のページに

─約40人の国会議員が議連の会員になり中谷元議員(石破政権防衛大臣)が会長
最後になって、それは昨年11月、内閣府において当協会が意見交換をさせて頂いていた(後述)石破茂地方創生担当大臣が出席されたかので会議が盛り上がった

以下大臣の挨拶です(左図)

「日本の(土地の)7割を森林が占めています。どうやって雇用をうみ出すか。農業は所有と経営をどうするかという議論をしていますが、林業は所有と経営が分離されてしまっているということがあります。ここをどうしましょうかという話があります。また自伐型林業と、いままでの森林組合と対極概念で別にやっていくという話ではありません。どうやって自伐型林業で森を守り、雇用を生む、所得を生むか、ということでやっていきたいと思っております」と、競合しているかのように論じられる森林組合などとの共存の方向性を示した上で、自伐型林業を推進する姿勢を示されました。

同協会のユーキューブで【第18回】石破茂衆院議員特別インタビュー「地方創生と自伐型林業」2019/11というのもあります

石破総理の自伐型林業への思い入れですね

石破内閣、地方創生「成長の起爆剤」 出生数底上げ期待なのだそうですから、いろいろアイディアを出していきましょう

(CLTで地方創生を実現する議員連盟 )

「地方創生実現のためのCLTの活用推進に関する申し入れ」CLTで地方創生を実現する議員連盟 会長 石破茂 (議連会員 118 名と(2016/11)いう情報があります。

 一 林業・木材産業の成長産業化はもとより、国土強靱化、地方創生に大きな潜在力と可能性をもつ国産材による CLT の普及促進を着実かつ速やかに図ること。
一 大都市における中大規模建築物、公共建築物をはじめとする非住宅施設等にCLTが広く活用されるよう、先導的な取組に対する支援や民間建築物に対する税制その他のインセンティブ措置について検討すること。
一 国内外に CLT の魅力と新たな木材利用の可能性を提案し、そして、日本らしさ、日本の良さである「木の文化」を伝えるため、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関連施設で可能な限り積極的にCLTを活用すること。

以上が申し入れ内容ですが、申し入れた相手のなかに、地方創生担当大臣 石破 茂 殿 もあります。

その後の、議連の活動は・・・

「CLTで地方創生の実現を」石破氏らが決議書提出(2021/11)(右の図)。金子農林水産大臣に対して、石破会長曰く「CLTは、木のコンクリートとも呼ばれるくらいに強度がある。ほとんどが工場生産で工期が短くゴミも出ない。人件費も抑えられる。カーボンニュートラルに貢献する良いことづくめの素材だが、価格が高い」なので「まず予算を確保し、官需と民需で利用を促進・・・」として、大臣も会員になったんだそうです。

さらに、

木製パネル「CLT」活用を提唱 石破氏ら議連(2022/12)石破氏は「CLTはコンクリートと同じ強度で、重さは約5分の1。建築作業員が少なく、ごみも出ない。公共建造物を中心に民間に普及させ、CO2削減に寄与したい」と語った。そうです

CLTが地方創生に繋がるか?政府の補助金が、CLTの価格を引き下げ市場の中で普及する、といった難しプレセスが進のか?注目ですね。

(オーストリアの林業と里山資本主義)

石破茂オフィシャルブログに、面白い記事がありました。オーストリア出張など(2015/8)

そこに記載されている内容を一部そのまま持ってきますーーーここから

麻生内閣の農林水産大臣在任中、来日されたオーストリアの農林大臣と会談して以来、オーストリアの林業政策には関心を持っていたのですが、十分に研究した上での自分なりの解を見出せないまま今日に至ってしまいました。 
。路網の整備、コスト削減、自国産材の活用法、林業政策と住宅政策との連携、バイオエネルギーの技術的な革新など、十分な手を打たないままに今日に至ったことを謙虚に反省し、冷静な比較分析を加えた上で、今からでもオーストリアに学ぶべき点は多くあるのではないか、というのが私の問題意識です。

オーストリアの林業についてご関心のある方には、7月31日にもご紹介した「里山資本主義」(藻谷浩介・NHK広島取材班著・角川書店)と、「森林の崩壊」(白井裕子著・新潮新書)がお勧めです(藻谷氏の所論については批判も寄せられていることを承知しておりますが、私自身は共感するところが多くあります)。

ーーーーここまで

自民党が依拠するマネー資本主義のアンチテーゼ(ではないかな)里山資本主義

衆議院が解散し、10月27日総選挙なのでなったばかりの総理大臣がそのまま続くのかどうかわかりませんが・・・

自民党の非主流派だった政治家が総理大臣になったというタイミングは、あまりメインストリームになっていなかった林業や森林政策にとって良いこともあるかもしれませんね?

kokunai6-68<ishiba1>

 

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