文京区都市マスタープラン素案へのパブコメ提出の結果(2024/9/12)

ご報告してきた通り、地元の文京区で都市マスタープラン改定素案についいて、意見募集をしていたので提出していました。(→「文京区が目指す町の将来の姿」の中に木材と緑は?ー文京都市マスタープラン案に意見提出(2024/4/11)

その結果ネット上に公開されましした。→文京区都市マスタープラン見直し(素案)に対する意見募集結果

脱炭素社会にむけた持続可能な木材による街づくり 、と、脱炭素社会に向けた緑のまちづくりについての提出意見の結果は?

報告します。

 提出意見 文京区の見解   勉強部屋の見解
大きく二つの意見を提出します。よろしくくご検討ください    
 提出意見1 脱炭素社会にむけた持続可能な木材による街づくり
前回のマスタープランが作成されてから、2021年に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」が施行され、「2050年までにゼロカーボンシティを目指す」とされる文京区にとって、建築物等に木材の利用促進することが重要な課題になっています。 素案では129ページ、第4章部門別方針 「4住宅・住環境形成の方針」に以下のような記述があります。 ②多様で質の高い住まいづくりの推進 ○ 建築物分野の省エネ対策を徹底し、二酸化炭素の吸収源対策としての木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与します。」 重要な記述だと思いますが、この記述は、建築物の中でも「住宅」に関する文脈で記載されており、さらに、住宅だけでなく公共建築物その他建築物全体に木材利用を進める記述にすべきだと思います。 また昨年クリーンウッド法が改正されるなど、持続可能な木材に注目が集まっていますので環境的視点から木材利用を記載する場合は「持続可能な木材」といった形で記載すべきだあと思います。 これらを踏まえ3つ提案します
   
 提案1―1 59ページ
脱炭素社会への対応 8行目 そのため、それぞれの建築物における(以下加筆)持続可能な木材利用を促進し(以上加筆)断熱・気密・・・
 提案1-1について、ご指摘を踏まえ、「そのため、それぞれの建築物における断熱・気密・日射コントロール性能の向上による冷暖房エネルギーの削減を図っていくとともに、太陽光発電や太陽熱や地中熱などの地域に適した再生可能エネルギーの活用、コジェネレーションや地域冷暖房などの効率的・面的なエネルギー利用の導入や持続可能な木材利用を促進が必要です。」に修正します。 様々な分野に関係する横断的視点の一つ「脱炭素社会への対応」 の中の「環境負荷の少ない建築物の普及」という項目の中に「ゼロカーボンシシティの実現に向けて…それぞれの建築物における・・持続可能な木材の利用が必要です」という記述が付け加えられた!!
 提案1-2 79ページ
3-1まちづくりの目標と将来の姿、 (2)将来の姿、 ③快適で活力のある持続可能なまち の中の以下の原文を (3)脱炭素を実現し自然環境を有する多様な機能が生かされた持続可能なまち を以下のように加筆したらどうでしょう (3)脱炭素を実現し自然環境を有する多様な機能が生かされた持続可能な(以下加筆)木材が生かされた(以上加筆)まち
 提案1-2について、ご指摘の内容は、「自然環境が有する多様な機能」に含まれるかと思われますので、現行の表現を踏まえといたします。  街づくりの目標と将来の姿の中に、「脱炭素を実現し自然環境を有する多様な機能」木材は自然環境が有する多様な機能に含まれる。一理あるが、全体のメッセージが貧弱になる。
 提案1-3 109ページ
(2)住宅住環境形成方針 22行目 ○ 建築物分野の省エネ対策を徹底し、二酸化炭素の吸収源対策としての(以下加筆)持続可能な(以上加筆)木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与します
 ○提案1-3について、ご指摘を踏まえて、「住宅の新築・改修において、断熱・気密・日射制御性能の向上 による冷暖房エネルギーの削減等による省エネルギー、太陽光発電や 太陽熱・地中熱利用等の地域の状況に応じた再生可能エネルギーによる創エネルギー、蓄電・蓄熱などの蓄エネルギー、家庭用コジェネレーションシステムなどエネルギーの効率的な利用、持続可能な木材利用拡大等の脱炭素への取り組みを誘導します。」に修正します。  部門別の方針の中の「住宅住環境形成の方針」に記載してあった、「木材の利用拡大」という言葉が「持続可能な木材利用拡大」という記述に変更。全体の文脈がよくわかりませんが。
 提出意見2 脱炭素社会に向けた緑のまちづくり
都市のまちづくりで緑の大切さ重要な視点だと思います。 V 横断的枠組みで指摘されている3つの視点のうち、脱炭素社会への対応、大規模災害への対応で重要な役割をおっています。 素案では部門別方針の2-3緑と水のまちづくり方針の中で記載されていますが、災害防止という視点が欠けているのでないか、全体にもう少し充実させた記載をするべきでないかという視点で以下の意見を提出します。
   
  提案2-1 59ページ
横断的視点②:脱炭素社会への対応 18行目から 「気候変動により深刻化する温暖化や局地的豪雨等に対して、建築敷地や道路での雨水 流出抑制や緑化の推進によるヒートアイランドの抑制、治水・土砂災害対策の推進など の適応策に取り組んでいく必要があります。」 とありますが、以下のように加筆したらよいと思います 「気候変動により深刻化する温暖化や局地的豪雨等に対して、建築敷地や道路での雨水 流出抑制や緑化の推進によるヒートアイランドの抑制、(以下加筆)崖線の緑地を保全し(以上加筆)治水・土砂災害対策の推進などの適応策に取り組んでいく必要があります。」
 提案2-1について、ご指摘の内容は『緑化の推進』に含まれるかと思いますので、現行の表現を採用いたします。  緑地保全の意味の中に崖線の保全という住民の安全安心にかかわる重要な側面があることをしっかり記述すべきです
 提案2-2 60ページ
横断的視点③ 大規模災害への対応 5行目 災害の危険度の高い場所への対策や の部分を以下加筆してください 災害の危険度の高い場所への(以下加筆)崖線の緑地の保全等の(以上加筆)対策や
 提案2-2について、具体的な対策の内容については第4章の部門別方針等において記載しておりますので、現行の表現を採用いたします。  同上
 提案2-3 105ページ
公園庭園などの緑と水のまちづくりの推進 19行目 公園や庭園の緑や崖線等の樹林地等、今ある緑を保全するとともに の部分を以下の加筆をしてください 公園や庭園の緑や崖線等の樹林地等、今ある緑を保全(以下加筆)し安全で緑のまちづくりをすすめ(以上加筆)するとともに

以上です
 提案2-3について、ご指摘を踏まえ、4-3 緑と水のまちづくり方針に「みどりの拠点、低層住宅ゾーンのみどり、その他公園や敷地内のみどりを結び、みどりのネットワークを形成することにより、 生物多様性 を創出するエコロジカル・ネットワークや良好な景観の形成、防災性の向上など、みどりが有する機能の強化を図るため、幹線道路・神田川・崖線をみどりの軸として整備します。」  部門別方針の中の緑と水のまちづくりの方針の中の、(防災性)安全で緑の街づくりの側面が入ったかな。

まちを取り巻く新たな潮流という前書き部分で言うと、②脱炭素社会 ~2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の強化~、④ 国土強靭化 ~首都直下地震や気候変動に備えた地域強靭化~という2つの側面にわけて、意見をいいました(言い忘れたこもありましたが・・・)

上記のように6つの意見のうち、指摘を踏まえて修正したものが3点です。
けっこうがんばったかもしれませんが・・・今後の課題などもふくめて、気の付いた点をメモしておきます。

(脱炭素社会 ~2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の強化~)

この側面の重要性は認識されて、記述がされていますが、街づくりで重要な建築物の木の利用。すごく大切な、どんな木でもいいということでなく、持続可能な木材利用というコンセプトが入りました。ただ、都市緑地の関する記述は「緑と水のまちづくり」というセクションの記述なのかに、森林の吸収量の側面が記述されていません。区民が緑地を評価する場合の重要な側面、しっかり共有化される必要があると思います。

(国土強靭化 ~首都直下地震や気候変動に備えた地域強靭化~)

こちらの側面で崖地の緑地保全について、指摘しましたが、「みどりの拠点、低層住宅ゾーンのみどり、その他公園や敷地内のみどりを結び、みどりのネットワークを形成することにより、 生物多様性 を創出するエコロジカル・ネットワークや良好な景観の形成、防災性の向上など、みどりが有する機能の強化を図るため、幹線道路・神田川・崖線をみどりの軸として整備します」という記述になるようです(まだ改良版のプランが公開されていないので、どんなになるかわかりませんが(9月12日現在))。さらにシンボルとしての「みどりの軸」だけでなく、住宅地の崖地の緑地の大切さ(森林の土砂流出防止機能)について理解を広げていく必要があるかと思います。

kokunai13-7<bunmas2>

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