「文京区が目指す町の将来の姿」の中に木材と緑は?ー文京都市マスタープラン案に意見提出(2024/4/11)

地元の文京区で都市マスタープラン改定案素案現行計画2011に作成された公表され意見募集(4月2日締め切りされていました。

素案の説明動画が公開されています(4月10日現在)。すごいですね。

都市計画法(18条の2)に基づいて、自治体が作成する「市町村の都市計画に関する基本方針」。

その中に3年前にできた都市(まち)の木造化推進法の内容がしっかり反映されているのかな?都市の緑はしっかり守られて行くのかな?

少し勉強して、意見を提出しました。

序章 はじめに 
第1章 文京区の概況と取り巻く状況 .
第2章 魅力にあふれるまちをめざして 
第3章 まちづくりの目標と将来構造
第4章 部門別の方針   
 4-1 土地利用方針
 4-2 道路・交通ネットワーク方針
4-3 緑と水のまちづくり方針
4-4 住宅・住環境形成の方針
4-5 景観形成方針
 4-6 防災まちづくり方針
第5章 地域別の方針
第6章 実現化に向けて

(都市マスタープランとはー文京区都市マスタープランの構成と概要)

マスタープランは右表のように6部構成で、3章までが全体の枠組み、そのあと第4章が部門別、第5章が地域別の具体的な記述となっています。

都市マスタープランとはなんでしょう。(プラン冒頭の記述から)

「都市マスタープランは、都市計画法第18 条の2に より 「市町村の都市計画に関する基本的な方針」 として定めるものです。
長期的な視点にたって、まちの将来像や土地利用・都市施設などの整備方針を明らかにし、都市計画の方針及びまちづくりのガイドラインとしての役割を果たします。」・・・

森林法による市町村森林整備計画が都市計画法の市町村都市マスタープランですね

「都市(まち)の木造化推進法」とマスタープラン

冒頭書きました、2021年に施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称都市(まち)の木造化推進法」)が、「2050年までにゼロカーボンシティを目指す」とする文京区の都市マスタープランにどのように反映されているか?まず、確認しました。

マスタープランの文書の中に「木材」という単語があるかな(2011年策定改定前はなし)? ありましたー一1か所だけ

第4章部門別方針 「4住宅・住環境形成の方針」②多様で質の高い住まいづくりの推進
「 建築物分野の省エネ対策を徹底し、二酸化炭素の吸収源対策としての木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与します。」 !!

ただし、この1か所の木材の記述は、建築物の中でもその一部をなす「住宅」に関する文脈で記載されています。

さらに、住宅だけでなく公共建築物(文京区役所シビックセンター(左図)など)や、その他の建築物全体(東京ドーム(右図)など)に木材利用を進める記述にすべきですよね。

それに、昨年クリーンウッド法が改正されるなど、持続可能な木材に注目が集まっていますので環境的視点から木材利用を記載する場合は「持続可能な木材」といった形で是非記載してくださいー。という観点から3点ばかり意見提出しました。(下の青い枠)

次に・・・

(脱炭素社会に向けた緑のまちづくり )

2050年カーボンニュートラルを目指す文京区にとって、森林の多面的機能がどのように理解されどのように位置づけられているのでしょうか?

森林の多面的機能の一覧表が林野庁のサイトに整理されています

文京区には「森林」はまったくありません(樹木の集団であっても都市計画地域内のものは森林法でいう森林にはならない)が、森林の多面的機能は都市の緑地にとっても重要な情報です。

これらの機能の中で、森林の近くにいる周辺住民にとって重要な機能は、都市の緑の都市住民からの評価につながります。

上記の機能のうち、木材生産、水源涵養、地球環境など、森林から離れた人たちに及ぶ機能は別にすると、ア)土砂災害 イ)快適環境形成 ウ)保健・レクリエーション、エ)文化、といった森林の機能が都市の緑を評価推進する視点で重要ですね

これらの事案は、上記の目次で、 第4章 部門別の方針   4-3 緑と水のまちづくり方針、に記述されています。

が、部門別方針の中だけでなく、都市マスタープランの全体の枠組みの中でも、都市の中の緑・樹木群の役割がしっかり評価されるようにしてほしい、また、緑地の樹木などが崖地の保全など防災上重要な機能がしっかり位置づけられるように、ということで、3点ばかり意見を提出しました。(下の枠)

(提出意見章)

ということで、以下のような意見を提出しました。

大きく二つの意見を提出します。よろしくくご検討ください

提出意見1 脱炭素社会にむけた持続可能な木材による街づくり
前回のマスタープランが作成されてから、2021年に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」が施行され、「2050年までにゼロカーボンシティを目指す」とされる文京区にとって、建築物等に木材の利用促進することが重要な課題になっています。 素案では129ページ、第4章部門別方針 「4住宅・住環境形成の方針」に以下のような記述があります。 ②多様で質の高い住まいづくりの推進 ○ 建築物分野の省エネ対策を徹底し、二酸化炭素の吸収源対策としての木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与します。」 重要な記述だと思いますが、この記述は、建築物の中でも「住宅」に関する文脈で記載されており、さらに、住宅だけでなく公共建築物その他建築物全体に木材利用を進める記述にすべきだと思います。 また昨年クリーンウッド法が改正されるなど、持続可能な木材に注目が集まっていますので環境的視点から木材利用を記載する場合は「持続可能な木材」といった形で記載すべきだあと思います。 これらを踏まえ3つ提案します
提案1―1 59ページ
脱炭素社会への対応 8行目 そのため、それぞれの建築物における(以下加筆)持続可能な木材利用を促進し(以上加筆)断熱・気密・・・
提案1-2 79ページ
3-1まちづくりの目標と将来の姿、 (2)将来の姿、 ③快適で活力のある持続可能なまち の中の以下の原文を (3)脱炭素を実現し自然環境を有する多様な機能が生かされた持続可能なまち を以下のように加筆したらどうでしょう (3)脱炭素を実現し自然環境を有する多様な機能が生かされた持続可能な(以下加筆)木材が生かされた(以上加筆)まち
提案1-3 109ページ
(2)住宅住環境形成方針 22行目 ○ 建築物分野の省エネ対策を徹底し、二酸化炭素の吸収源対策としての(以下加筆)持続可能な(以上加筆)木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会の実現に寄与します

提出意見2 脱炭素社会に向けた緑のまちづくり
都市のまちづくりで緑の大切さ重要な視点だと思います。 V 横断的枠組みで指摘されている3つの視点のうち、脱炭素社会への対応、大規模災害への対応で重要な役割をおっています。 素案では部門別方針の2-3緑と水のまちづくり方針の中で記載されていますが、災害防止という視点が欠けているのでないか、全体にもう少し充実させた記載をするべきでないかという視点で以下の意見を提出します。
提案2-1 59ページ

横断的視点②:脱炭素社会への対応 18行目から 「気候変動により深刻化する温暖化や局地的豪雨等に対して、建築敷地や道路での雨水 流出抑制や緑化の推進によるヒートアイランドの抑制、治水・土砂災害対策の推進など の適応策に取り組んでいく必要があります。」 とありますが、以下のように加筆したらよいと思います 「気候変動により深刻化する温暖化や局地的豪雨等に対して、建築敷地や道路での雨水 流出抑制や緑化の推進によるヒートアイランドの抑制、(以下加筆)崖線の緑地を保全し(以上加筆)治水・土砂災害対策の推進などの適応策に取り組んでいく必要があります。」
提案2-2 60ページ
横断的視点③ 大規模災害への対応 5行目 災害の危険度の高い場所への対策や の部分を以下加筆してください 災害の危険度の高い場所への(以下加筆)崖線の緑地の保全等の(以上加筆)対策や
提案2-3 105ページ
公園庭園などの緑と水のまちづくりの推進 19行目 公園や庭園の緑や崖線等の樹林地等、今ある緑を保全するとともに の部分を以下の加筆をしてください 公園や庭園の緑や崖線等の樹林地等、今ある緑を保全(以下加筆)し安全で緑のまちづくりをすすめ(以上加筆)するとともに

以上です

この結果がどのように評価されていくのかなどしっかりフォローしてまいります。

また、この意見の作成過程で、市町村都市マスタープランと、森林法に基づく、市町村森林整備計画の作成過程とどんな違いがあるのか? 地元住民の意見を聞くシステムなど、どうなっているか? など、興味が広がっていきましたが、その辺も含めてフォローしていきたいと思います。

都市計画と森林計画、私的所有物を公的に管理するプロセスですね。森林の方が先行している(森林法ができたのが1897年都市計画法(旧法)ができたのが1919年)かもしれません。どうかな?これもフォローしていこうかな。

kokunai13-5<bunmas>

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