ニュースレター No.257 2021年1月18日発行 (発行部数:1560部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1. フロントページ:2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略と森林・木材政策(2021/1/18)
2. 「『地域の家と小さな林業』の全国ネットワークを求めてーウッドマイルズフォーラムの新たな取り組み」ー山林誌から(2020/12/20)
3. 勉強部屋ZOOM会、はじめて2020年年末に開催しました(2020/12/25)
4. モットしゃちょうと、モリバーバのもりー国際的なヒット作の続きがZOOM会から?(2021/1/18)
5. 2050カーボンニュートラルに向けた林野庁の取組(2021/1/18)
6. 気候非常事態ー勉強部屋ニュース255編集ばなし(2020/1/18)

フロントページ:2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略と森林・木材政策(2021/1/18)

2050カーボンニュートラルにむけたグリーン成長戦略と森林・木材政策(2021/1/18) 10月に総理が「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロにする」と表明してから、この目標をどうやって達成するのか、気になっていましたが、12月25日開催された、政府の第6回成長戦略会議で、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」という文書が提出公表されました。

森林の吸収源や、木材の二酸化炭素固定といった機能が、グリーンな成長戦略のなかで、どんな取扱になっているのかな?

左の図は、冒頭に示された2050年カーボンニュートラル(以下CNと言います)の実現の模式図。

電力は再エネ・原子力・水素アンモニアで全量CN、非電力の方は電力化・その他でCNを追求し、どうしてもだめな0.5億トン程度(という数字は書いてありませんが)を「植林、DACCSなど」の炭素除去技術で相殺、するんだそうです。

具体的中身は?

((CNにむけたグリーン成長戦略の中の森林と木材産業))

成長戦略の具体的記述は、「すぐ市場が立ち上がるものから研究開発から始まるモノなど、時間軸に応じて」など区分した14の分野ごと(右の図)に記述されています。

森林や木材に関係するのは、⑨食糧・農林水産業、⑫住宅建築産業/次世代型太陽光産業です

それぞれのセッションの森林と木材産業に関する記述を拾い出してみました。

(CNにむけた食糧・農林水産業の中の森林と木材)

(農林水産省がドラフトを書いたと思われる)この分野に掲載されている工程表です


具体的な記述は以下の通り。

区分  現状と課題  今後の取組
 イントロ  我が国の農林水産業は、木材を適材適所で活用する「木の文化」の浸透や、森林及び木材・農地・海洋が巨大なCO₂吸収源として期待されるなど、それ自身が吸収源となる重要な産業であることに加え、スマート技術に係る研究開発・社会実装により、作業最適化等によるCO₂削減、適正施肥によるN2O削減等の温室効果ガス(GHG)排出削減についても取組が進むなど、カーボンニュートラルの実現に向けて多くの潜在的な強みを有している
 共通の課題  、持続的な取組による効果の「見える化」を進めて消費者に示すことや、農林漁業者や地域に対し、新技術の導入等による労働安全性・労働生産性の向上や所得向上等の具体的なメリットをもたらすことを分かりやすく伝えることが重要  2030 年までに施策の支援対象を持続可能な食料・農林水産業を行う者に集中していくことを目指す。農林水産省の補助事業については、技術開発の状況を踏まえつつ、2040 年までにカーボンニュートラルに対応することを目指
 温室効果ガス排出削減 ―エネルギー調達及び生産から流通・消費段階― ・・・ 高層建築物等の木造化等により、他の資材と比べて製造時のエネルギー消費が少ない木材の利用拡大を図る必要がある。併せて、木質バイオマス由来の新素材の開発・普及等により、プラスチック等の化石燃料由来製品の代替を進めていく必要がある。また、木質バイオマスのエネルギー利用については、森林資源の持続可能性確保の観点から、カスケード利用(回収・再利用による多段階利用)や、熱効率を踏まえた効率的な利用を図っていく必要がある。 ・・・ 高層建築物等の木造化、プラスチック等を代替する改質リグニン・CNF 等の新素材開発、高効率な木質バイオマスエネルギー利用(熱利用等)を推進し、森林資源を多段階利用するカスケード型システムを構築するとともに、標準仕様に準拠した森林クラウドの導入、自動化機械やクラウドと整合したICT 生産管理システム等を開発・普及する。
 CO₂吸収・固定  森林・木材による吸収や排出削減の効果を最大限発揮するため、利用期を迎え、高齢級化に伴い吸収量が減少傾向にある人工林について、「伐って、使って、植える」という循環利用を確立し、木材利用を拡大するとともに、エリートツリー等の新たな技術も活用し、森林の若返りを進めていく必要がある。併せて、高層建築物等の木造化や木質バイオマス由来の新素材開発など、大量の炭素を長期間貯蔵する木材利用技術を開発・実装する必要がある。・・・  2050 年カーボンニュートラルの実現には、ゼロエミッションが困難な排出源をカバーするネガティブエミッションが不可欠であり、森林及び木材・農地・海洋における炭素の長期・大量貯蔵を実現する必要がある。
具体的には、林木育種の高速化等によるエリートツリーの効率的な開発や、センシング技術等の活用により主伐後の再造林等を推進し、森林吸収量の向上を図る。また、高層建築物等の木造化に資する木質建築部材の開発、工法の標準化や改質リグニン・CNF 等の新素材開発等により、木材による炭素の長期・大量貯蔵を実現する。

削減と固定という二つの具体的な記述の中の両方に関係の記載があります。森林や木材は前者は脇役、後者は主役といったことでしょうが。

主伐後の森林に成長量の大きなエリートツリーに転換、高層建築物の木造化が二つの柱であり、当面は技術開発段階、で実用化は40年度以降、となっていますね。

(CNにむけた住宅建築産業/十世代型太陽光産業の中の木材)

(国交省がドラフトを書いたと思われる)こちらの方にも、炭素固定に貢献する木造建築物というセッションがあります


  現状と課題   今後の取組
イントロ   今後、2050年カーボンニュートラルを目指すに当たっては、ライフサイクル全体(建築から解体・再利用等まで)を通じた二酸化炭素排出量をマイナスにするLCCM住宅・建築物の普及に加え、ZEH・ZEBの普及、省エネ改修の推進、高性能断熱材や高効率機器、再生可能エネルギーの導入、建築物における木材利用の促進を可能な限り進めていく
 炭素の固定に貢献する木造建築物  再生産可能であり、炭素を貯蔵する木材の積極的な利用を図ることは、化石燃料の使用量を抑制し二酸化炭素の排出抑制に資するため、建築物における木材利用の促進を図る必要がある。
低層の住宅においては約8割が木造である一方、非住宅・中高層建築物においては木造の割合が未だ1割未満である。非住宅・中高層建築物において木造を普及させるため、CLT 等の新たな部材を活用した工法等や中高層住宅等の新たな分野における木造技術の普及とこれらを担う設計者の育成が課題である。
 先導的な設計・施工技術が導入される実用的で多様な用途の木造建築物等の整備に対する支援を引き続き行う。また、非住宅・中高層建築物の標準図面やテキスト等、設計に関する情報ポータルサイトを整備する取組及び非住宅・中高層建築物を担う設計者を育成する取組に対する支援を引き続き行う。また、木材利用の普及・拡大に向け、国での公共調達を推進する

(グリーン成長戦略の中の森林・木材産業)

記述されたそれぞれの項目にあまり新味はないかもしれませんが、今後ゼロエミッションは政府と政策の柱になってくるので、どんなキーワードで森林は林業、木材産業の政策が関わってくるのか、ということが解ります。

温室効果ガスの排出削減と、排出削減の炭素固定の二つのわけてみると、他の分野が殆ど前者の削減を議論しているのに、森林木材産業が吸収固定の話をしているのが、ユニークなところです。

その他に固定化の話をしているのは、⑪カーボンリサイクル産業の中の「排気中のCO2の分離回収施設」と、⑬資源循環関連産業の「焼却施設の排ガスの固定化」の、2カ所2ページ

((今後の展開は))

(CNにむけて「成長戦略」だけでよいの?)

「成長戦略」だから産業界向けのメッセージになっているので、仕方がないことなのかも知れませんが、CNという社会の大転換をしようというのに、主役である市民向けのメッセージがないことが、モノ足らないところです。

「皆さん、そんなにエネルギーを使う生活をしていてはだめですよ!消費生活をこう変えて下さい!」「手近にある資源を循環させる可能性のある地方の生活と、(効率性をもとめた)大都市の生活はどちらがCN?」

全体をつぶさに読んだわけではないのですが、農林水産業のセッションに、消費者向けのアプローチが入っているのが、少し新鮮です。

たぶん、産業界向けのメッセーじだけでは、だめなんで、次の段階ということになるんだと思います。

(市民と共に木材利用の推進)

ということで、木材利用については、「高層建築物等の木造化や木質バイオマス由来の新素材開発など」といった開発課題が中心の記述になっていますが、今後市民や需用者に木材利用の拡大の話をどのようにしていくのか?

この木材利用を使った場合の環境貢献の「見える化」や、Jクレジットなどで、具体的な提案ができるようなシステムを開発していくことが大切なような気がします。開発段階でなく普及段階のすぐやるべきことがたくさんありそう。

kokunai4-47<2050CN&seicyo>

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 「『地域の家と小さな林業』の全国ネットワークを求めてーウッドマイルズフォーラムの新たな取り組み」ー山林誌から(2020/12/20)

大日本山林会「山林」誌(明治15年創刊)No.1639号12月号に標記論説を掲載していただきました。

山林会のご承諾をえて、本文をこちらに置いておきます

概要をご紹介します

(大きな林業と小さな林業)

右の図は、(過去にこサイトでも紹介しましたが)山づくりのために木造建築ができることー森林総研公開講座(2019/11/15)、で東京大学生産技術研究所腰原幹雄教授提示されたもので、「「森のための建築」は、その文化的価値から嵩く評価されてきたが(小さな林業) 、今後、現代建築で使用される建築材料の生産システムとして大量生産、安定供給を支える「建築のための森」という価値観(大きな林業)も重要な役割を担うことになる」とされました。

 戦後造成した人工林資源が本格的な利用期を迎える中、これら資源を循環利用し、林業の成長産業化を図ることが課題といますが、大規模な国産材工場による企業主導の市場が確立しつつあり、その結果、輸入材に対する競争力が強まり、国産材の利用が進んでいるのは、「大きい林業」の流れでしょう。

でも、林業成長産業化の山側の条件である循環型資源として次世代の森林がうまく形成されているのだろうか?健全な木材利用と皆伐跡地の再造木を含む次世代森林の造成は、現時点の大きな課題となっています。

もう一つ、顔の見えるネットワーク、将来の社会、次世代の森林をしっかり見据えた山林所有者と、木材の加工事業者・建築関係者・消費者の連携が鍵を握っている、「地域の建築と林業を結ぶ^新たな地域木材・建築>産業ー小さな林業」のネットワーク(以下「地域の家と小さな林業の全国ネットワーク」という)がある役割を果たすのではないでしょうか?

こんな考えに立った、ウッドマイルズフォーラムのプロジェクトを紹介します。

(ウッドマイルズー環境に優しい木材と建築の連携)

「輸送経路に応じた輸送f段ごとの距離に応じた排出二酸化炭素最指数(ウッドマイレージCO2)などを開発提唱すると共に、その結果を「木材調逹チェックプック」という形で普及を図ってきました。

①産地(森林の持続可能性)‘ ② 流通(流通経路の透明性・信頼性) 、③省エネルギー(木材生産の環境負荷削減)‘ ④基本的な品質(木材の強度・乾燥)‘⑤長寿命(木材の長期利用)の五つのモノサシに沿って、複数の指標を提示し、それぞれ、顔の見える関係がある場合、そうで公
ない場合などに想定して利用の仕方を説明してきました。

会員になるとプログラムが使えるようになります。このところ、関心のある方が増えています。

(ウッドマイルズフォーラム2019)

2019年のWMフォーラムはイベントを開催し、公共建築物木材利用促進法ができて10年、建築の中に木材を使う事例が少し大きくなってきた中で「木材調達の側面から中大規模施設の木材利用を検証する」というタイトルでした

『公共建築物等木材利用促進法の成果と課題』という演題で話題提供された林野庁木材利用課長野課長は、公共建築物木材利用の動向などを紹介された後、これからの木材利用施策として、民間建築物等における木材利用の促進に向け、木材の需要者である建設事業者、設計事業者や実際にこれら建築物の施主となるビッグビジネスによる「ウッド・チェンジ・ネットワーク」 の取組を紹介されました。(大きな林業の話)

これらをうけて、ウッドマイルズフォーラム藤本会長は、「(大企業のパワーは大切だが)今日の報告のように地域で頑張っている人達がたくさんいる。「近現代の次に来る新しい時代と社会、つまり、希薄になっている人と自然・人と人との良好な関係を取り戻した時代と社会にしていくべき」 だと思う。国産材に利用は進んでいるがその後の山づくりはうまくいっているのか?今日のフォーラムでも議論になった、山にちゃんとお金が戻り、山で生き生きと働けて、川下側もそれをリスペクトして仕事ができるという関係を今後どう構築できるか。ウッドマイルズフォーラムとしても<小さな林業>を支えようと頑張っている各地の関係者の方々とともに、一つの問題提起ができるよう議論していきたい。

とまとめました。

(森づくりを支えるサプライチェーンのコンセプト)

森づくりをになう林業関係者を中心に、製材加工事業者、設計建築事業者、施主・居住者が連携をする。


その連携に必要な地域の木で地域の技で、地域の家を作り出す、三つの条件。

①原木素材の購入を再生可能な価格で購入するフェアトレード、②ビジネスだけでなく市民、施主エンドユーザーが参加、③事業のコーディネート業務がしっかり定義され認知・実行されていること、である。

ということで、プロジェクトの提案です。

(「地域の建築と小さな林業」の全国ネットワークを構想する)

 背景と目的  
【 背景】大規模な国産材工場ができ、輸入材に対する競争力が強まり、林業地域が活性化しつつある(「大きな林業」の流れ)。それでは、循環型資源である森林の次世代がうまく形成されているのだろうか?皆伐跡地の次の世代の森林造成、コロナ後の社会への対応など課題がある。
【目的】地域の山づくり・コロナ後のまち創りをしっかり見据えた、林業関係者・地域の建築・製材所などが連携した、地域の山づくりに貢献する「地域の建築と小さな林業」の全国ネットワークを構築
 事業内容(利用拡大に向けた具体的な実施項目)  
①ネットワーク構成員の候補者の調査
 連携事業を進めている事例を取り出し、

  ①山林と原木のフェアトレード(山林所有者への適正な価格の支払い)、
  ②建主・エンドユーザーの参加、
  ③マネージする事業コーディネータの明確な役割、
  ④ポストコロナへの提案

といった必須条件などを解明

②専用サイトの開設
  情報の収集・普及、アンケート調査、サポート事業の共同検討などに資するために、インターネット上に専用のサイトを構築する。

③地域の山づくりに貢献するモデル地域の普及推進
  モデル地域を対象に、そのプロジェクトが地域の山づくりに貢献している情報等を消費者・建築関係者などに訴求するイベント開催を支援

④アンケート調査の実施
  国交省「地域型住宅グリーン化事業」実施などを対象に、①グループ形成の契機、②川上の事業者との連携の形態、③コーディネーターの役割、⑦今後の展望などを明らかにし、本プロジェクトを訴求する

⑤来年のイベント準備・オンライン報告会などの実施
  来年7月に公開イベントを実施することとし、上記の内容を反映させ、全国ネット展開への準備をすることとし、オンラインプレイベントなどを実施


まだこのプロジェクトは動き始めていませんが、少し知恵をだして、出発させたいと思います。

junkan3-19<ltlringyonet>

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  勉強部屋ZOOM会、はじめて2020年年末に開催しました(2020/12/25)

2020年年末の22日に思い立って、勉強部屋ニュースをお送りしている読者に、ZOOM会議のお誘いをしてみました。

今年もあと半月になりました。長いこと続いているこの勉強部屋も情報発信だけでなく、受信をどうするという課題があり、そういえばZoomという手段があるんだかからそれを利用できないかなー。とりあえず、22日の昼16時からZOOM会議開催します。
https://us04web.zoom.us/j/75680306864?pwd=bnZxRVJQNGVFNzZENnlNQzdOdlNPQT09

今年の記事を振り返って、来年はこんなことを確りフォローしてほしい!など、ご要望賜ります 

週日の昼の時間にもかかわらす、20名ほどの方に集まって頂き、ありがとうございました。

トピックスは、左の図のとおりで20分ほど当方からご挨拶と、今年のつピックス、来年の宿題などご説明をさせていただいたあと、皆さんからご意見を伺いました。

(参加者の思い)

参加者には、九州で山づくりの最先端を進んでいる輸出を視野に入れているビジネス関係者、海外のバイオマス燃料に依存しているFITの運営を心配をされているNGOの関係者、海外の最新情報をフォローしている林野庁の行政関係者など、この場にでてこられて、問題意識を語られていました。

勉強部屋への期待を語られたんだ)と思います(と解釈しまいた)。本当にありがとうございました。

(森林を子どもたちにどう伝えるか)

それから、絵本作家の方が参加されて、こどもにSDGsや気候変動のストーリーを提供したいと考えている。気候変動がらみで森林にインパクトがあるストーリーを。どんなストーリーで子どもにアプローチしたら良いか?といったご質問。(これは別項でお伝えします

(ビジネスと森林林業)

自伐林家をどう見るか?会社が持つ森林はどんな管理をしているんですか?森林のクレジットはどうなのか?ビジネスが森林を所有し、持っているだけでなく管理をはじめれば、森で働く仕事は多くなるのでないか?ビジネスが森林に関心を持ってきた背景をすこし、情報収集して勉強部屋に掲載したらよいのでは!?

宿題もあり、楽しい時間でしたが、今後やるなら、「もう少しテーマを絞って」、といったご提案もいただきました。

とりあえず、1時間ぐらいのコミュニケーションですので、録画を置いておきます。(少々お待ち下さい)

konosaito<ZOOM212012>

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モットしゃちょうと、モリバーバのもりー国際的なヒット作の続きがZOOM会から?(2021/1/18)

(ZOOM会に童話作家が出席)

暮れに開催された勉強部屋ZOOM会に、童話作家藤真利子さんか出席されました。

まじょ子シリーズなどまじょとおひめさまシリーズで有名な藤真知子さんは、森林や環境問題に関心があり、児童向けの絵本もいくつか出版されています。

ZOON会でも言われていました、モットしゃちょうとモリバーバのもり。中国版・台湾版や韓国版、も出版されてヒットなんだそうです(私も読みました)。

「森とともに生きる「ズーットの国」の人たちのところへ、よくばりなモット社長がやってきて森の木を切り、牧場を作り、おかげで暮らしは便利になったけれど…
それが本当の幸せになったのだろうか?」

小学生向けにかかれた童話のようですが、森林と共に暮らす(途上国の)社会と、貨幣を中心とした高度に発達した便利な消費社会の二つを比べてみたうえで・・・新しい社会を考えてみる、すごいテーマですよね。

(次の気候変動と森林の童話に向けて藤真知子さんの質問)

この藤真知子さん参加されて、質問と問題提起をされました。

「気候変動やSDGsをテーマに童話を作成しようとしています。

気候変動なんだけど、電気自動車や炭素を直接固定してとりのぞくダイレクトキャプチャーなどの話と比べて、森林の吸収量の話はすこし陰がうすくなっていませんか?森林に対して子どもどんなことを森林になってほしいか?森林から見るとCO2もっと多い方が幸せなんではないですか?恐竜時代にもっとCO2があって大きな森林があったみたいに。CO2が多い方が山火事が少ない?」

どんどん繰り出される質問に、みなさんが、「都市の木造化の固定量のはなしをぜひ」「守るべき森を確り守って固定のために使う」「人が植えた森は管理して」、「森里川海の連携などは参考にして」などなど、お答えになっていました。が・・・

ぜひ、よいテーマがあったら、こちらの方から提案してくださいネ。よい本ができたら紹介下さるそうです。

junkan4-7<moribaha-next>

2050年カーボンニュートラルに向けた林野庁の取組について(2021/1/18)

正月に久しぶりで林野庁にいって、管総理の2050年カーボンニュートラルの話をしていたら、標記を資料をいただきました。

グリーン成長戦略などで各省庁とも共通の問題意識をもって情報発信をしているなかで、森林や木材がどのようにこのスローガンの中で重要な貢献をするのか?

年末の来年度予算獲得合戦などの中で、使われたんだと思います。

木材利用の推進が環境との関係で語られるようになってきたのは、素晴らしいことだと思います

こちらに置いておきます
2050年カーボンニュートラルに向けた林野庁の取組について

木材利用や再造林の研究開発などを展望した予算制度検討されていくのだと思いますが、木材利用についての需用者、消費者向けのツールがカーボンユートラル向けに開発されれることを期待します。

kokunai4-48<2050CN&rinya>

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 カーボンニューニュートラルと市民生活ー勉強部屋ニュース257編集ばなし(2021/1/18)

月一回の勉強部屋ニュースが22年目となり、もっと他のコミュニケーション手段があるかな?ということで、Zoom会をしてみました。さまざまな分野に関心がある読者の方を対象に呼びかけるZoom会は、課題はたくさんあるのですが色んな可能性を感じました。

次回はテーマをしぼって少し短時間でやりますね。少々お待ち下さい。

今年は米国のパリ条約復帰で大きな政策転換があり、11月に気候変動枠組み条約COP26が英国で開催される。この流れで、国内でも気候変動に関して今までの課題のであった炭素税導入などの議論が活発化しそう(日経ESG2月号徹底予測2021ー「戦略的リセット」で飛躍

すでに、グリーンな成長戦略でもカーボンニュートラルの社会にむけて大きな転換にむけて、洋上風力発電、電気自動車・・・ビジネスチャンスを訴求するメッセージが発信されています。さらにそれに加えて、その他に、市民生活のカーボンニュートラルにするためのビジョン、地域材を使った家具、住宅改修、家庭用バイオマス熱源や自転車・・・が大切ですね。(本格稼働はコロナ騒動が一段落してからと思っていましたが、それを待たないで議論が進んでいきそう )

次号以降の予告、バイデン大統領の森林問題、地域の未来自伐型林業で定住化、森林ビジネスイノベーション研究会、クライメートスマート林業とは、地球温暖化対策としても建築分野での木材利用の促進(日本学術会議の提言)、FITと森林認証システムSGEC/PEFCの場合、御殿場の木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性

konosaito<hensyukouki>

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara.takashi1@gmail.com