ニュースレター No.213 2017年5月30日発行 (発行部数:1394部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。 

                         一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原

目次
1 フロントページ:クリーンウッド法の運用方針への意見のとりまとめ結果(2017/5/30)
2. FSC日本国内森林管理規格の検討(2017/5/30)
3.  シンポジウム世界の違法伐採問題と日本の木材消費(2017/5/30)
4. バイオマスの環境基準ー『林業経済』誌編集後記(2017/5/30)
5. ー勉強部屋ニュース213号編集ばなし(2017/5/30)

フロントページ:クリーンウッド法の運用方針への意見・結果(2017/5/30)

5月1日、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)施行規則案等についてのパブリックコメント結果について、林野庁が公表しました

214の個人・団体から492件の意見(同趣旨の御意見を含む。)が寄せられ、重複を整理して286件の「ご意見の概要」(重複したものは一本化してある)についての「検討結果」が21ページにわたるpdfファイルに掲載されています(御意見の概要及び検討結果)

現時点(5月27日)ではカテゴリーごとの整理がされていなくて、読みづらいので、勉強部屋で整理をしてみました。

質問が98件、要望が173件、修文意見が15件。

政省令の案が公示され、意見募集となった場合、ほとんどがこの文書はここがまずいからこう直せ、とい要望や修文意見なのでしょうが、質問がたくさん。

ほとんどが事業者からの質問です。「検討結果}としても「今後検討」というものもありますが、業界団体などを通じてきめこまかな、情報発信ができていない問題点もわかります。今回の質問への回答なども、しっかりわかり訳す整理して、20日の施行時にオープンになった問い合わせの窓口合法伐採木材等に関する情報提供「クリーンウッド・ナビ」などで解説されることを期待します。

表1 今後の検討課題ガイラインとの関係ー7件
表2 今後の検討課題登録の具体的なメリット-2件
表3 検討したうえでHP上に検討(負担軽減)-24件
表4 「今後参考にする」「厳格にと」する意見-5件

(今後の検討課題とされたもの1(ガイドラインとの関係)

以下の通り、2006年にできた林野庁の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」との関係について、たくさんの要望が寄せられました。(下表の通り)「林野庁ガイドラインに基づく合法木材認定制度との整合性を確保するべきである。」などなど

これに対して、「法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。」大きな宿題がのこりました。

宿題をしているときに、気になるのは、ガイドラインでは認定事業者が合法性の証明を行った結果の伝達方法については示されていますが、合法性の証明のために必要な確認の具体的な方法については示されておりません。下表の7番目

基本的には森林所有者が手続きをとったかどうかの確認をするというのがガイドラインの立場でしょうが、Q&Aには輸入材の合法性の証明の場合の特例が積み重ねられてきました。

これでは不十分な面があるから、見直しするのか、それともそこはそのままにし、さらに重要な情報提供がクリーンウッドナビ上でなされるのか注目点です。

表1 今後の検討課題となった要望1ガイドラインとの関係
 意見概要(同一のものは一本化)  検討結果
 1 木質バイオマス、間伐材、地域材、森林認証等多くの証明が併存し、その管理や事務処理に多大な労力・コストを要している。今回のクリーンウッド法の施行に際して、簡素化に向けた見直し、整理、統合等の負担軽減を図っていただきたい。 法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。
 2 グリーン購入法の合法性確認方法と、本法における合法性確認方法は、統一されていくのか。
 3 林野庁ガイドラインに基づく合法木材認定制度との整合性を確保するべきである。
 4 ガイドラインによる合法木材証明等との間に混乱が生じないようにすべき。
現在、対象となっている認定合法木材は、本法施行後もグリーン購入法の対象とするべきである。
 6 グリーン購入法と整合性が取れない法案では混乱が生じる。また、この関わりについてガイドラインを示して欲しい。 今後、法、省令等の内容に関する具体的な取組方法等を示した手引等を定めた上で、関係省庁のホームページ等で公表することとします。法、省令案、ガイドラ イン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。
  「木材・木製品の合法性、持続可能の証明のためのガイドライン」に基づく森林・林業・木材産業関連団体の事業者の認定を受けた事業者は、法第8条(木材関連事業者の登録)の登録がなくても、法第5条(事業者の責務)の努力義務を果たしているとみなされるのか。また、そうであれば、国及び地方公共団体等が発注する木材等の調達に際して、この趣旨が徹底されるべきである。 法第5条では、事業者は合法伐採木材等の利用に努めなければならないとしているところであり、具体的な要件等は規定しておりません。
ガイドラインでは認定事業者が合法性の証明を行った結果の伝達方法については示されていますが、合法性の証明のために必要な確認の具体的な方法については示されておりません。法では、合法性の確認をどのように行うのか(第一種木材関連事業を行う者であれば、法第4条第2項の情報を踏まえて書類の内容の確認を行うなど)が規定されています。このため、ガイドラインに基づく合法性の証明で実施した事項(合法証明書の収集、分別管理)は、法に基づく合法性の確認にも活用することはできますが、ガイドラインに基づく合法性の証明のみをもって、法に基づく合法性の確認を行ったことにはなりません。
なお、法、省令案、ガイドライン等との整合性や効率的な取組の推進の観点から制度の見直しを行うことについて、今後の検討課題とさせていただきます。

(今後の検討課題とされたもの2(登録事業者へのメリット)

もう一つの検討課題は登録業者に対する優遇措置。

表2 今後の検討課題(登録事業者へのメリット)
 1 登録事業者に対して優遇措置はあるか。 法第13条第1項の規定に基づき、登録木材関連事業者は、登録木材関連事業者という名称を用いることができます。また、法第4条第2項において、登録木材関連事業者による取組のうちその状況が優良なものの公表を行うこととしているところです。なお、更なる優遇措置については、今後の検討課題とさせていただきます。
 2 登録業者に対する優遇措置を検討すべきである。

(検討した上で、HP上で公表するとされたものー負担軽減への手引き作成 )

要望の多くが、業界関係者からの負担軽減、を望む要望が下表の通り多数あり、それについては、すべてに、「省令等の内容に関する具体的な取組方法等を示した手引等を定めた上で、関係省庁のホームページ等で公表することとします。」としています。

表3 検討したうえでHP上に公表
新たな負担が生じることにより、林業事業体が経営悪化することのないようにするべきである。また、そのために、現場の声をくみ取り、具体的運用を定めるべきである。
新たな負担が生じることのないようにするべきである。また、仮に新たな負担が生じる場合には、説明、支援、対策等を行うべきである。
木材関連事業者に係る事務が簡便なものとなるよう制度設計すべきである。
林野庁ガイドラインに基づく合法証明、木質バイオマス、間伐材、地域材、森林認証等の多くの証明制度が併存している。手続の共通化、支援措置等の負担軽減を図る取組を検討するべきである。
岐阜県ではすでに岐阜証明材の合法木材制度がある。本法により、この制度が影響を受けたり、新たな事務的負担が生じたりすることのないようにすべきである。
生業として成り立っていない林業界において、新たに登録費用や書類整理などのコストが掛かると想定される。木材価格上昇が費用よりも効果がなければ、林業の更なる破綻に進むと懸念する。
今回の省令・基本方針だけでは、実際の具体的対応が不明であるため、より詳細な運用内容を明らかにすべきである。
この度の措置の対象となる物・事業及び対象とならない物・事業について、その判断の考え方も併せて、解説、例示等により詳細を示すべきである。
第二種木材関連事業を行う者が登録を受ける場合、部門、事務所、工場又は木材等の種類ごとに登録申請を認めるとしているが、対象となる部材が追加された場合の変更手続について、書類の簡素化や手数料の無料化など登録事業者の負担軽減に配慮していただきたい。
リスク評価やリスク緩和に基づくデューデリジェンスについて堅固な要件を策定し、第一種事業者にその扱うすべての木材製品について同要件を課すべきである。また、「木材関連事業者の合法伐採木材等の利用の確保に関する判断の基準となるべき事項を定める省令案」に記載された要件について、指針や追加
情報の提供を通じて、さらに詳細を示すべきである。
「合法性の証明」についてもっと解り易い方法、表現、例示をするべきである。
判断基準省令Ⅱの1の「原産国の法令に適合して伐採されたことを証明する書類」の国別具体的な例を示すべきである。
施行規則案Ⅱの15について、取扱量の実績報告の内容について明確にしていただきたい。また、なるべく簡便のものとしていただきたい。
施行規則案Ⅱの15について、申請者は、少なくとも年1回、措置の実施状況について登録実施機関に報告を行うとあるが報告の時期、複数回報告を行う場合のタイミングが不明確である。
ガイドラインには、以下の内容を明記されたい。
施行規則15(2)①中の報告すべき「措置の実施状況」について、その具体的内容。
本法施行後に混乱が生じることのないよう早急に具体的な実務にかかる内容の説明をし、森林組合系統の現場の声をくみ取る取組を進めるべきである。
国民及び木材関連事業者が本法に関するあらゆる最新情報を容易に入手できるよう、インターネットサイトを開設されたい。
木材関連事業者が、本法の対象となる「木材等」にあたるか否かについて問い合わせる窓口を一元的に設けるべきである。
また、問合せ結果とその根拠について、インターネットサイトで公示する仕組みを少なくとも本法施行と同時に設けるべきである。
本法の円滑な施行を図るため、運用に関するガイドラインを本法施行までに作成されたい。
法令の解説等が公表されてようやく、木材関連事業者は合法性確認や譲り渡すときの措置を行えるようになるが、解説等の公表や行政による説明会の実施について、スケジュールを開示いただきたい。
県及び市町村、森林組合、市場等が緊密に連携することが重要であり、国は、その流れを構築してマニュアル化し、また、充分な指導をすべきである。
施行規則案について
弐7(2)まる3で非該当証明が必須となっているが、法令違反や登録取り消し情報は容易にチェックできるのか。
施行規則案について
弐9で登録事項の変更内容が重大な変更を含むとき(木材等の完全な変更、事業所の移転など)には登記事項の変更手続きのみでよいか。その内容のチェックや所要の臨時審査や確認を登録実施機関は求めてくるのか。
施行規則案について
弐13(1)において、法18条2項関係の登録事項等の変更届があるが、法21条の事務所の変更届との関係、また具体的な書類、手続きを知りたい。併せて、弐14の登録の更新(法19条関係)のための書類、手続き等を知りたい。

(「厳格にすべきと」の意見群)

厳しく運用すべしという意見も寄せられていますが、そについては、難しいという説明が検討結果に記述されているのが多いようです。

その中で、「参考しにしたい」とされたのは以下の通りです

表4 「今後参考にする」意見
PEFC、SGECあるいはFSCのような世界的に認知された認証制度を取得している事業体に対しては、一般的な登録事業者と異なる資格を与え、公共事業体による入札や調達において優先権を与えるなどの優遇措置を講じるべきである。
段階的にDDSの義務化、罰則、取締り等を追加し、強制力のある内容に変えていくべきである。その方向性、ロードマップなどを示すべきである。
違法性のある素材を流通させた場合は登録取消しないしは法人である場合は行政通達による指導を行うべきである。
合法性の確認できた木材と、そうでない木材を明確に区別する管理を義務付け、それぞれの量を把握して報告する制度を導入し、合法性の確認できた木材の割合を段階的に向上させる目標を設定すべきかと思われます。法律の附則抄3に定める施行後五年を目途とした見直しに際して、合法性が確認された木材の量と割合を公表し、現行の自主的登録制度の有効性を判断する判断材料とし、十分な効果が見られない場合は、全ての木材関連事業者にこの法律の順守を義務付ける法改正を検討すべきと思われます。
合法伐採木材の利用に向けた法律であるが、木材を利用する木材関連事業者に対し、合法性が確認された木材及び木材製品の利用や流通をあくまでも「努力義務化する」とあり、民間取引における合法伐採木材の利用促進につながるかは不安である。また、合法伐採木材の利用に向けた措置を適切にするため、登録制度が用いられるが、登録した事業体は、「登録木材関連事業者」の名称で記載されるが、登録はあくまでも任意となっている。これでは、違法伐採にむけた取組にならないと思う。法律を作るのであれば、「努力義務化」とか「任意」という言葉はなくし「義務化」とした方が良いと思う。

以上です

法律の趣旨がである「自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって地域及び地球の環境の保全に資する」の方向に進んでいくには、まだまだ、大きなステップが必要だと思います。

業界関係者とともに、市民の関心がカギでしょう。

boueki4-65<CWpubcom4>


FSC日本国内森林管理規格の検討(2017/5/30)

FSCの国内森林管理規格の改定作業が行われていて、日本国内森林管理規格第2-0次草案が公表され4月19日に公聴会が開催され、、4月30日までパブリックコンサルテーション(意見公募がありました。

「地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える」このサイトのもともとの関心事項で、内向きになりがちな森林経営計画の諸規程など、森林法の各種の規程類に対して、徹底的に外向きなFSCの規定類がどんな関係にあるのか、というのは重要なテーマですが、最近ご無沙汰していたので公聴会に出かけてきました。そして意見募集にも対応

(背景と方向性)

公聴会の冒頭事務局の担当者から以下の背景説明がありました。

  • 2012年に公表されたFSC原則と基準第5版に対応するのが目的
  • これまでに寄せられた意見は、①認証取得者や認証機関からは、理想を追求して負担が増えるのは無意味、厳しすぎると認証が広がらない、ので日本の現実的な指標、という主張がある反面、②NGOや研究者からは、国際的整合性が重要なので国際条約に基づく信頼できる指標とすべき、という二つの方向で意見がでていた。
  • それを踏まえて、取得しやすい認証でなく「真に信頼でき、誇れる認証をめざす」

という明快なメッセージでした

(第二次草案のポイント)

国際基準と日本の現場段階で問題になっているのは、以下のとおり

 労働安全衛生の基準が実態に合わない、
(ILOの基準の安全装備が入手できない、ボランティアも含めて対応できない、放射線リスクの国際基準が国内の基準と違う、など)
 原則2.3
 長期的採算性、国際基準では収支のバランス規定しているが、日本では難しいCSRで持ち出しになっている例が多い  原則5関係
 保全地域を10パーセント以上にとることが困難  原則6.5
 自然林の転換禁止の公共事業の場合無理がある  原則6.9
 外来種の使用制限が林道法面などの場合、所有者の権限外になる  原則10.3
 農薬の使用制限が厳しすぎる(北海道の野ネズミ対策など)  原則10.7

(森林法が参考とすべき点)

国内の森林の管理という点で、伐採可能となった森林の次の世代がどうなるのか?気になるところです
再造林を原木契約購入の条件に林業の持続的経営実現へ地元から取組む(山佐木材3/28)

そういう視点で、みると草案の105ページ以下のこの二つの部分が重要だと思います

原則7:管理計画
組織は、管理活動の規模*、強度*とリスク*に応じ、管理の方針と目的*に沿った管理計画*を持たなければならない。管理計画*は、モニタリング情報を基に最新情報に更新され、永続的な順応的管理*として実施されなければならない。関連する計画文書や手順書は、従業員への指針として、また利害関係者*及び関心の高い者*への情報として、そして管理の意思決定の根拠として十分なものでなければならない。(V4 原則7)

原則8:モニタリングと評価
組織*は、管理区画*の状態、活動の影響及び、管理目的*の達成に向けた進捗状況について、管理活動の規模*、強度*、リスク*に見合ったモニタリングと評価を行われなければならない。そして、モニタリングの結果を見ながら進める現場順応型管理*を実施しなければならない。(V4 原則8)

sinrin2-16<FSCFMJ2>


 シンポジウム世界の違法伐採問題と日本の木材消費(2017/5/30)

4月17日に開催された標記イベント、シンポジウム:世界の違法伐採問題と日本の木材消費(主催:W-BRIDGE九州大学 熱帯農学研究センター(認定NPO法人)国際環境NGO FoE Japan(一般財団法人)地球・人間環境フォーラムに顔を出してみました。

クリーンウッド法の施行を前にして、NGO関係者と業界関係者が共同したイベント。特に木材事業者以外の企業がクリーンウッドにどうかかわるか関心がありました。

プログラムは以下のとおり
企業の関係者からはお願いしたデータ提供をいただき、あるいはネット上の関連情報をリンクさせていただきました。

第一部 クリーンウッド法とは?
1)クリーンウッド法の解説(林野庁林政部木材利用課)
2)日米欧の違法伐採対策法の比較からクリーンウッド法運用への提案(籾井まり/ディープグリーンコンサルティング
3)モデレーターによるQ&Aセッション

第二部 クリーンウッド法の効果的な運用に向けたステークホルダーの役割を考える
1)商社のこれまでの取組み紹介~第一種木材関連事業者の事例

 演者  プレゼン内容  自社HP関連情報
伊藤忠建材株式会社
関野博司 
地球樹 「地球樹」事業の取り組み
 双日株式会社
熊谷正二
 双日株式会社の木材調達方針  木材分野における『サプライチェーン行動指針』の実践 〜木材調達方針〜
 住友林業株式会社
飯塚優子
 住友林業グループの木材調達  住友林業グループの木材調達責任ある木材調達

2)モデレーターによるQ&Aセッション
3)川下企業のこれまでの取組み紹介~第二種木材関連事業者の事例

 演者  プレゼン内容  自社HP関連情報
鹿島建設 
亘理篤 
クリーンウッド法の効果的な運用に向けての課題  
 日本製紙連合会
上河潔
海外法規制にも対応した日本製紙連合会・合法証明DDシステム 木材調達に対する考え方/違法伐採木材について
 積水ハウス株式会社
佐々木正顕
 積水ハウス株式会社の木材調達に関する取り組み  積水ハウスフェアウッド調達木材調達ガイドラインの運用と改定
 全国木材組合連合会森田一行    合法木材ナビ


4)モデレーターによるQ&Aセッション

5)全体討議/フリーディスカッション
boueki4-65<symsyohi>


森林学会:バイオマスの環境基準ー『林業経済』誌編集後記(2017年4月号)(2017/5/30)
1948年以来、林業経済分野の専門誌として毎月発刊をつづけている 『林業経済』誌)の編集後記を執筆しています。

編集委員会の了解を得て、このページに転載することとします。

学会と業界、官界、市民との間と架け橋になれるかどうか、大切な役割です。

少しでも、『林業経済』誌の認知度が広がる(なかで、購読者が増える)ことを願っています。(ご購入はこちらから

 目次 編集後記 
2017年4月号

 <やまがら>“カスタネット風”楽器をつくる....杉の家 i 
林業経済研究所創立70周年記念企画 リレーインタビュー③
 私の研究史〈石井 寛〉..........  1
2016年国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」助成シンポジウム
子どもと森のルネサンス─育てよう 地域の宝もの─
 開催にあたって.....土屋 俊幸  8
 第1報告 都市と地域と子どもをつなぐデザイン
  ─日本全国スギダラケ倶楽部の活動─......若杉 浩一  9
 第2報告 体験から学ぶ森と川のプログラム
  ─演習林における小学校の総合学習─......井倉 洋二 14
 第3報告 北海道の森の恵みを都会の子どもに...高橋 直樹 18
 第4報告 保育園児への自然労作保育─フォレスト・
  ガーディアン制度を活用して川上から川下へつなぐこと─
  .....福田 珠子 22
 第5報告 人生の門出を木のおもちゃとともに!
  ─ウッドスタートで生涯木育を推進─...馬場  清 26
 パネルディスカッション.... 30
 
 『林業経済』2016年度通巻目録......... 39
 平成29年度林業経済研究所研究奨励事業(小瀧奨励金)公募のお知らせ..... 41
 『林業経済』投稿連絡票.... 42
鹿児島大学で開催された森林学会大会の「木質バイオマス発電のための未利用木材を長期にわたり安定的かつ調和的に供給するために」というセッションに参加し「固体木質バイオマスエネルギーの需給動向と環境基準の展開の可能性」と題する報告をさせていただく機会があった。再生可能電力の固定価格買い取り制度という強力な支援策をえて、木質バイオマスのエネルギー利用が、地域の木材の需給動向に影響を与えつつあるという情勢の中で、多くの研究者が「安定的供給体制という視点で現場に密着した関連研究をしていることを再認識させていただいた。需給関係に思ったほどの問題点が発生していないが、潜在的にいろいろなリスクがあるのでないか。サプライチェーン管理というキーワードが一つのポイントにとなっている。電力会社のFITを使わないCSRからみのバイオマス利用の事例があるなど勉強になった。本件の全体的な課題の中で「環境性能のサプライチェーンを通じた管理」が重要で、グローバルな仕組みの調整が差し迫った課題になっている、ということが私のテーマだったが、調和的供給という大きな議論のなかで、この話題の重要性がかならずしも共有しきれていないという問題意識をもった。当方としても研究的視点で十分な展望をしめせるわけでないので、隔靴掻痒である。

今月号の70周年の企画リレーインタビュー第4弾は当研究所箕輪理事長。個人の研究史をベースに若手研究者への熱いメッセージだが、他の学術分野で開発されたツールを森林分野の取り入れるときに、道具として使うだけでなく森林分野での体系化の挑戦が必要など、若い研究者には刺激的な内容だろう。また、推定統計学などの森林経理学分野の議論の発展が、国有林経営方針に大きな影響を与えた様子など、学会と行政のリンクが興味深いものである。

特集「林業種苗生産の現状と課題」の第6弾は「戦後の林業種苗政策の確立過程」(田村和也)である。
戦前期の種苗政策形成過程、戦後の需給政策展開過程につぐ三部作の終章。100年に林業種苗政策を供給政策とに整理して提示していただいた。民間事業者音参入の可能性や海外の政策事例との比較など、いくつかの課題がのこっているだろうが、この分野の今後の研究のベースとしての役割をはたすことだろ。24ページの本論文は16ページ以内という執筆細則の本則をこえるものとなったが、特集としての依頼論文で3部作を掲載する過程で編集委員会の判断によるものである。

roomfj <ringyoukeizaishi/hensyukoukin>


 クリーンウッド法の施行、勉強部屋ニュース213号編集ばなし(2017/5/30)

5月22日に開催された林業経済研究所定時評議会で研究所の理事(所長)を降りることとなりました。70年間月間林業経済誌を発刊してきた団体。小さな団体だが、先人の努力の詰まった団体の経営の安定を図るマネジメントは重たい仕事でした。経営の安定化に向けての課題を明確にすることは少しはできたが、それを解決する道筋を十分に提示できなかったままなのは少し残念。

クリーンウッド法が5月20日に施行され、「クリーンウッド・ナビが公開されました。違法伐採木材の排除をする中で、長期的な地球環境問題と結果を求める木材ビジネスの新なた関係を構築する仕事が始まるが、全木連、林業経済研究所、ウッドマイルズフォーラム、持続可能な森林経営のための勉強部屋・・・たどってきた足取りの中で、この大きな仕事の一部に貢献したいという思いはあります。

今後ともよろしくお願いします。

次号の予告、木の建築賞と木の建築賞フォーラム、70周年を迎えた林業経済研究所世界と日本の森林認証の現状2017

konosaito<hensyukouki>


最後までお読みいただきありがとうございました。

持続可能な森林フォーラム 藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp