ニュースレター No.139 2011年3月27日発行 (発行部数:1224部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1 フロントページ:東日本大災害とポスト3.11(2011/3/27)
2. 森林法改正案のグローバル度(2011/3/27)
3. みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の内容(2011/3/27)

フロントページ:東日本大震災とポスト3.11(2011/3/29)

東日本大大震災で被災された皆様に様に心からお見舞い申し上げます。

3月11日午後に発生した、東北と関東北部の沖合を震源としたマグニチュード9,0の大地震と直後の太平洋岸に襲来した巨大津波が北日本の太平洋岸の各地域の生活、生産、エネルギー供給拠点に多大な被害を及ぼし、直接被害を受けた地域のみでなく、この地域に支えられてきた巨大な首都圏の生産、生活にも大きな影響を与えることとなりました。

復旧のための努力に全力投球されていますが、復旧から復興へというプロセスを考えると、リスクアセスメントを世界に誇ってきた三陸地域湾口防潮堤や原子力発電施設の脆弱性を前提に、どのように復旧から復興のプロセスを描いていくのか。

社会の依存エネルギーと温暖化対策はもちろんですが、大きな津波被害を受けた(旧)市街地を再び前のような市街地にするのかどうか一つとっても難問です。

単に一つの大きな震災からの復興というだけでなくポスト3.11といった大きなデザインの構築がためされることとなるでしょう。

マーケットを介さない人のつながりというのも一つのキーワードだと思います。

(日経新聞の3月20日付け中外時評「「3・11」とわれら日本人 −震災を共助と連帯の力に−」(ブログの孫引きです)が反響を呼んでいますが、3.11は日本人だけでなく海外も巻き込んでいます。)

三陸から南の東日本太平洋沿岸は、国産材合板や製材など大きな加工施設がある地域で、それらが少なくない被害を被りました。

これらは、輸入材から国産材への原料転換の中心を担っていた施設であり、当該施設への原料供給を念頭にビジネスモデルを組み立てていた東北地方の多くの企業に影響を与えていますが、復旧から復興の資材供給者として重要な立場にあるもので、一刻も早い復旧をお祈りします。

junkan1-12<post311>

森林法改正案のグローバル度(2011/3/27)

森林法の改正案が閣議決定されて公表されています。
(今後与野党の修正作業がある予定だそうです)

法律案(PDF:147KB)理由(PDF:46KB)法律案要綱(PDF:107KB)新旧対照条文(PDF:239KB)参照条文(PDF:225KB)
http://www.maff.go.jp/j/law/bill/177/index.html

概要は以下の通りです。

1 法律案の趣旨
  森林の有する公益的機能を十全に発揮させるため、森林所有者等が作成する計画について認定要件を追加するとともに、早急に間伐等が必要な森林の整備を図るための措置の充実、森林施業に必要な土地の使用権の設定手続の見直し等の措置を講ずる。

2 法律案の概要
(1)無届伐採者に対する造林命令の新設
伐採及び伐採後の造林の届出を行わなかった者に対し、伐採後の造林の措置命令を発出できることとする。
(2)早急に間伐等が必要な森林の施業代行制度の見直し
早急に間伐又は保育が必要な森林(要間伐森林)について、その所有者に対し、市町村長が通知を行うこととし、都道府県知事が、間伐木の所有権を施業代行者が買い取る契約を締結すべき旨の裁定を行い得ることとする。
(3)森林施業に必要な土地使用権の設定手続の見直し
森林施業に必要な設備をする者が他人の土地の使用権設定に関する協議を求める場合における関係人からの意見聴取手続について、関係人が不明の場合にも対応できるようにする。
(4)森林施業計画の見直し
森林所有者等が作成する森林施業計画を見直し、
@ 計画の作成主体を森林所有者又は森林経営の委託を受けた者とし、計画の認定要件として、路網の整備状況等に照らし計画に従った施業及び保護が適正かつ確実に実施されると認められること等を追加する
A 計画の記載事項に森林の保護に関する事項を追加するとともに、森林経営の規模の拡大の目標を記載することができることとする
等の改正を行い、その名称を森林経営計画とする。
(5)その他、測量のため立入調査を行う主体に行政庁が委任した者を加える等の措置を講ずる。

3 施行期日
平成24年4月1日(上記(4)に伴う国、都道府県及び市町村の計画の改定については、公布の日)

(林野庁「森林法の一部を改正する法律案について」より)

ポイントは森林施業計画の見直し。名称を森林経営計画とするとともに、認定要件が改訂され記載事項が拡大されました。

持続可能な森林管理のカギを握るマネジメントシステムの中心的なツールとなると考えられます。

生物多様性の保全や再生可能な資材の持続的供給といった持続可能な森林経営の7つの主たる要素(seven thematic elemens)(Mahamenta Joahi International trend in SFM<2011 国際森林年関連事業>国際セミナー「持続可能な森林経営の挑戦」)がしっかりとカバーされるのかどうか、今後の展開が重要です。

特に、港区の二酸化炭素固定認定制度のように、使われる木材の認定の前提が、由来する森林が「森林施業計画により適切に管理されている」ことを要件とする仕組みになってきており、この計画の取り扱いへの関心が大変広くなることが予想されます。

kokunai2-7<forestlow2011>


みなとモデル二酸化炭素固定認証制度の内容(2011/3/27)

3月18日に開催予定だった標記制度の説明会(諸都合で中止になったそうです)で配付される予定だった説明用のパンフレットをいただきました。(こちら

概要は以下の通りです

[制度の概要とポイント]

 この制度では、港区と「みなと森と水ネットワーク会議」に参加している自治体が協定を締結することにより、適切な森林管理と伐採後の再植林が保証された<協定木材>の使用を推奨します。
 港区内で一定規模以上の建築を行う建築主は、二酸化炭素固定量認証申請が必要です。建築物等へ協定木材を積極的に活用し、協定木材の使用量に相当する二酸化炭素固定量を申請することで、港区から二酸化炭素固定量認証書の発行を受けることができます。

◎ 対象とする木材
 認証の対象となる木材は、港区と協定を締結した自治体から産出された木材および木材製品(協定木材)です。協定木材は、森林施業計画等により適切に管理され、伐採後の確実な更新が保証された森林から生産された、より高い環境保全価値を持つ木材です。ただし、建設事業者が最大限努力しても適切な協定木材を調達できない場合は、合法木材※も認証の対象となります。
 なお、対象とする木材は、無垢材・集成材・合板の形態で建築物の構造材・内外装材・外構材・家具等に使用するものとします。

※合法木材: 林野庁が策定した「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」により合法性が証明された木材で国産のものをいう。

◎ 対象とする建築物
港区内で建築される、延べ床面積5,000m2以上の建築物については、区への申請が必要です。また、延べ床面積5,000m2未満の建築物ついても建築主が自主的に申請を行い、認証を受けることができます。

◎ 木材使用量の目標値
 港区内において、延べ床面積5,000m2以上の建築物を建築する建築主は、延べ床面積1m2につき、0.001m3以上の木材を使うよう努めなければなりません。

●基準値(★認証書を発行)・・・・・・・・・・・・・・・・延べ床面積1m2につき 0.001m3
●アップグレード値@(★★認証書を発行)・・・・・延べ床面積1m2につき 0.005m3
●アップグレード値A(★★★認証書を発行)・・・延べ床面積1m2につき 0.010m3

◎ 木材使用量の評価
対象となる建築物に使用された協定木材及び合法木材の構造材、内外装材、外構材、家具等の使用量を建物の延べ床面積で除した値で木材使用量を評価します。

◎ 二酸化炭素固定量の認証
 使用した対象木材の量に応じた二酸化炭素固定量を認証し、「認証書」を発行します。


kokunai4-25<mnato2011-1>



最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp