ニュースレター No.086 2006年10月9日発行 (発行部数:1300部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
フロントページ:違法伐採総合対策協議会のHP開設2006/10/9)
2 新たな森林・林業基本計画の決定(2006/10/8)
3. 南東アラスカ クルージングの旅「フィヨルドの原生林から日本の神社へ―つながる環境の輪」2006/10/8)
4. 気候変動枠組み条約と森林・木材政策(「森林技術」誌掲載)(2006/10/8)
5. 森林認証材の普及を巡る新た環境(2006/10/8)

フロントページ:違法伐採総合対策推進協議会のHP開設(2006/9/10)

合法性・持続可能性が証明された木材・木材製品の優先購入という日本政府調達方針に対応するため、供給側の取組が始まっていますが、「木材・木材製品の供給側の関係者はもとより、これを利用する調達側の企業、一般消費者の方々の間で違法伐採対策に関する情報を共有する」という目的で、「合法木材ナビ」というホームページが10月6日にオープンしました。

「違法伐採総合対策推進事業」の一環として、社団法人全国木材組合連合会違法伐採総合対策協議会の監修の下に作成しているものです。(「当サイトについて」

森林や林業には全く素人の調達関係者が、自分が買おうとする木材製品の合法性・持続可能性を確認する仕組みをつくるということは、大変な作業ですが、まだ始まったばかりです。

このページの作成には、仕事の関係で関わっているのですが、「政府・自治体・企業の調達担当者の皆さんへ」「森林所有者・素材生産者の皆さんへ」「木材輸入業者の皆さんへ」「木材流通・製材・加工業者の皆さんへ」「一般消費者の皆さんへ」といった、関係者毎にページを設けるなど、意欲的なものとなっています。(自画自賛)

このサイトを通じて、エコマテリアルである木材を供給する側と、使用する消費者や企業の調達関係者の新たな信頼関係が築かれることを期待します。

 


2 新たな森林・林業基本計画の決定(2006/9/10)

森林林業基本計画が9月8日閣議決定されました。
新たな森林林業基本計画についての林野庁のページ

わが国で森林に関する基本計画がつくられるのは、旧林業基本法時代に「森林資源に関する基本計画」が1966年に策定され、73年、80年、87年、96年に改訂、森林・林業基本法に変わって2001年に森林・林業基本計画に策定され、そして今回の新たな森林林業基本計画の策定と、7回目になります。

私見ですが、その中で今の時期ほど、産業政策としての林業の計画が重要となっている時期はなかったと思います。

利用可能な資源が充実し、国産材の供給が増加に転じてており、木材産業の側でも原料調達戦略の中に国産材を明確に視野に入れ始めつつあるなかで、国産材の安定供給体制の整備がはかれるかどうか、注目の的になっています。

その点で、今回の計画基本計画では、「基本計画策定の必要性」という項目の中での、(4)林業業および木材産業の改革の立ち遅れという指摘に始まり、3林産物の供給及び利用の確保に関する施策(1)木材の安定供給体制の整備にいたる記述が、目玉だと思います。

それに比べて若干食い足りないのが、わが国の森林の持続可能性に関する記述です。「持続可能性の証明された木材を優先的に購入する」との閣議決定(グリーン購入基本計画)を受けた直後の森林に関する基本計画策定作業ということで、その点の記述がどうなるか気になっていたところでした。今後の課題でしょうか。

「森林・林業基本計画(案)に関する意見・情報の募集結果及び処理について」が林野庁のHPで公開されています。

パブリックコメントでよせられた意見のいくつかを収集しこちらのページに掲載しています。

 


3 南東アラスカ クルージングの旅 「フィヨルドの原生林から日本の神社へ――つながる環境の輪」2006/9/10)

南東アラスカ旅行への同行者から投稿がありました。(一般市民の目線から)

皆さんがアラスカと聞いて連想するのは、オーロラ?北極熊?氷河?マッキンリー? おそらくこのリポートで取り上げる南東アラスカを思い浮かべる人は少ないだろう。カナダに接する細長いメインランド(大陸本土)と大小1000以上の島々からなる、フィヨルド地形の海岸線が入りくんだ地域で、沿岸を流れる暖流がもたらす温暖多雨の気候は、カナダを含むこの一帯に世界最大の温帯雨林とその恩恵を受けた豊かな生態系を育んだ。この美しい多島海地域の大自然の中を、野生動物たちに囲まれてモーターヨットHERON(あおさぎ)号で旅した1週間のことを、ぜひ皆さまにお伝えしたい。

藤原美佐子

つづきはこちらから


 気候変動枠組み条約と森林・木材政策(「森林技術」誌掲載)(2006/9/10)

7月中旬にシドニーで、気候変動枠組み条約の交渉を途上国側で牽引するツバル国の首相顧問イアンフライ氏とのインタビューについてはすでに小サイトでも詳しく報告しましたが、この内容を「森林技術」誌に投稿し、同誌9月号の論壇に掲載頂きました。

気候変動条約という地球環境条約で現在の所最も影響力を持つ条約の専門家と話をしていて、日本の「森林技術」という林業技術者の共通広場の参加者にどうしても伝えたいと思ったのは以下のことでした。

気候変動枠組み条約が、森林から木材まで吸収源として視野に入れて議論を始めているのは、この条約の内部の論理として当然のステップだが、この段階で、「持続可能な森林管理をされた森林とそうでない森林の峻別」という、国際森林条約の議論で先延ばしにしている課題の解決がさしせまったものとなるだろう。別の言い方をすると、気候変動枠組み条約の発展にとって、持続可能な森林管理の国際的な枠組みができていないことが障害になる可能性出てきているともいえる。


編集部のご了解を得て、全文のpdfファイルをおいておきます(こちらから)。

5 森林認証材の普及を巡る新たな環境(「現代林業」誌掲載)(2006/10/8)

「現代林業」誌10月号で、「森林認証で勝負する視点」という特集をしていますが、そこに上記の論稿を掲載させて頂きました。

昨年6・7月号での「木材認証の時代」という特集で、「木材認証の時代を読む」という話をさせて頂いてから、森林認証について同誌で特集が組まれるのは、本年3月号「SGEC森林認証・新展開」、そして今月号の「森林認証材で勝負する視点」で三回目になります。いかに関係者の関心が高まっているかという証拠ですが、この一年間の森林認証材を巡る、特に川下側の動きは注目すべきものがあります。

編集部の許可をえて全文のpdfファイルをおいておきます(こちらから



最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp