ニュースレター No.055 2004年3月15日発行 (発行部数:1010部)

 

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
フロントページ:地材地建をChizai-Chikenへ(2004/3/15)
2 森林と生活に関する世論調査(2004/3/15)
3.

住宅雑誌の国産材へのこだわり(2004/3/15)

4. ウッドマイルズ研究会ニュースレター木のみち3号(2004/3/15)

フロントページ:地材地建をChizai-Chikenへ(2003/3/15)

地場の農産物の普及運動の中で生まれた地産地消というキーワーとに対して、地場の木材の利用推進のキャッチフレーズ「地材地建」を提唱しているのは、鹿児島県です。その運動の中心にいる、「かごしまウッディテック・フォーラム(会長:藤田晋輔鹿児島大学教授)」によばれて、3月5日鹿児島に行って来ました。

「地材地建」の中核をになう鹿児島県林務水産部林業振興課では、地材地建かごしま家づくりセミナーを開催したり、県産材を使用した住宅建設グループ化など準備をすすめてきており、16年度からいよいよ認証されたかごしま材の供給による、具体的な家づくりが始まるようです。予算要求の過程で、ウッドマイルズ研究会の資料などが財政当局への説得材料として役に立ったといってもらいました。

フォーラム主催の講演会の中で、「地材地建」というすばらしいキャッチフレーズの広がりについて話をさせていただきました。

「地材地建」を地域の活性化というだけで展開する限り、180万鹿児島県民の運動ですが、環境負荷の軽減というキーワードを入れることによって、63億人の地球市民向けのメッセージになるとおもいます。
(←画面にマウスを持ってゆくと画面が変わります)

日本史の中で海外との文化の窓口になってきた鹿児島県ですが、地材地建がChizai-Chikenの運動への広がることを期待します。


森林と生活に関する世論調査(2004/3/15)

内閣府が昨年12月に実施した「森林と生活に関する世論調査」の調査結果が2月28日(土)に公表されました。

総理府時代からほぼ5年に一回行われている調査で、国民の森林への期待というほぼ同一項目についての時系列調査が有名です。今までの調査結果との比較をしてみました。

地球温暖化に関する関心がどんどん高まっていることは、予想されましたが、木材の利用に関する関心が高まり始めていることが注目されます。



Q4〔回答票7〕あなたは、今後、森林の働きに何を期待しますか。この中から3つまであげてください。(3M.A.)

結果 提示された項目
前回 今回
(12.9) (17.5) (ア) 木材を生産する働き
(14.6) (14.4) (イ) きのこや山菜などの林産物を生産する働き
(41.4) (41.6) (ウ) 水資源を蓄える働き
(56.3) (49.9) (エ) 山崩れや洪水などの災害を防止する働き
(29.9) (31.3) (オ) 大気を浄化したり、騒音をやわらげる働き
(39.1) (42.3) (カ) 二酸化炭素を吸収することにより、地球温暖化防止に貢献する働き
(15.5) (26.4) (キ) 心身の癒しや安らぎ、レクリェーションの場を提供する働き(注1)
(23.9) (18.7) (ク) 自然に親しみ、森林と人とのかかわりを学ぶなど教育の場としての働き(注2)
(25.5) (23.1) (ケ) 貴重な野生動植物の生息の場としての働き
(0.2) ( 0.3)     その他(          )
(3.9) ( 2.1)     特にない
(1.2) ( 1.0)     わからない
(注1)平成11年7月調査では,「保健休養などのレクリェーションの場を提供する働き」となっている。
(注2)平成11年7月調査では,「自然に親しむなど,野外における教育の場としての働き」となっている。

年齢別、居住地域別などの詳しいデータはこちら


全体調査の結果についての林野庁のサマリーはこちら。総理府の報告書本体はこちら

住宅雑誌の国産材へのこだわり(2004/3/15)

ウッドマイルズ研究会に関して雑誌からの取材を受けるようになりました。

(昨年からの、住宅雑誌にウッドマイルズの記事がについては、研究会ホームページに掲載しています。http://woodmiles.net/magazine.htm

この中で、住宅関係の雑誌が頻繁に国産材の特集をしていることを知りました。この2年間ほどの間に住宅関係の雑誌が国産材特集をしたものを、ウッドマイルズ研究会の坂崎さんが調べてくれました。

住宅建築  建築資料研究社  2002/8 特集 山を知らずにこれからの建築は語れない
 2003/8 特集 日本の木で作ろう
新建築 新建築社  2002/3 国産材活用のためのスケルトンログ構法
建築知識 エクスナレッジ 2002/3 特集 木材最新ガイド プロが教える国産材何でもガイド
CONFORT 建築資料研究社 2002/2 特集木の天性 木とともに暮らす、現代に残るニッポンの山仕事
2004/1 特集 木を使う理由
室内 工作社 2003/2 どうなる日本の木と山 今国産材を使うこと

 そのほかに、以下のように、雑誌の刊行意図自体が地域材にこだわる住宅関係雑誌があることも知りました。

チルチンびと 風土社 季刊 風土に根ざした素材でつくる、心地よくて安全な木の家。
NPO木の建築 年三回 先人たちの優れた知恵と技術に学び、新しい木造建築のあり方を提案
木のこころ 長寿ドットコム社 隔月刊 木を愛する人の、木の好きな人の、心にふれる木のこころ
住む。 農山漁村文化協会 季刊 住まいと暮らしに関するいろいろな知恵や工夫を学ぶ

これだけの国産材にまつわる情報が住宅雑誌の読者層に届けられているということは、驚きですl


ウッドマイルズ研究会ニュースレター「木のみち第三号」(2004/3/15)

ウッドマイルズ研究会のニュースレター第三号が3月11日に発行されました。

今回の巻頭言は研究会の顧問に就任された橋本高知県知事にお願いしました。まだ購読されていない方は、こちらのページからどうぞ。

目次は以下の通りです。

1. 巻頭言
 -1 循環型社会の構築に向けて                  橋本 大二郎(高知県知事)

2. 研究会ニュース
 -1 ウッドマイレージ認証木材普及事業             白石 秀智(京都府農林水産部林務課)
 -2 ウッドマイルズとウッドマイレージの商標登録       藤原 敬
 -3 第2回運営委員会の報告                   坂崎 有祐
 -4 都道府県に対するアンケート                 坂崎 有祐

3.【連載】第3回ウッドマイルズ概論
      第二章 建築物のウッドマイルズ指標案の概要と意義    藤原 敬

4.【連載】第2回環境問答 
      『木の家は環境にやさしいか(その1)』         野池 政宏

5. 読者の広場      随時投稿募集中

6. 新規会員紹介

7. 入会案内 

8. 事務局だより


最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp

 

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