ニュースレター No.053 2004年1月18日発行 (発行部数:1010部)

 

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
フロントページ:日本型認証制度の認証森林第一号(2003/12/15)
2 国際森林条約研究資料NO2(2003/12/15)
3. 人と森林ー東南アジア、極東ロシア、日本における政策と実践:書籍紹介(2003/12/15)

フロントページ:日本型認証の認証森林第一号(2004/1/18)

認証森林遠景 全林協HPより
日本製紙王子製紙の二つの大手製紙会社の社有林が、昨年末、緑の循環認証会議(SGEC)の森林認証を、取得しました。日本製紙北山社有林673ha、王子製紙社有林上稲子山林211haの計880haです。この結果我が国の第三者認証森林は176千haとなっています。(FSC認証についてこちら参照

どちらも富士山麓にある人工林を主体とした森林です。若干の留意事項をつけて、認証されたようです。

製紙業界は、昨年暮れのエコプロダクツ展2003でも認証森林の最も熱心な推進者という印象を受けました。

海外に輸出する企業があまりない我が国の木材関連業界の中で、認証に直接利害関係が強い大手企業が少ないのですが、自社製品の販売を通じた環境消費者との接点があり、かつ広大な社有林を持っているという製紙業界は、今後とも森林認証の一つの推進力となると思います。

認証に携わった方に話を聞く機会がありましたが、文書の管理など要求事項はどんどん対応してくるという熱意あるものだったそうです。ただし、第一号が、「大手企業の社有林」という、我が国にとっては特殊な森林だったわけで、今後「普通の森林」がどう認証されるのか注目されるところです。

認証に当たった日本林業技術協会からは、認証基準認証の概要が公表されています。また、全国林業改良普及協会森林認証審査センターからは認証及び認定審査手順されました。公開される情報量が少ないSGECなのですが、製紙業界、認証機関から様々な情報が公表されることを期待します。

以下に概要のデータを一覧表にします。
no 名称 場所 関連HP 面積 取得時期 認証機関 公開概要
SGEC
日林協1
日本製紙
北山社有林
静岡県
富士宮市
日本ユニパックグループ 673 2004年
12月
日本林業
技術協会
概要(和文)
SGEC
全林協1
王子製紙
上稲子山林
静岡県
芝川町
王子製紙 211 2004年
12月
全国林業
改良普及
協会
概要速報

2004/1/18

2. 国際森林条約関係資料(2004/1/18)

以下の 国際森林条約の関係資料を追加します。

1 国際会議での合意文書(和訳)

(1)森林に関する政府間パネル(IPF)最終報告(1997年)の和訳

地球サミットのフォローアップのために、1995年の第三回持続可能な開発委員会CSDで決められたIPFが1997年の第五回会合で採択した文書。行動提案が含まれています。

(2)森林に関する政府間フォーラム行動提案(2000年)の和訳

上記を引きついで設置されたフォーラムの第四回会合で採択されたもの。

1992年の地球サミットで採択された、森林原則声明後の、最も権威のある政府間合意です。林野庁が和訳したものの提供を受けましたので、研究資料に追加します。

2 その他の文献

(1)森林条約に反対する市民宣言(英文)

1997年のIPF第四回会合に向けで発表された、NGO80団体の声明
現時点で性急に森林条約をつくるのは、緩い基準への合意、生物多様性条約への桎梏、など、6つの理由をつけ反対声明をだしました。米国と環境NGOの反対への転換は大きなターニングポイントでした。(オンラインのテキストが少なくなってきているので、このサイトにおきます)、
作成年 文献名 著者 関連情報 備考
国際会議での合意文書
1992 A UNCEDアジェンダ21森林部分 UNCED 英文テキストリンク
1992 A UNCED森林原則声明 UNCED 英文テキストリンク 
和文テキスト
1997 A 森林に関する政府間パネル最終報告 IPF 英文テキストリンク 
和文テキスト
new
2000 A 森林に関する政府間フォーラム行動提案 IFF 英文テキストリンク 
和文テキスト
new
基本的な文献
1990 B 熱帯林行動計画独立評価報告書 英文テキスト関連部分 同和文 概要
1990 B 先進国サミットヒューストン会合への国際森林条約提案 米国政府 英文テキストリンク 概要
1997 森林条約に反対する市民団体声明 英文テキストnew

 2004/1/18改訂


3.人と森林ー東南アジア、極東ロシア、日本における政策と実践:書籍紹介(2004/1/18)

英文の本で恐縮ですが、"People and Forest -Policy and Local Reality in Southeast Asia, the Russian Far East, and Japan" 日本語に訳すと表記の表題の本が、Kluwer出版社から出版されました。財団法人地球環境戦略研究機関森林保全プロジェクトによる研究成果の一部を中心に編纂されたもので、編者は、同プロジェクトの東京大学の井上真、岩手大学磯崎博司の両名です。

キーワードは「森林管理における住民参加」ですが、「日本の森林計画における住民の参画」というセクションを小生が担当しました。

基本法の改定や国有林の改革など、最近の関連法制の解説、森林計画制度の紹介をしています。知床問題以来の国有林の住民参加についてのレビューをしているところがオリジナルかもしれません。機会があったらご覧下さい。

全体の目次は以下の通りです。
  • Introduction: Approaches to Strategic Research on Sustainable Forest Management; H. Isozaki.
  • Part 1: Framework For Sustainable Forest Management. 1. Underlying Causes of Forest Loss in the Asia-Pacific Region; M.Yamane. 2. Timber Trade Policy to Support Sustainable Forest Management; S. Nagata, S. Tachibana. 3. Participatory Forest Management Policy in South and Southeast Asia; M. Inoue. 4. Sustainable and Participatory Forest Management: Legal and Administrative Supporting Measures, and Final Recommendations; H. Isozaki.
  • Part 2: Policy And Legislation In Terms Of Local Participation. 5. Public Participation in International Environmental Agreements; K. Komatsu. 6. Forest Certification Schemes in Japan, Indonesia, and Malaysia: Background and Reality; N. Shiraishi, S. Tachibana. 7. Forest Policy Development in Laos; N. Kitamura. 8. Potential Roles for NGOs in Community Forestry in Laos: Liaisons between the Socialist Government and Grassroots People; S. Matsumoto. 9. Community-based Forest Management in the Philippines: Retrospect and Prospects; J. Puihin, P. Puihin. 10. Forest Policy Trends in Vietnam; D. Sam, L. Trung. 11. Informational Basis of Policy Judgments: The Case of the Royal Forest Department of Thailand; J. Sato. 12. The Development of Forest Policy in the Russian Federation - With a Focus on Khabarovsk Krai; A. Sheingauz, H. Kakizawa. 13. Public Participation in Japan's Forest Planning System; T. Fujiwara.
  • Part 3: Local Realities In Forest Use And Management. 14. Forest Values and Livelihood Uncertainty in Two Indigenous Communities of Indonesian Borneo; M. Nanang. 15. Policy of Protected Areas and Local Use of Forest Resources in Indonesia A Case Study of a National Park in West Java; K. Harada. 16. Impacts of Industrial Tree Plantations on the Inhabitants of South Sumatra, Indonesia; Y. Yokota. 17. Local Forest Management of National Biodiversity Conservation Areas in Laos; K. Hyakumura, T. Khotphathoum. 18. Local Forest Management in the Rice Terrace Area of Banaue, the Philippines; A. Hayama. 19. Adaptability of Community-based Forest Management for Ex-Logging Workers in the Philippines; Y. Seki. 20. Forest Utilization by Indigenous People: A Case Study of the Hunting Practices of the Udeghe People in the Russian Far East; S. Sasaki. 21. Forest Management and Water Resource Conservation: Cost-Sharing Systems between Upstream and Downstream Communities in Japan; M. Yamane.
  • Conclusion: Sustainable Forest Management through Local Participation - Procedures and Priority Perspectives; M. Inoue.


最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp