ニュースレター No.0452003年5月13日発行 (発行部数:800部)

 

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
 フロントページ:「持続可能な地球環境を未来へ」

2.

英文サイトJapan Forest Information Review の改訂

3.

森林林業基本法の英文テキスト
4. 「地球温暖化防止吸収源対策の推進のための国民支援に関する研究会」の開催
5. 国内森林認証の一つの方向ー「東三河環境認証材」認証制度検討報告書
6.  山梨県県有林のFSC認証概要公表

1. フロントページ:「持続可能な地球環境を未来へ」(2003/05/11)

「持続可能な地球環境を未来へ」と題する本が出版されました。横浜市立大学の2002年度の総合講義「国際社会の将来」の一連の講義に基づいて編集されたものですが、小生も「地球環境と持続可能な森林管理」という章を分担しています。

国際政治学の分野で、主権国家が併存し中央政府が存在しない現在の国際社会の中で、国際的秩序を保っていくことが可能なのだろうか?また、それが可能になる条件は何か?ということが、重要なテーマとなってきました。それまず最初に戦争と平和をテーマに展開され、その後主たる議論は越境する公害の規制や地球環境の保全のテーマを巡って行われているようです。

この本の編者である横浜市立大学の毛利助教授はこの分野の気鋭の研究者ですが、1年半前に一通のメールをいただ時には、一面識もありませんでした。毛利先生のメールには、小生のホームページをご覧になってコンタクトをしていること、そして「なぜ、森林の管理に関する国際的な枠組みが出来ないのか、この10年を振り返って話をしてほしい」という趣旨が書かれていました。「国際的な森林の問題と日本の林業の問題とが密接に関係があり、日本の問題も最終的には国際的な枠組みが出来ないと解決できない(という面がある)のではないか」という問題意識を持っていた私としては、思い切って引き受けさせていただきました。

国際政治学の概論を聴講する学部の学生に森林をテーマをお話しするのですから、どうしても地球森林概論風になり、内容がちょっと物足りない面があります。ただ、私個人としては、森林問題の国際合意の問題を、オゾン層の保全や温暖化問題などの課題などと比較して考える機会が与えられ、いろいろ勉強させてもらいましたので、その一端は紹介させていただきました。

ポイントは、他の分野と共通の点と異質の点がありますが、第一は、森林の国際管理の課題は、「途上国の開発権の調整」という、他の分野が先送りしまだ本格的には取り組まれていない核心的な課題に真っ正面から取り組まなければならないこと、第二に、国と国との関係だけでなく、緑の消費者などの動向が鍵を握っていること、第三に、日本が間違えなくキープレーヤーの一人であることなどです。そして、森林の国際管理が出来るようになった段階で国際ガバナンスの質が変わるのではないか、と考えられるくらい困難があるけれど、それだけ重要な問題であることなのではないか、と改めて思いました。

全体構成は次の三つに分かれています。
第1部 環境と開発のグローバルガバナンス(総論編)
第2部 ガバナンスを担う多様な主体(国、自治体、産業、市民という縦糸)
第3部 地球環境と持続可能な開発の課題(気候変動、生物多様性、森林、有害物質、海洋、淡水という横糸)

興味のある方はご一読下さい。


2.英文サイトJapan Forest Information Review の改訂(2003/05/13)

小サイトの英文ページを全面的に改訂しJapan Forest Information Reviewというタイトルで再出発しました。

日本の情報が日本語だけでやりとりされていて海外の人が分かりづらい、というのは、森林林業分野に限らないことかもしれませんが、森林林業基本法のテキストが英文になっていない、ということも含めて海外には相当なフラストレーションがあります。

温暖化防止吸収源対策を例にとるまでもなく、様々な行政施策はグローバルな文脈で作られています。また、日本型認証制度などもその展開は世界中の関心の的です。事欠かないトピックスを小サイトだけでカバーするのはなかなか難しいですが、四半期ごとの更新を目指して今回改訂しました。

今回付け加えて新たなコンテンツは以下の二つです。
Provision of the English text of Japan's new Basic Law on Forest and Forestry.
New Developments for Forest Certification in Japan

英文のニュースレターを要望に応じて配布いたします
また、小サイトを通じた情報発信のご希望があれば相談に応じます。

 


3. 森林林業基本法の英文テキスト(2003/05/13)

森林分野の海外向け発信が脆弱であるという象徴が森林林業基本法の英文テキストが作られていないという問題ですが、海外からの要請が多いので、小サイトとしての暫定訳版を作成しました。林野庁木材課の諏訪さんが基訳したものを、海外の専門家がチェックしたものです。林野庁の今泉さんにもコメントをいただきました。文章表現の格調と、森林林業や法律の専門用語の用法についての正確性を保つため、英語を母国語とする専門家のチェックを受けていますが、この件については枝廣淳子さん(ジャパン・フォー・サステナビリティ代表)にアドバイスをいただきました。関係者のみなさんにはご協力に感謝いたします。
ご希望により配布します

 


4.地球温暖化防止吸収源対策の推進のための国民支援に関する研究会(2003/05/13)

林野庁に標記研究会が設置され開催結果が公表されています。環境省などを中心に進められている温暖化対策税制の動きと平行して、森林林業サイドからも検討し将来の税の活用論議に備えよう、というもののようです。

4月21日に開催された第一回会合で配布された吸収源対策と温暖化対策税についての詳しい資料が公開されています

目次は以下の通りです。また、その他に参考資料も公開されています。
森林吸収源対策と温暖化対策税制について
1 地球温暖化問題と森林吸収源対策‥‥ 1
@ 地球温暖化対策大綱における吸収源対策の位置付け‥‥ 1
A 10カ年対策の概要とシナリオ‥‥ 2
2 温暖化対策税の検討状況‥‥ 4
@ 京都議定書以前‥‥ 4
A 京都議定書以降‥‥ 4
B 今後のスケジュール‥‥ 6
C 今後の論点の概要‥‥ 6
3 温暖化対策税の吸収源対策への活用‥‥ 7
@ 財源の使途として吸収源対策を検討対象とすることの妥当性‥‥ 7
A 財源が設定された場合の使途としての吸収源対策の意義‥‥ 8
B 国民による理解、支援の可能性‥‥13

 


5. 国内森林認証の一つの方向ー「東三河環境認証材」認証制度検討報告書(2003/05/13)

日本型認証制度の審議会に2回出席しました。議事録がなかなか公表されないので審議の内容の細部についてはタイミングを見て報告しますが、今後の方向として、地方の森林認証を巡る先進的な動きが出てきており、そういう動きとタイアップしてゆくことが、この日本型認証制度が活性化する一つのポイントだと思います。

最近送っていただいた、「東三河環境認証材」認証制度検討報告書もその一つです。

東三河流域森林林業活性化センターの需要拡大部会、NPO法人穂の国森づくりの会が作成したものです。三河材ブランド化や三河材流通加工センター(HOLZ三河)など木材業界の共同作業、豊川流域の穂の国としての地域連携、などの蓄積の上に出来たものですが、国際的な認証の水準も視野に入れながら地に足をつけた柔軟な発想の報告書です。

いただいた報告書の情報を資料室におきます。



6. 山梨県県有林のFSC認証概要公表(2003/05/13)

既報のように山梨県県有林がFSCの森林認証を受けましたが、認証概要が日本文と英文で公表されました。
日本文 山梨県のホームページ
英文 スマートウッドのホームページ


最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 takashi.fujiwara@nifty.com