地球温暖化対策計画(案)に対する意見(2016/4/27)

日本の約束草案及びパリ協定を踏まえ、2013年に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて政府がさだめることとなった「地球温暖化対策に関する計画(地球温暖化対策計画)」の政府原案が示され、4月10日を期限として、意見募集が求められていました。

「地球温暖化対策計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
地球温暖化対策計画(案) [PDF 2.2 MB]

関係資料
環境省地球環境部会審議経緯  産業構造審議会 産業技術環境分科会審議経緯  
京都議定書目標達成計画

同時期の森林林業基本計画案への意見と若干重複しますが、勉強部屋としても意見を提出しました。

森林政策との関係をみると、@温室効果ガスの吸収量と、Aエネルギー起源二酸化炭素の排出量の中での木質バイオマスエネルギーの位置づけの二つがポイントです。

1 木質バイオマス発電の推進への留意点

 第2節地球温暖化対策・施策
1.温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策
(1)温室効果ガスの排出削減対策・施策
@エネルギー起源二酸化炭素
(c) 電力分野の二酸化炭素排出原単位の低減
発電用バイオマス
37ページ8-17行目

バイオマス発電は、安定的に発電を行うことが可能な電源となりうる、地域活性化にも資するエネルギー源である一方、木質や廃棄物など材料や形態が様々であり、コスト等の課題を抱えることから、(以下挿入→)循環可能性・環境負荷などに留意し(以上挿入)既存の利用形態との競合の調整、原材料の安定供給の確保等を踏まえ、規模のメリットの追求、既存火力発電所における混焼など、森林・林業施策などの各種支援策を総動員して導入の拡大を図る。個別には、未利用材の安定的・効率的な供給支援、廃棄物系バイオマスのメタン発酵や焼却時の廃熱利用によるエネルギー回収の取組等を進める。

11ページ表1エネルギー起源二酸化炭素の各部門の排出量の目安のエネルギー転換部門の排出量の目安の数字は、長期エネルギー需給見通しの上にたっており、その検討過程から、バイオマス発電の現状を2030年に3倍ほど増やす計画となっており、未利用間伐は6倍、一般木材・農産物残さは30-40倍となるとされている(2015/3長期エネルギー需給小委員会第10回会合資料2長期エネルギー需給見通し関連資料45ページ)。

これを達成するには、指摘しているように、
「森林・林業施策などの各種支援策を総動員して導入の拡大を図る」ことが必要であるが、これを受けた、個別の指摘事項は「未利用材の安定的・効率的な供給支援、廃棄物系バイオマスのメタン発酵や焼却時の廃熱利用によるエネルギー回収の取組等を進める」というのは不十分である。
木質バイオマス資源の未利用部分を利用拡大する場合、違法伐採・不適切な伐採など森林資源の再生可能性へ負のインパクトが加わるリスクを十分に認知したうえで、トレーサビリティや環境性能に十分配慮した取り組みが必要である。

当然輸入バイオマスの拡大も予想されることから、海外では固形バイオマスの環境基準なども導入される状況に対応した日本市場の対応も重要な視点である

2 森林吸収現対策の留意点

2.温室効果ガス吸収源
森林吸収源については、2030年度において、約2,780万t−CO2の吸収量の確保を目標とする。また、2030年度において、農地土壌炭素吸収源対策及び都市緑化等の推進により約910万t−CO2の吸収量の確保を目標とする。 

@森林吸収源対策
46ページ
(2)温室効果ガス吸収源対策・施策
@森林吸収源対策
○木材及び木質バイオマス利用の推進
再生産可能であり、炭素を貯蔵する木材の積極的な利用を図ることは、化石燃料の使用量を抑制し二酸化炭素の排出抑制に資するとともに、持続可能な森林経営の推進に寄与することから、(以下挿入→)持続可能で合法性が証明された木材であることを前提として(以上挿入)以下の措置を講ずる。
ア住宅等への地域材利用の推進
イ公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づいた公共建築物等や、非住宅建築物における木材利用の促進
ウ林産物の新たな利用技術、木質新素材等の研究・開発、実用化
エ効率的な加工・流通施設の整備など需要に応じた国産材の安定供給体制の構築
オ木質バイオマスの効率的かつ低コストな収集・運搬システムの確立とエネルギーや製品としての利用の推進
カ木材の良さに対する理解を醸成し、地域材の利用拡大を図る「木づかい運動」等の消費者対策の推進

3 違法伐採対策関連

 63ページ 5-15行
(3)森林減少・劣化に由来する排出の削減等への対応
農地の拡大、燃料採取や違法伐採などによる森林減少・劣化に由来する温室効果ガス排出への対策が喫緊の課題となっていることから、我が国の知見や技術を活かしつつ、官民連携により、森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化を含めた途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)を積極的に推進し、森林分野における排出の削減及び吸収の確保に貢献する。
違法に伐採された木材は使用しないという基本的考え方に基づき、(以下挿入→)違法伐採法の趣旨を踏まえ海外の違法伐採木材の情報収集体制も強化し(以上挿入)地域材の活用も含めた、持続可能な森林経営を推進し、森林減少の抑止・地球規模での環境保全等に貢献する。

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