報告:「気候変動と持続可能なバイオマス利用〜土地利用転換・BECCS・森林の炭素蓄積機能に関わる国際的議論の動向〜」(2019/2/24)
 

1月30日開催されたバイオマス産業社会ネットワークBINの研究会「海外における木質バイオマスエネルギー推進についての最近の論調、産官学が直面する新たな課題」で標記の報告をする機会がありました。

勉強部屋で、森林を畑にしてバイオマスを地中化するBECCSの功罪ーNature Comunications掲載論文(2018/8/18)という報告をしましたが、ごらんになった主催者からの要請に応えたものです。

  標記の論文の内容を三つのセッションにそって説明しますが、前段でそのは背景としてパリ条約の合意内容を説明します
   パリ条約は、京都議定書のあとのあたらな枠組みが合意。
京都議定書ではなかった@途上国の参画、A新たな目標の二つがポイント。この報告が後者の、2度C目標、1.5度C目標を各国の自国が決定する貢献策(約束)を検討しながら進めるが、現時点で約束が2度の方向とはずれている
   そこで、目標と約束の二つの整合性を矛盾なく説明するシナリオはCO2の捕獲、固定(CCS)が重要な役割を果たす
  CCSとバイオマスエネルギー利用をあわせて行うと効率的?
BECCSといいます
   導入部で概要説明をしたあと、結論という部分が三つに分かれて説明される
あとは参考に検討すべき今後の課題、少し詳しい方法など(この部分はしっかり読んでいません)
   1.5度に向けて頑張ると、土地の炭素固定量がへる!!
土地の利用、森林の状態をしっかり管理しないと行けない
   土地利用の二つのシナリオを用意
地球上に日本の面積の20倍のエネルギー作物農地を設ける場合(積極的土地利用転換IM1.9)、その半分ぐらいで納める場合(IM2.6)
   上記の二つの土地利用と,1.5度目標、2度目標の二つあわせて4通りのシナリオで土地に固定された炭素が増えるか減るか?
左上が植生、右上が土壌、左下捕獲固定された炭素の量。それをあわせたのが右下の合計量
エネルギー作物に一番頑張った1.5度のケースが一番炭素固定の合計量が少ない
   1.5度になったときに北方では森林での炭素蓄積が増えている
  森林を エネルギー農場にしても何年たっても元がとれない地域(元の森林に蓄積してあった炭素・森林のままで固定されるであろう炭素の量(失われた量)が、エネルギー作物にして毎年固定した累積では21世紀中に追いつかない)がけっこうある
   増産が成功する地域は全体の3割ほど(前提が動けば変わります)?
   まとめ
学術文献なので、政策への意味合いはなにかと、考えてみましたが、今後増える見通しの輸入バイオマスをにらんで、その由来、サプライチェーンで発生する温室効果ガスGSGの排出量など議論が進む必要が有ると思います
   日本語の関係論文が出ています

山形与志樹(国立環境研究所)大気中CO2を減らすことは可能か?バイオマスCCSとその利用限界(2014)
高橋伸英(信州大学):CECCS(バイオマスエネルギー+CO2回収貯留)の可能性(2016)

その後この論文に関して日本語の要旨が公表されていると連絡をいただきました
【気候科学】森林管理によって温暖化を摂氏1.5度以下に抑えることができる
Climate sciences: Forest management could help limit warming to 1.5°C

このタイトルの訳文は少し気になりますが、ネイチャーの広報部の説明ページです

kokusai2-64(beccs+fore)