生物多様性保全の枠組み30by30アライアンスが発足ーメンバーになりました(2022/4/10)

4月8日「30by30ロードマップの策定と30by30アライアンスの発足について」という環境省の報道資料がネット上に公開されました。

いったい何のこと?30by30とは何か?

(30by30とは)

「ポスト2020生物多様性枠組」案の主要な目標として検討されている、2030年までに世界の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護することを目指す目標を指します」(環境省のネット上の解説

2020年までの目標を明らかにした生物多様性条約のCOP10で決められた「愛知目標」の次の枠組みをどうするのか?

このページでも紹介しましたが昨年7月に英国で開催されたG7首脳宣言で、も議論された(G7サミットの中の森林と木材ーG7/2030年「自然協約」とは(2021/7/15))「2030年までに世界の陸地の少なくとも30%及び世界の海洋の少なくとも30%を保全又は保護するための新たな世界目標」です。

G7も含めてなんとなくコンセンサスにはなっているんですが、まだ正式に決まった枠組みでなく、今年4月に昆明で開催されるCOP15の第2部でコンセンサスになるようです。追ってご報告

30パーセントにどんな意味があるのなど、少し注意しなければならないところがあるので、これも追ってご報告。

いずれにしても、「地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える」として森林に関する国際的環境的枠組みの議論と、日本の森林政策のと関係を追いかけてきた勉強部屋としては、重要な取り組みです。

(30b30ロードマップ)

左の図が今回公表されたロードマップの概要です。

30by30の数字だけでなく生物多様性を確保するという国民的なコンセンサスをどう構築するのか?というのがロードマップの趣旨だとすると、左の図にあるように@「国立公園等の保護地域の拡張と管理の質も向上」(国自分が直接管理する土地の生物多様性をがどのような管理をしていくのか(林野庁の国有林は?))というのと、もう一つ、A「保護地区以内で民間人を巻き込んだ、運動をどのようの構築していくのか?」といのが一つのポイントです。

このため「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域について、国によって「自然共生サイト(仮称)」として認定する仕組みを2022 年度に試行し、その制度の構築と認定等の実施を進め、既存の保護地域との重複を除いてOECM(条約の流れので出てきた大切なコンセプト)Other effective area-based conservation measures)国際データベースに登録する」(ロードマップ3ページ)のだそうです。

新しいシステムが、どんな役割をはたしていくのかフォローしていきます。

(30by30アライアンス)

そして、報道資料のもう一つのコンセプト「30by30アライアンス」という団体。9日にネットが団体のHPが公開されました。

「里地里山、 企業林その他の 様々な 主体によって守られてきたエリアの OECM O t her Effective area basedConservation Measures としての 国際 データベース登録 及び保全等を促進 し 、又はその取組を積極的に発信す ることを目的として、 行政 、企業、 NPO 等 の有志連合として、「生物多様性のための 30by30 アライアンス」 を設置する。」(設立要項より)のだそうです。

新しい団体がどんなことをしていくのか、しっかり勉強して、とくに森林関係者に紹介していこうという考えで、持続可能な森林フォーラムも参加することとしました。

(気候変動と生物多様性)

92年地球サミットで一緒にできた、気候変動枠組み条約、生物多様性条約は、二つを比べると・・・

地球上の人がどんなことをやったらいいのか?という「システムの明快性」という視点からは、前者は温室効果ガスの排出量を二酸化炭素に換算した数値を削減というと明快な指標を持っているのに比べると、30by30は分かりにくい?かも

ただ、二つ比べて、どんな社会を創ろうとしているか、「目標の明快性」という視点で比較すると、前者が気温上昇が1.5度におさまった社会、と、後者が緑あふれる社会、後者がわかりやすいです。

その両方にかかわる森林のガバナンス、今後ともフォローしていきますね。

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