檮原森林組合FSC認証関連(2000/11/13)


檮原町森林組合訪問記new(2001/12/11)
11月の中旬、前々から気になっていた檮原町森林組合を訪問する機会がありました。ちょうど一年前の10月我が国のFSC認定の2例目として団体認証を得た森林組合です。同組合のFSC認定は、11の条件付きで、そのうちの5つは一年後までにという期限付きのものでした(公開用概要参照)。その宿題がどうなったか、ということが、一つの問題意識でした。早速そのことを中越組合長に伺うと、こともなげに、「一年後の監査を受けてクリアしたところ」、との説明でした。認定森林の面積も、その際1000ヘクタール以上増加して3335ヘクタールとなったそうです。
FSCに対応して「環境影響調査計画書」、「長期森林モニタリング調査の実施について」などいくつかの内部規定の文書が作成されました。ただし「そんなに難しいものではない。やっていることを日記にしたら大丈夫」という説明でした。これらの文書は現在推敲中だそうですが、是非早く公開いただけるようにお願いしてきました。
まえまえから考えていたことですが、FSCは途上国の熱帯木材を念頭において設計されたものなので、現在日本の普通の森林経営でやっていることが殆どFSCの基準をクリアするだろう、という考えが、確信になりました。要は、しっかり全体を見据えて説明できるシステム(マネジメントシステム)になっているか(説明者がいて説明のための文書が作成されているか)がとれているか、ということがFSCサイドのチェックポイントです。もちろんそうであってこそ、不備な点が改善されるというものですから。
町からの支援制度として、四国山脈の風を利用した風力発電による売上利益を使って、認定対象森林に限定して整備費の助成が行われることになったそうです。遠からず町内のほとんどの森林が認定森林になるのではないか、と想像します。
四国山脈の懐の町の活性化の中心を担っている森林組合の活動方針「山中八策」を同組合のホームページからコピーさせてもらいました。くわしくは同ホームページをどうぞ。
1.森林との共生の絆を強め、生態系を豊かにする森林施業を行います。
2.森林の蓄積を減らさない持続可能な森林経営を行い、森林からの恵みを活かし地域の発展に努めます。
3.水源林や河畔林は、私たちの水瓶と四万十川の清流を守ることを第一とした保全管理に努めます。
4.森林の持つ癒し、リフレッシュ、空気浄化、水源涵養、国土保全など多くの公益的な機能について、広く国民に理解を求める活動をします。
5.森林は人類の宝と位置付け、都市住民と連携した森林づくりを進めます。
6.循環型社会における木材の価値を再認識し、その利用拡大に努めます。
7.事業活動における環境や社会への影響を科学的に評価し、適切な事業活動を行います。
8.森林を汚さない、傷つけない生活を心がけ、森林を愛し、森林に遊ぶ従業員を育てます。

FSC森林認証を檮原森林組合の正式取得(2000/11/13)
FSC全国の第一号団地認証を申請していた檮原森林組合の認証決定が10月30日発表されました。おめでとうございます。
町内の希望者97名の所有山林2200haが団体認証されたということですが、平均的な森林所有者が認証をクリアしたということで、第一号の速水林業に負けず大きなインパクトを加えることと思います。今後の事業展開、その他の地域への波及など注目すべきものがあります。
認証にあたったのはFSC認定のコンサルタントスマートウッドですが、同社のホームページからに17ページにわたる認証概要がダウンロードできます(残念ながら英文ですが)。(伐採時などの環境評価方法書を1年以内に作成すること、など11の条件が付いていることが分かります。)
この認証がわが国の認証の普及に貢献するため、今後、概要書の邦訳や認証過程で策定された環境方針などが出来るだけ早く公表されるよう期待します。
高知県森林局が作成した広報用資料を掲載します。→ここ

檮原森林組合認証手続き(2000/6/26)
我が国のFSCグループ認証の第一号として高知県檮原森林組合が申請した案件は、去る5月中旬に認定認証機関である米国のコンサルタントスマートウッドによる現地審査が実施されました。その概要を高知県当局が作成したプレスレク用の資料と高知県の担当部局が作成した審査の内容・審査を受ける際の留意事項を掲載します。順調にゆけば8月には認証されることになるようです。第一号としての速水林業の意義は語り尽くせないものがありますが、普通の森林での認証という意味で、このグループ認証についていろんなインパクトがあると思います。特に審査を受ける際の留意点というのは臨場感があって参考になると思います。