梼原町森林組合及び池川木材工業(有)FSC本審査について(00.05.13〜05.21)
 
●FSC(森林管理協議会)による森林認証の申請概要
 
 1 申請者   梼原町森林組合  森林認証、流通加工認証
         池川木材工業(有) 流通加工認証
          梼原町森林組合は資源管理者として申請。審査に通れば、団体による
          認証は日本初。(認証日本初は速水林業)
 2 申請面積  2,249ha(97名:県、国有林は芹川森林施業協定部分を含む)
 3 認証機関  スマートウッド(アメリカ)
 4 審査員   ウォールター・スミス氏(SW)
         末田先生(林業担当)
         大田先生(社会・経済担当)
         有光先生(森林生態担当)
 
●審査経過
  5月
    13日      池川木材工業(有)    流通加工認証審査
    14日     梼原町森林組合製材工場 流通加工認証審査
    15日     梼原町森林組合ヒアリング 森林認証審査
    16日     梼原町内現地調査、公聴会(利害関係者)
    17日〜18日  梼原町内現地調査、森林所有者・組合職員(現場)インタビュー
    19日     審査、ヒアリング
    20日     審査、講評
       
 
●審査講評(20日)
 
  調査チーム :認証で報告書作成。但し、条件付き認証(一定期間内に条件クリアを約束す        ることで認証を受けられる)
        まだ、作業、手続きが残っており、認証過程中。
        公式発表は、正式の認証が下りてから。
 
●今後のスケジュール(作業の進捗により、多少遅れる場合あり。)
 
  6/ 1  審査チーム審査報告書素案(英語)
  6/ 8  チ−ムリーダー(SW:スマートウッド)に報告書提出
  6/15   梼原町森林組合に報告書
       ピアレビュー(第3者によるチェック)
  7月上旬  SW本部送付
  8月上旬  契約書サイン
  8月下旬  契約書合意、認証
 
●これまでの取組
 
  平成10年11、12月   県主催:森林認証制度勉強会
  平成11年 2月     梼原町、梼原町森林組合主催:森林認証制度勉強会
       5月     県主催:SWによる認証制度現地勉強会(梼原) 
       7月     梼原町森林組合、申請者募集
       12月     認証審査申し込み
 
 
 
●審査を受ける際のポイント、留意点
 
 *FSCの原則と基準の内容を幹部が熟知し、従業員に対するトーレニングの実施が不可欠
 *職員の環境意識を高めることが必要。また、地域活動への参加し、地域との連携。
 *調査時に、国際的な条約、国の法律、県・市町村等の条例、統計データ等に関する質問が  あり、ある程度、受ける側に知識(認識)が必要。
  このため、行政(法律、計画、造林)、研究機関等のバックアップが不可欠。
 
 *現場をよく知りかつ、理論付けする者が内部に必要。
 *日頃のデータの集積、データベース化
 *説明する際に、その結果に至ったプロセスを含め行うこと。また、プロセスを記録・保存する  こと。
 
 *説明は環境面への配慮とコストについて両面行うこと。
  審査では行間を読んでくれない。
 *記録、文書化、マニュアル化が重要であるが、できないことを記載する必要はない。
  事業体で普段の仕事の中に組み込み、かつコストが掛からないこと手法にすること。
 *記録については、価値がないと考えているものがモニタリングに役立つ。
  たとえば、集落から町への被害報告文章(崩土)
      作業道、林道の調査野帳(崩壊地の位置、土壌の状況)
 
 *環境評価(簡単な)、モニタリング(簡単な)手法の確立が必要。
  地域の人でできること、現場と研究者の連携、環境団体との連携
 *専門用語と林業の現場を理解している通訳
 *審査は、新緑か紅葉の季節が広葉樹が目立ち好印象。