日本森林学会2019コレクション(2019/5/15)

日本森林学会130回大会が新潟大学でで3月20-23日に開催されました。(出席の準備をしていたのですが、かなわず。)

森林分野の横断的な学術的報告が行われる森林学会大会は、持続可能な森林経営の枠組みについての研究動向を知る上で重要なのですが、年度末のこの時期に出席するのは難しい状況が続いていました。

いよいよ、毎年出席できるかな、という状況になってきましたが、今年は有る事情でパス。ネット上に公表されたデータをつまみ食いします。

気になった報告をすべてフォローすることはできませんが、本人のご厚意によりいただいた発表資料データ、大会誌に掲載された概要をもとにを紹介します。

森林学会の報告全体はこちらから

 標題  発表者  関連データ  趣旨・注目点
森林の多面的機能の評価
自然保護契約制度の内実と応用可能性 堀靖人(森林総研) 要旨A21 ドイツで実施している自然保護契約制度では、環境に配慮した施業が具体的に 示され、それによって掛かり増しとなった費用が助成額の根拠。日本での可能性
森林への価値の多様化─野洲川上流域集落の事例 から 石橋弘之(総合地球環境学研究所) 要旨A24 木を売る経済的価値に加えて、森林の活 動を体験する価値、林業を継承する伝統的価値、親子で森を学ぶ教育的価値、里山の行事を楽しむ価値等
J クレジット制度の森林管理プロジェクトにおける運用の課題 牧島京右(鳥取大学農学部) 要旨P1-001 鳥取県内において森林管理プロジェクトを行う地方公共団体や森林組合を対象に、J取り組みが制度活性化に与える影響と森林管理プロジェクトにおける運用の課題を考察
森林産物サプライチェーンの管理
日本の木材チップ取引における組織間関係 早舩真智〔森林総研) 要旨A3 近年のバイオマス発電所の増加による供給先の増加から、チップ製造業者が取引における交渉力を向上
 渋川県産材センターの稼働に対する森林組合の対応  興梠克久〔筑波大学) 要旨A5
資料
 県森連センター稼働を受けて森林組合が造林型組合から林産型組合へどのように転換したか、センターを設立した意義
木材取引情報の非対称性に対する協定取引の影響 ─高原林業地を事例として─ 茂木もも子〔筑波大学) 要旨A6 供給者と需要者協定取引を事例に情報の偏り(非対称性)に着目して協定取引における木材取引情報の非対称性の有無を明らかにする
 FIT における木質バイオマスの温室効果ガス基準の必要性  泊みゆき(NPO 法人バイオマス産業社会ネットワーク) 要旨A14  英国等における再生可能エネルギー利用促進のための補助制度では、GHG 排出量基準が設定されているが、日本のFIT)においては、それらに関する規定はない
林産品と地理的表示の保護制度:国際情勢と岩手県の切炭を事例として 香坂玲〔東北大学) 要旨A18
資料(日林誌に掲載予定)
2018年に岩手木炭が国内初の林産品として、地理的表示保護制度に登録されている。地理的表示保護制度がいかなる制度か概観を紹介、岩手木炭が申請に至った背景ならびに過程を検証
 製材業における地域共同納材体制─静岡県の事例ー  村井敦史(富山県農林水産総合技術センター木材研究所) 要旨 P1-007  2018年に岩手木炭が国内初の林産品として、地理的表示保護制度に登録されている。地理的表示保護制度がいかなる制度か概観を紹介、岩手木炭が申請に至った背景ならびに過程を検証
 岩手県における製材工場の実態解明=素材生産量の増加への対応=  泉桂子(岩手県立大) 要旨 P1-008  岩手県内の中∼大規模製材工場5 事業体を対象として、東日本大震災津波の影響の実態、製材工場の原木集荷の実態を解明
自治体の森林管理力
市民アンケートの結果にみる市林業行政の課題と展望─飛騨市の調査から 中村幹広〔飛騨市役所) 要旨A28
資料
期待する市林業行政は、林道や作業道の整備が最も多く、次いで獣害対策、木材の販路開拓の順。社会の成熟とともに森林管理にも多様性を求められる今日、これまで以上に市民の意向を反映した市林業行政が必要
水源涵養機能を重視した森林経営への転換─横浜 市有道志水源林を事例に─ 山口広子〔筑波大学) 要旨A29 1991 年に木材生産を従目的化し水源涵養機能の発揮を最優先させるよう経営方針が転換転。換後は横浜市民による森林ボランティア活動等が行われ、都市と山村の交流拠点に
自治体林政の政策波及:森林環境税と森林づくり条例を事例に Shuichiro Kajima〔東北大学) 要旨A30 「県独自の森林環境税」と「森林づくり条例」を対象に、どのような政策や方向性があるのか、そしてその要因は何かを明らかにする
地方自治体による流木被害対策の特徴と課題
地方自治体による流木被害対策の特徴と課題 尾分達也(九州大学) 要旨A31 岐阜県、長野県、三重県、大分県等の流木被害軽減対策の特徴を整理し、気候変動下における災害軽減のための政策課題を考察
森林政策史
2000 年代の森林法制度と森林所有者 大塚生美〔森林総研) 要旨A15 国や地方自治体の政策決定に森林所有者の意向がどれだけ反映されているか
森林計画制度前夜─制度はなぜできたか─ 山本伸幸〔森林総研) 要旨A16
資料
森林計画制度導入前後の林政等の動きを追い、現代の日本における森林管理にも大きく影響を与える森林計画制度の基層を明らかに
日本における関税撤廃が国内林業セクターに及ぼす影響 樋熊悠宇至〔筑波大学) 要旨A20 日本への輸入財にかかる関税の撤廃によって生じる日本経済、とりわけ林業セクターへの影響についてCGE モデルを用いて推計
 林政・林業経済学分野の歴史と展望  峰尾恵人(京都大学) 要旨P1-002   林政・林業経済学分野は、ポストの減少とアイデンティティの喪失という深刻な課題に直面。いかなる名称を旗印とし、どのような内実をもつ学問としてあるべきか、議論が必要

発表資料をいただける方は、ご連絡いただけるとありがたいです。

gakkai<sinrin2015>