環境経済・政策学会2008年大会コレクション(2008/10/11)

9月27/28日大阪大学豊中キャンパスで表記大会が開催されました。この大会は小サイトの立ち上げの動機に係る重要な大会であり、一つの報告の討論者を依頼されたこともあり、参加しました。

プログラムとすべての報告要旨がこちらのサイトからダウンロードできます

あいかわらずこの学会での報告の目玉は温暖化問題です。条約交渉やその準備に直接関わっている研究者、行政関係者の報告も多く、京都メカニズム、データ分析、排出権取引、ポスト2012、国内政策など8つのセッションが設定されています。聞いているだけで、この分野で、今後どんな議論が進んでいくのか一応のことが分かります。

それに比べて、生物多様性や森林管理に関しては独立したセッションが一つもないという寂しい状態です。環境経済政策分野の研究者が大勢森林を対象とした研究に取り組むことが行政と研究の発展にとっても重要だと思いますが、少し残念な状況です。

その中でも、森林や地球温暖化条約の将来に関する報告で気になったものを紹介します。

論題 発表者 要旨リンク 内容
森林と森林政策の評価
水源環境保全と税制ー日本における森林・水源環境税の展開を中心として 藤田香 D14 森林水源税を素材に今後の当該税制のあり方の課題を提供
森林認証制度普及のための評価方法の提案ーマレーシア・サバ州の森林保護区を事例としてー 三谷和臣 J11 森林が提供する環境サービスの価格を農地となった場合比較
貿易と環境
地球温暖化防止対策とWTOルールの相互関係 原嶋洋平 K12 地球環境問題の取組から、従来のWTOルールが挑戦を受ける面がある
森林保全の誘因政策に関する空間均衡分析 持田亮 K13 持続可能な森林管理の地球的レジームについての大胆な提案
現代の環境問題と市場的手段の意義ー普遍的環境問題とその対策 日野道啓 b33 地球的環境問題の解決のための制度検討の枠組み、市場的手段の有効性
再生可能エネルギー
自然エネルギーによる長期エネルギービジョンとその実現に向けた政策提言 分山達也 G11 2050年までの日本の自然エネルギー依存した最大限のシナリオ提示
林間型バイオマス事業を対象にした政策形成過程の現状と将来 金藤正直 G13 市民参加型の政策形成・実践のモデルを日本とスウェーデンの事例提示
資源循環型社会における地域経済活性化の効果ー岡山県真庭氏におけるバイオマス事業 中村良平 F32 木質バイオマス利用の地域経済に及ぼす影響の計量的評価事例
温暖化問題の基礎:ポスト2012、排出権取引
ポスト京都の枠組みとプレッジアンドレビューーその可能性と削減効果 山口光恒 A21 第二約束期間は法的拘束力をはずしてみたらどうか、という大胆な提案
セクター別ベンチマークによる世界のCO2排出削減効果 秋元圭吾 A22 日本提案の骨子となっているセクター別アプローチの具体的シュミレーション
気候変動対処を目的とした次期国際枠組みの構造分析 亀山康子 A23 将来シナリオに関する日本の専門家の最大公約数的意見抽出過程
セクター別アプローチを巡る混乱および今後の国際交渉における重要課題 明日香壽川 A24 「セクター別アプローチ」についての、日本と海外の理解ずれ
流域社会内における温室効果ガス削減の交換ネットワークに関する地域研究 横山孝雄 B21 加古川地区での事例をもとに、森林や木質バイオマス利用等を前提としたモデルの提案
持続可能性・生物多様性などの総合指標
生物多様性条約COP9の結果とCOP10へのロードマップー「International Regime」における資源の経済価値評価の意義ー 渡辺幹彦 K25 数少ない生物多様性条約を題材にした報告。遺伝資源の経済価値評価のどうしても必要
持続可能性指標の社会的インパクトとその課題 野上裕生 H34 持続可能性をはかる指標が数々提案されており、ぞれぞれの社会インパクトを評価
「持続可能な発展」指標の将来値の推計方法に関する研究 時松宏治 J33 国民経済計算のレベルで持続可能な発展のレベルを表す指標の一提案

以上については、すべての報告を聞いて記述しているものではありません

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