環境経済・政策学会2005年大会コレクション(2005/11/6)



10月9-10日早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて表記大会が開催されました。今年の大会には残念ながら報告することができませんでしたが、地の利もよく、また、このサイトの立ち上げの動機にかかる重要な学会なので参加してきました。

プログラムとすべての報告要旨がこちらのサイトからダウンロードできます

例年のことですが、この学会での報告の目玉は「温暖化問題とその対策」で、同名のセッションが三つに分かれ20近い報告がされています。第一約束期間にむけて環境税や吸収源対策がホットな行政・政治過程と違い、学術的な関心はポスト京都に向かっています。頭を柔軟にしておく意味でも一瞥の価値があると思います。

ちょっと気になるのは森林分野の研究者の参画が意外と少ないことです。環境経済政策分野の研究者が大勢森林を対象とした研究に取り組むことが行政と研究の発展にとっても重要だと思いますが、その数も残念ながら少なく、また、大会で十分な議論が足りないという気もします。

気のついた報告を一覧表にしてみました。
森林と森林政策の評価
いかにして地方森林税は実現するのかー地方森林税の政治経済的分析 高橋卓也(滋賀県立大学) b31 各県の税検討開始時期の要因分析。政策逼迫度と関係あり。
入会を起源とする伝統的森林コモンズの変容 島田大作(京都大学) b32 持続可能な資源管理の制度として注目されコモンズの役割を実態分析
Evaluation of subsidy Policy of Japanese Forestry 佑川明子(東京農工大学)他 e35 各県の林業補助金の増分が生み出す便益が少ない
Latent Infuencs on Forest Area Dynamics in Asia Amapola Dela Cruz Generosa
(九州大学)
m22
ja 
林産物輸出の多い国は植林地が多い
バイオマス環境会計の構想 八木裕助(横浜国立大学) g36 地域単位の木質バイオマス循環を記述し評価する手法
エコツアー参加者はどんなツアーを望んでいるかー知床国立公園における実証分析 柘植隆宏(高崎経済大学) h32 ヒグマが見られる確率1%に306円支払う
貿易と環境
Trade Ban and the Black Market: A Consideration of the Incentives for Illegal Production 大沼あゆみ(慶応義塾大学) c33 違法採取物品の貿易禁止は非効率的な政策
企業の社会的責任
環境負荷削減実践が経済効果を引き起こすメカニズム:資源依存の企業感(RBV) 謝双玉(広島大学) i33 環境マネジメントが経済パフォーマンスに貢献する道筋
企業の環境活動が銀行の貸付金利に与える影響の定量分析 大原伸介(東京三菱銀行) i35 企業の良好な環境活動は借入利率に影響するという実証分析
温暖化問題の基礎:ポスト京都議定書問題
CO2温暖化説は間違っている。よって、温暖化対策事業は中止させるべきである。 槌田敦(名城大学) a11 反対論のサマリーが提供されています
2050年脱温暖化社会構築に見えたシナリオアプローチの関する研究 藤野純一(国立環境研)他 a13 最終的な均衡目標を念頭に置いた日本社会のシナリオ研究
気候変動の世界地域別寄与度のブラジル提案 黒沢敦(エネルギー綜合研究所)他 a14 途上国を参加させる枠組みとして提案されている負担均衡論
ポスト京都議定書の枠組み 山口光恒(帝京大学) a16 米国途上国を参加させる実践的な提案
日本における効果的な炭素税制度のあり方とその評価 石橋亮太(東京工業大学)他 a24 他のシナリオと比べた効率性の比較、欧州各国比較
京都議定書以降の気候変動対策における目標設定及び削減義務の分担に関する定量的評価 西本裕美(京都大学) a35 長期目標提案間のシミュエーション
京都メカニズムの総括及び今後の制度設計のあり方 明日香寿川 a34 ポスト京都でも同様なメカニズムは必要

注 英文での報告をしたGenerosaさんにはお願いして和文の資料を作成して頂きました。