固体バイオマス燃料国際規格化シンポジウム(2019/6/15)

5月17日都内で「固体バイオマス燃料規格化シンポジウム」が開催されたので出席しました。

​【主催】固体バイオ燃料国際規格化研究会
【共催】 一般社団法人日本木質ペレット協会ペレットクラブ
     近畿大学バイオコークス研究所
【後援】農林水産省
【協賛】 一般社団法人日本エネルギー学会
     一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会

集まった100人ほどのバイオマス燃料関連産官学関係者業界関係者の前で、冒頭、主催団体「固体バイオ燃料国際規格化研究会」の代表幹事である森林総研吉田貴紘木材乾燥研究室長は、開催趣旨を以下のように紹介しました。

「低炭素化社会・持続可能な社会に向けて、バイオマス燃料の役割はきわめて重要だが、製品が標準規格化されユーザーが安全・安心して使える環境が整っていない。世界では国際標準化委員会ISOで35の規格ができている。日本のユーザーが輸入品の安全性(火災・事故へのリスク)・使いやすさ(保管のしやすさ)などを選択する可能性もある。安全安心なバイオ燃料を消費者に提供する道筋をつけようと研究会ができた。本日はそのキックオフ会議」(吉田室長基調報告

林野庁から研究指導課担当室長以下3名の担当者が来賓として出席

メインイベントはISO本件責任者レナートヤンセンISO/TC238議長(スウェーデンFieflyAD社社長)が「固体バイオマス燃料のISO規格その歴史と意義」と題する招待講演。

20年にわたる欧州の固体バイオ燃料の規格化は、化石資源や原子力などと違って、安全安心して使えるバイオマスにしていくための努力だ、として、木質ペレット、木質チップ、ブリケットなどの製品別仕様と分類に関する規格群、安全性・含水率・耐久性など横並びで応用できる規格群など実施にうつされている規格が紹介されました。

会議では、木質ペレット規格の関係者の参画表明の他、石炭の規格評価コンサル企業の関心が示されるなど、需要の拡大・グローバル化が進む木質バイオマス燃料のマーケットに対して、他産業の関係者が関心をもってのぞんでいることも注目されます。

会場からは「FITの関係で国内で議論されているバイオマス製品の製造過程の温室効果ガスのLCA排出量などの規格はどのように位置づけられるのか?」という質問が複数あり、「本日紹介したISO/TC238の議論は製品の物理的性質に関するもので、ご指摘の環境的性能に関する品質は、今後、燃焼器の規格などが整備されたあとに、他のTC、PCと連携して議論されるのではないか」(吉田室長)とされました。

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