シンポジウム「地域の森と生活環境」

 

ほんの、少し前の時代まで、暮らしのあらゆる場面で自然素材に囲まれていた我々日本人が、今や化石・鉱物資源などの濫用を続けた果てに自らの環境を保全することさえもが困難な状況に至っている。

また、1992年に開催されたリオデジャネイロでの地球サミット以来、地球温暖化対策を考える上で「森林」の存在が大きくクローズアップされ、1997年の京都議定書でまとめられた、我が国のC02削減目標6%のうちの3.9%は森林に期待せざるを得ないとされている。

さらに昨今の輸入木材の圧力や、過疎化による人々の山林離れなどから林業などの山間部経済活動の弱体化による人々の山林離れなどから、放置人工林の増加などがもたらす国土保全上の懸念さえもが訴えられるに至っている。

こうした様々な課題が山積する中で、山林あるいは木材を適切な管理の元に置くことを狙いとして、認証システムが注目されることとなり、FSCなどの国際的な動きが活発化している。さらに「地産地消」の要素を加えた地域認証材の考え方も打ち出され、各地で積極的な動きが登場し始めている。

私たちの穂の国も母なる豊川の流域で生活する住民自身が取り組むものとして、全国に先駆けた運動を創ってゆく必要があるのではないだろうか。

 

 

1 13:0014:20

基調講演

「木に学ぶこれからの生き方」

講師:大浦由美氏(名古屋大学大学院 生命農学研究科助手)

 

基調報告

「東三河環境認証材認証制度モニタリング調査報告」 

   報告:穂の国森づくりの会

2 14:3016:00

パネルディスカッション

「森林整備と地球温暖化〜地域材認証制度の可能性〜」

コーディネーター 藤原 敬氏(独立行政法人森林総合研究所 理事)

パネリスト    喜夛 弘氏(社団法人日本森林技術協会 常務理事)

関原 剛氏(森林NPO植林針葉樹産地認証協議会 代表理事)

寺本和子氏(豊橋創造大学教授)

コメンテーター    大浦由美氏(名古屋大学大学院 生命農学研究科助手)

 

 

≪プロフィール≫

 

大浦由美 氏 (名古屋大学大学院生命農学研究科 助手)

信州大学大学院農学研究科修士課程終了。1993年より名古屋大学に助手として勤務。

人と森との「つきあい方の変化」に関心を持ち、特に山村に暮らす人々が森林の持つ多面的な機能を、地域の資源としてどう生かし、どう維持していくのかについて研究を進めている。

 

藤原  氏 (独立行政法人森林総合研究所 理事)

林野庁・中部森林管理局名古屋分局長等をへて現職。

個人HP「持続可能な森林経営のための勉強部屋」のニュースレターは千部を超える。

「ウッドマイルズ」の考え方を提唱。地域材認証制度に環境の視点を、と訴えている。

 

喜夛  氏 (社団法人日本森林技術協会常務理事)

林野庁林木育種センター所長等を経て、現職。

自然環境共生技術、森林吸収量算定技術等を担当。全国を対象とした森林認証制度『緑の循環』認証会議=SGECの取りまとめ尽力されている。

 

関原 剛 氏 (森林NPO植林針葉樹産地認証協議会 代表理事)

新潟県上越市を中心にして、いち早く地域材認証のシステムを打ち立て、現在同認証協議会の代表理事。

そのほか、NPO木と遊ぶ研究所やNPOかみえちご里山ファン倶楽部などを発足させており、早い時期からNPOの分野で活躍。

 

寺本和子 氏 (豊橋創造大学 教授)

建設省から豊橋市に出向して助役に就任。その後、建設省を離れて当地に残り、現職。

助役時代には、豊橋型住宅の提唱をするなど、地域の森林・木材の活用の重要性に配慮した施策を推進された。NPO法人朝倉川育水フォーラム理事長など、NPOの分野でも活躍中。

 

MEMO