森林認証制度について(趣意書)
 
森林認証制度検討委員会
 
  森林認証制度が注目されはじめたのは、海外では80年代後半から90年  代にかけてとされる。この時代は熱帯林の急激な破壊問題が環境運動の焦点 となり、環境運動に熱心な消費者は自らが熱帯林の破壊を助長しないという 「証し」を得るため、「持続可能な森林経営から生産された木材」というこ とを認証する制度として展開されてきた。とくに、92年の地球サミット以 降この制度は世界的に大きく動きだした。
   我が国においてこの制度が話題となりはじめたのは90年代後半からで、
  林業・林材界では、ISOやFSCの制度内容が紹介・検討され、1999
  年以降には認証を取得する企業、団体さらに個人も出現するようになった。  また、各団体においても急速に関心が高まり検討が進められるようになっ てきた。
   一方、地球温暖化防止にとって、温暖化ガスの吸収源としての森林の役割 が、改めて見直されている。京都議定書に定められた森林への追加的、人為 的活動など、森林管理のレベルを高める上で、吸収源としての森林を適正に 評価し、認証により明らかにする必要がある。
   そこで当委員会においては、森林・林業・木材産業における認証制度にする認識を統一するとともに、我が国にふさわしい認証制度のあり方について研究・検討を進め、今回、その結果を中間報告としてとりまとめたところである。
今後、具体的な認証基準及び運営体制等について学識経験者,林業・木材産業の関係者,自然保護団体,消費者団体等の各分野から意見を求め、国際性を有するとともに幅広い国民の支持が得られるよう、日本の自然環境や生活環境、さらには生物多様性維持に配慮し「持続可能な森林」を整備するという視点にたって、「緑の循環資源」活用の仕組みを実現する森林認証制度を確立する。