ニュースレター No.2292018年9月23日発行 (発行部数:1436部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:気候変動枠組み条約の今後の展望と吸収源の位置づけ(2018/9/23)
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環境経済・政策学会2018に出席しましたが、そのポイントの一つは、気候変動枠組み条約の議論の進展の大きな枠組みのなかでの、森林の位置づけ、取り扱いの方向性です。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の主要なメンバーであった地球環境産業技術研究機構 山口光恒氏が「2030年及びそれ以降の気候変動戦略-短期・中長の観点から」ど題する報告をされたのでその内容を紹介します。 2030 年及びそれ以降の国際枠組みの検討と題する論文(以下SEEPS2018山口論文)がネット上に掲載されています。 (パリ協定の長期目標と各国の短期誓約(プレッジ)のギャップ) パリ協定は気温上昇を(工業化前の時代に比べ)2度C以下に抑えることとし(第2条1a)、その達成に向けて参加国は自主的目標(プレッジINDC)を提出し(第3条)、それをチェックしていくというしくみになっています。 SEEPS2018山口論文では、提出されたINDCの内容と長期目標との関係を、既報のさまざまな論文を根拠に詳しく分析しています。 その結果をしめすのが、図1で、現在提出されているプレッジが達成されたとしても、2度Cに向かっていくことは難しい、としています。 根拠とされた引用論文:UNEP (2017), “The Emissions Gap Report 2017, A UN Environment Synthesis Report”, November 2017 (ギャップを埋める大量の吸収量)
このギャップの整合性をとるためには、大量のマイナス排出(MNEs)が必要となります。 その例示が、図2です。 時間軸は2010年から2100年までですが、排出量から吸収量を差し引いたネットの排出量は2090年ごろまでにゼロにする必要があり、2100年の段階でGHG排出量は20Gtほどあるが、それを上回る吸収量が必要となります。 吸収量は茶色のバイオマス地中埋設(BECSS),と、灰色の土地利用(ほとんどが森林(植林・再造林)からなっています。 BECCSについては、森林を畑にしてバイオマスを地中化するBECCSの功罪ーNature Communication掲載論文(2018/8/18)などを参照していただくことにして・・・ 「AR/RF であるが、同じく2℃目標を前提にすると、吸収量は2100 年に中央値が1.1GtC(最大で3.3GtC)となり、こちらはha あたりの吸収量を中央値の3.4tC とすると、1.1-3.3GtC を吸収するのに必要な土地面積は3.2~9.7 億ha となる」(SEEPS2018山口論文25ページ)としています。 (一定の森林の吸収量(若齢)がそのままカウントされ、若齢に維持されたまま、収穫された木材が、腐朽せずに隔離される、という前提でモデルがのようにみえますが、私としては引用論文までチェックしていません) その他、大量の吸収源METsの評価に関して引用された文献以下の通り SEEPS2018山口論文では「寡聞にしてモデル計算以外で数百億トン単位でのNEs を可能とする説得力のある文献は見ていない。こうしたこと、それに種の多様性とのTrade-off や住民の反対を含む社会経済的要因を加味すると、ほとんどの専門家はMNEs は実現困難と考えていると思うし、こうした状況の中でこれほど多量のBECCS を前提にして目標を組むのは一種の賭けではないかと思う」としています。(SEEPS2018山口論文29ページ) SEEPS2018山口論文では根拠の論文が丁寧に紹介されており、是非多くの森林関係者が、,この論文を一読されることを期待します。 以下に目次を掲載します
kokusai2-61(MNEmirai) ■いいねボタン
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環境経済・政策学会2018年コレクション(2018/9/24) 9月8-9日標記大会が上智大学四谷キャンパスで開催されました。この大会は小サイトの立ち上げの動機に係る重要な大会でもあり出席してきました。 プログラムとすべての報告要旨がこちらのサイトからダウンロードできます。 この学会で持続可能な森林の管理というグローバルでローカルな課題がこどう取り上げられているのか、気になるところです。森林を直接テーマとしたセッションがなくて少し残念ですが、森林に関係ある報告を報告します。 ①気候変動に関する国際的なフォーラムに深く関わっている研究者などよる枠組み条約を俯瞰する報告の中での森林吸収源の取り扱い、②生物多様性評価のセッションの中での森林、③公共事業のあり方に関係するグリーンインフラ論などが、トピックスです。
報告者にはいろいろご協力をいただきました。 今後とも追加情報を掲載します gakkai<seeps2018> |
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文京区議会における木材利用・間伐材利用の議論(2018/9/23) いろんな事情で地元の文京区議会の議論をフォローしていますが、都会の議会で、森林の議論がされているのに気がつきます。 傍聴した最近の本会議質問から。2018年06月08日:平成30年6月定例議会本会議(第4日) 議事録はこちらにあります ---
「先駆的な施策の検討調査検討」がどんなものか、興味がありますね。追って報告します。 koklunai13-3i(bunmokuzai2) ■いいねボタン
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日本の家具産業の違法伐採問題への取り組み(2018/9/23)
林業経済研究所の日本の家具産業に対するクリーンウッド法を普及する委託事業に携わっています。 その中で、オーストリアと中国で行われる家具の展示会で、ブースを設置し来場者に日本のクリーンウッド法を知らせて、それに取り組む家具事業者を紹介するという仕事があります。 そこで作成した普及用のパンフレットの内容をウェブ上で紹介することとなり、日、英、中、独4カ国語のページが公開されましたので、紹介します。 こちらからどうぞ、→日本の家具産業の違法伐採問題への取り組み ドイツ語圏、中国の人に日本の違法伐採問題への取組をどのように訴求するかは、議論があるところですが、「日本がやってきたガイドラインによる合法木材の取組の到達点と、その発展方向」という筋書きであるはずだ、と思い込んで、作成に取り組みましたが、異論もあり・・・ でも、楽しい作業だったです。 boueki4-72<CWkagu>■いいねボタン
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いろんな学会とのつながりー勉強部屋ニュース229編集話(2018/9/23)
ひさしぶりで、(都内で開催されたので、ということもあり)環境経済・政策学会大会SEEPS2018に出席してみました。私自身が研究者ではないので、あまり学会とは疎遠だったのですが、このサイトを立ち上げるにあたり、知人に紹介されて、この学会に出席してみました(2000年環境経済・政策学会大会)。 「『地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える』産官学民の情報交流の広場をめざします」、という風呂敷を広げている関係で、その後、学会には森林学会とか、林業経済学会とかグランドを広げて?きましたが、環境という側面で政策ツールを議論の場所として、SEEPSのベースは頼りになります。森林に関するセッションもなく物足りないのですが、今回の山口光恒氏の報告の他に、今後、あと2本ばかり報告の紹介をする予定です。 次号以降の予告、森林環境譲与税の施策事例集、「国民と森林」への寄稿、環境経済・政策学会SEEPS2018報告紹介(続き)、、 konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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