森林の未来をつくる、消費者と連携した次世代の森林づくりの方向はー勉強部屋Zoomセミナー第6回報告(2024/3/14) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3月2日勉強部屋Zoomセミナー本年度第6回を開催しました。 ゲストは、FSCジャパン副代表/ FSCインターナショナル会員/ 速水林業代表/ 森林再生システム代表取締役 速水亨さん。 御案内のように速水さんはFSCの森林認証を日本で初めて取得され、現在のFSCジャパン推進の中心においでになる方です。 また、三重県で山林経営をされていて、幅広いネットワークを通じて様々な政策提言をされてきました。 ということで、グローバルな視点から日本の森林経営の将来を語っていただくのはこの方しかいない、ということでお呼びしました。 イベントタイトルは、「森林の未来をつくる、消費者と連携した次世代の森林づくりの方向は」 それでは、概要を説明します。 ((速水さんのレクチャー)) (報告の構成) 以下の5部構成?です イントロ:国産材利用が進むなかでの木材利用システムの課題 順番に紹介します (イントロ:国産材利用が進むなかでの木材利用システムの課題) 新築住宅着工戸数増えない(確実に減っていく)けれど、非住宅建築物、中高層建築物の木造化の推進がはかられ(左図)ーーー 製材のJAS構造材の普及やC L T (Cross Laminated Timber/直交集成板)を活用した先駆的な建築物の実証への支援等により、国産材の利用は拡大します。 右の図はノルウェーのすばらしいCLTビル。 たた、左の図にあるように、同じ材積の丸太からどの程度の製材と集成材、CLTが取れるか比較するとーーー 、製材は50%近くなんだけど、集成材は30-35%、CLTは25-28%なんで、原料丸太が同じ値段なら、製材よりCLTは倍の値段が出なけれならないし、製品が同じ値段なら丸太の値段は半額に。 そこで、右の図にあるように(以下のように)木材流通システムを消費者と一緒に改革する必要があります!!! 1. 今後非住宅を中心としてしばらくは木造あるいは木質利用は増大する。 ーーー以上イントロ終了 森林認証とは「独立した第三者機関が、森林管理を公表された基準に照らし合わせて、評価・認証していく制度を「森林認証制度」といいます。 森林管理(FM)認証(FSCの理念に沿った森林管理をしているか審査) 二つの取組から成り立っています FSCの10の原則は以下の通り(右図上) 1)法律や国際的なルールを守っていること そして、FSCは14のSDGsのゴールのうち、10に貢献しています(図右下) ーーーー FSCが選ばれる10の理由
ーーーー FSCーFM国内規格日本語参考訳(FSC日本国内森林管理規格日本語参考訳かな))という文書がネット上に掲載されています。 FSCを取ろうという人だけでなく、ローカルな森林の基準を作りたいという方、市町村の担当者などは是非よんで、いいとこどりしていただいたらと思います。 私がFSCを選んだ理由 私は1997年にISO14000シリーズを森林管理に適応させるためのISOのワークショップに日本代表で出席し(全森連から依頼され)、森林の第三者認証を世界が重視していることを理解__FSCに出会う 帰ってから林野庁長官に報告した(が、「政府間パネルなどでやっているから第三者認証制度は必要ない」と言われた。が、その後林野庁も解ってきた。) • ISOはシステム認証(森林がどんな状態になっているかでなく、管理者がどのようなシステムで良好に管理しているかどうかを基準に審査)、FSCはパフォーマンス認証(前述のような管理システムでなくその結果どんな森林になっているかを基準に審査) • 当時の日本の林業は今のより、未植栽地が少なく、持続性が確保されていて、システムの認証よりパフォーマンス認証が適当と考える • 自分の経営は理論的だし、数値の裏付けもあり、人工林の多様性管理も行われている。最初に自分が審査を受ければ、単に審査を通るだけでなく、海外だけで動いていたFSC認証を国内の林業に適応させることに努力しよう。(保護区が森林面積の3割なければダメという国際基準を1割に引き下げさせた) • 当時最も厳しいと言われていた米国SCS(Scientific Certification Systems)審査を受けることになった。( 英語での受験だったので自分一人で英文の書類を作ることにさすがに苦労した。) のだそうです―――以上 FSCの森林認証面積は伸び悩んでいるのは(行政が肩入れしている)SGECが増えているからだが、COCが伸びているのは行政の意向が反映されないからーーとか FSCの認知度???日本の認知度は中国やロシアよりひくいというデータあり。(ほんとですか?) FSCは「その厳格な基準が高く評価され、一定の消費者、環境団体、一部の政府から支持されている。また、多くの企業や小売業者もFSC認証製品を好むため、特定の地域では市場アクセスの向上につながる可能性がある。」 VS PEFCは「一部の国、特に欧州で広く受け入れられており、一部の業界関係者に好まれる可能性がある。PEFCは市場参入に有利であるが、地域や業界によって認知度が異なる場合がある。」 詳しくは、左の図をクリックしてください。 ーーー FSCの最後はFSCのChallengesです Upholding Integrity (信頼性を守る) ーーーー (森林を巡るグローバルな市場の動向ー気候変動と生物多様性へ共同した取組) 生物多様性をめぐる動向をすこし、説明。 大量絶滅時代です。近代から現代にかけて起きた野生生物の絶滅の原因は、ほぼ100%人類の行為に起因するもの。 それでCOP15で決まったことは、生物多様性の世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。 2020年を基準念に2030年までに生物多様性の損出を反転させる。 2050年の目標としている多様性の回復というのは実は「 人類の生存に必要な多様性を回復」 気候と自然は結びつき、同時に取組む必要があります。( この二つが達成可能なのは森林だけなんです!! ーーーー (補助金の生み出した課題ー林業のコスト問題・低価格問題のリアル) 補助金について一言いいます。 といって、左の図を説明されました。 ーーー • 特に民主党政権時代に始まった「直接補助」という作業する林業事業体に上限はあるとしても、間伐にかかった経費を100%補助する制度は、市場に低質材を供給し、作業のコストダウンのインセンティブを失わしてしまった。 • 様々な視点でコスト問題を見て見ましょう 次の図(左)は、人工林を植栽してから30年間にどれだ人手をかけているかという表です。速水林業は効率化を図ってきました。 1980年代は400人以上かけていた(下刈り9回など)が、コストカットを探求し、現在100人以下、40人程度。一番右は短伐期(20年)1万本植というもやっています。国際的には100人以下というのが当然です。 なお三重県の造林事業の標準単価は結構いいので、これ以上コストカットをしようとはだれも思わなくなってます。 次に伐採コストです。主伐と間伐のコストを、昔と今で比較したのが右の図です。 労働生産性(一人当た何立方の木材を生産するか)は、主伐も間伐も上がっています(機械化がされたなど)。 ただし、すべてのコスト(機械のランニングコスト償却費・・・・)を含めて計算したがTFPですが、昔と今を比べてみると、主伐は少し効率があがっている(+)けど、間伐は経費かかかって、年平均マイナスになっています。 機械化のミスといえます。これも、補助金の悪いところですね。 ーーーー 左の図の左側。速水林業が手塩にかけて、つくってきた、年輪幅がそろった丸太!! 日本一の高品質材だが、これは今全く、売れなません。 それではどうするか?というのが図の右で、図の右の左は①「並材生産」(高品質でないたくさん出まわっている普通の材)ですが、徹底的なコストカットが必要です。 一番右は、②ニッチな市場を探し出して売り込む。この典型事例は全国のカキいかだに出荷している12メートル丸太。 三重県から始まりましたが、九州からも取りに来ています。 FSC材として出荷事例 2016年に開催されたG7伊勢志摩サミット! G7サミットのメインテーブルは、速水林業の木(左の上)、そのほかFSCの速水林業の木が色々つかわれました(左の下)!! そろそろまとめです 速水林業の山づくりの考え方はーーー 地域住民に理解してもらえる経営 環境的に豊かで美しい森林 そして、 二つの共生、二つの持続性ーー自然との共生・地域との共生/ 環境の持続性・事業の持続性です ーーー以上で第1部速水さんのプレゼン終了 第2部トークセッションで私から2つの質問をしました
以上トークセッションでした ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 全部は答えられなかったのですが参加者から質問をいただきました。(回答を速水さんと相談して作成しています、少しお待ちください)
以上です。 ・・・・ (森未来と連携) 昨年から素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としました。 zoomの設定とか、皆さんへの案内、アンケートの回収など、大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いします また、近くの山の木の環境パフォーマンス見える化に取組んでいる一般社団法人ウッドマイルズフォーラムさんと連携して開催しました。 国産材の時代を迎えた関係者の方々にWMFの蓄積を紹介する場ともしてまいります。 konosaito3-29<zoommt23-5threpo> |
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