「森と建築をいっしょに考える」とどんな世の中になるかな?ー建築関係者といっしょに考えるー勉強部屋Zoomセミナー第4回報告(2023/12/14) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
12月2日勉強部屋Zoomセミナー本年度第4回を開催しました。 ゲストは、「森と建築を一緒に考える」というタイトルで建築関係者向けに丁寧な情報発信をされている、アトリエフルカワ一級建築士事務所代表古川泰司さん。 私も森未来(eTREE)でやっていたセミナーに参加し、勉強部屋のセミナーにもおいでいただけませんか?と願いをして、この日の企画になりました。 講演のタイトルは「『森と建築を一緒に考える』とどんな世の中になるのかな?」 建築関係者がいつもよりたくさん参加していただきました。建築関係者向けのメッセージが主体でしたが、森林のガバナンスに関しても建築関係者と山側の関係者の連携が必要だし、ダイアログセッションでも議論を深め、勉強になりました。概要紹介します。 ((古川さんのレクチャー)) 第一部古川さんのレクチャー、内容をピックアップしてご紹介します。(藤原の責任で)(いただいた資料はこちらにおいておきます) (レクチャーの構成) 1)イントロ (木造建築ブームと日本の森林資源ーイントロ背景説明) (建築と山が離れた事情とヒント) 建築関係者に「あなたの設計した建物に使われていた木材がどこからきたかわかりますか?」ときくと、みんな「わからない」というのが普通です。 建築現場が急に変わっています。図にあるように、プレカットがふえて(左)、大工さんがへっている(右)。 昔は大工さんが、街の材木屋さんから木を買ってきて建てる。材木屋さんは産地とサプラチェーンがつながっていました。それが急速に変わって、しっかりしたチャンネルがうまくできていません。(現状の課題です) 筑波大学で学び、現場を勉強して・・・二人船頭方式というのに気が付きました。 山から建築まで、サプライチェーンは長くて別々に考えるとコストもかかるしよくわかりません。ただ、特定の山の人と話をしていると、その人が製材所をやっていたりワンストップで川上川中のことが解ってきます。 このひととなら一緒にできるな!となってくる。 川下と川中が結びつくと、様々なアイディアがでてきて、川上に要求、川中と川上が結びつくと、しっかりとしたチャンネルができる。二人船頭方式(これが解決のヒント) (木造住宅が注目されるようになった、三つのポイント) ポイントA 戦後の拡大造林と蓄積 左の上の図は、横軸が森林樹齢、縦軸が面積。伐期の人工林は多いのでたくさんつかわなければ・・・ でも、20年後に使えるようになってくる森林はあるの? 左の図の下は丸太の価格が下がる一方。 森林の再生はできるのかな? 右の図、山林関係の人にいつも聞くこと。あといくら高く買えば、再造林費がでますか?そうね1万円かな?と皆が言います(右上) 施主に人に、「丸太を1万円高く買うと、30坪の木造住宅供給コストが、50万円。50万円高くなるけれど、それでよいですか?」ときくと。「子どもの時代の森林がよくなるなら、50万円は安い。」と皆言います。 この50万円をストックするシステム構築が必要(今後の課題) ポイントB:持続可能な建築へ脱炭素 左の図に2枚。 住宅一棟当たりの炭素固定量は、木造住宅は、鉄筋コンクリート、鉄骨プレハブの4倍近く(左上) 左下は、建築材料を作るときの製造時二酸化炭素排出量 そして、木造建築や鉄筋コンクリート建築などで、右は其々の材料をどれだけ使うので、排出量がどれが一番少ないの? ゼロカーボン社会をめざす現在の時流の中で、木造建築物のゼロカーボン貢献を解りやすく示す、グラフです。 (左の二枚の図の原本は、ウッドマイルズフォーラムですよー) ポイントC 木造建築の3つの誤解ー(火災に弱い、地震に弱い、長持ちしない)が解けた 右の図上は、火災の加熱時間に応じた、部材の強度低下の流れ。鉄やアルミに対して木材は火災が起こっても長い時間強度が劣化しない。 右の図下は熱伝導率 隣の部屋が火事になったら直ぐ、熱くなるかならないいか?木材は断熱性能が高いです 以上防火性能 次に、耐震性能 左は、建築材料面積当たりの強度。比強度 スギヒノキは地震に強い 次に長持ち腐朽対応 高温多湿のな日本、腐朽対策が重要な日本で、世界で一番古い木造建築物があるのは?(右の図) 左の図のように、部分的に普及した部材を新たな部材で修復する、木造建築のアイディアの積重ねがあります。 (一緒に考えて作った建築事例ー木の保育園) 熊谷市の木造保育園「わらしべの里共同保育所」 私(藤原)も3年ほど前、木の建築賞でこの保育園に行ってきました。 木の表しにした床や、壁に、こどもがころがって、楽しんでいる(左下の図)ところをみて、素晴らしいと思いました それはそれとして、木を表しにし、このような保育園を普通の木でつくるプロセス これが、プレゼンのまとめでした 右上のような木造建築の構造。 こに地域(熊谷市)を流れる荒川上流の秩父地域のJAS製材工場K社と連携。 基本的な枠組みを12尺で構成。横の梁材は4m丸太から製造される木材で対応。柱は、3m どのくらいの強度が必要な製材が要求されるのかな?ということで、構造設計者が情報を整理すると? 左の図は、木材の強度の要件で、上の部分(赤い部分)はE90以上(横にして真ん中を押したときに変形をはかる曲げ強度ーヤング係数が大きい強い)、だけど、下の部分(青い部分)はすこし弱いE70以上。 「修正案」と書いてあるけど、最初の設計では全部がE90以上というものでした。 それで、秩父のK製材所と協議をしてみると・・・「現在取り扱っている秩父材では、すべてE90で提供することはできなません。半分ぐらいなら提供できるけど。」 そんな山側の状況を聞いて、設計変更をして、修正案を作ったんだそうです。 「森と建築を一緒に考える」姿ですね。 以上が古川さんのプレゼンテーションの概要です ((トークセッション)) 第2部トークセッションで三つの質問をしました
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 全部は答えられなかったのですが参加者から質問をいただきました。
以上です。 アーカイブ動画は、管理の都合があり、完全なオープンでなく、参加者の中の希望者とか、持続可能な森林フォーラムの会員など、特定の方がみられるようにしています。 入会案内:こちらからご検討ください ・・・・ (森未来と連携) 昨年から素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としました。 zoomの設定とか、皆さんへの案内、アンケートの回収など、大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いします また、近くの山の木の環境パフォーマンス見える化に取組んでいる一般社団法人ウッドマイルズフォーラムさんと連携して開催しました。 国産材の時代を迎えた関係者の方々にWMFの蓄積を紹介する場ともしてまいります。 konosaito3-26<zoommt23-4threpo> |
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