建築家の住まい・まちづくり体験と森林への想いー第2回勉強部屋Zoomセミナー(2021/11/7)

11月6日第2回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナーを日本建築士連合会名誉会長、ウッドマイルズフォーラム会長藤本昌也さんをゲストに迎えて、開催しました。

演題は、「建築家の住まい・まちづくり体験と森林への想い」

開かれたローカリズム。住まい・まちづくりにたずさわってこらられて、どんなコンセプトで次の社会のまちをつくっていくのか?考え抜いてこられた藤本さんから森への問題提起。

藤本さんの、スライドを見ながら、ご紹介します。

よかったら、是非、プレゼン資料のフルデータ参考資料の雑誌記事「ー序ー民家型工法の家づくりに向けての戦術と成果」おいておきますので、ご覧くださいね。

((藤本さんの記念講演))

藤原の責任でつまみ食いしています。

イントロ
 80年代に「森林フォーラムの実行委員会」に入り、リーダーの内山節さんの影響で、森への思いができた。
大学を卒業して最初にはいった建築設計事務所で、「住まい・まちづくりは人間を幸せするためにある、まちの中に住まいがあるのを忘れないように」。それで左の図の右側にあるように、住まい・まちづくりは生活空間を作り出す作業だが、「もの」「まち」「くらし」の三つの視点から住まい・まちづくりの課題を探り、それらを総合的、空間的に解決することが大切だと知った
 72年に自立して「現代計画研究所」設立
そうしたら、オイルショックなどでビジネスがみえない
何か今までと別のことをしなければ、と考えているところに、建設省の若手の技官などといっしょになって、「日本土人会」を立ち上げた。
(西欧近代主義を問い直し、日本独自の思想を再構築する)
丁度その時、国土庁が近畿圏の歴史的環境の基礎調査をすることになった
 奈良県稗田村、中世の環濠集落で変化にとんだ路地空間が魅力

それと対比して戦後にできた、「味もそっけもない」新興住宅街。(左の図の上に見える)
 前述 稗田村の雰囲気
70年代の時代の雰囲気は、「戦後は終わった」
住宅白書(1973年)ができて、「”量”から”質”」の時代になった、チャンス

その時代の流れをうけて、茨城県で新しい公共住宅団地開発プロジェクトが始まった。
全く新しい低層集合住宅団地デザインを提案、実現する。

日本建築学会賞受賞
 茨城県では70年代以降、このデザイン手法による団地開発を継続することになる。

いろいろやったが

80年代には、この手法を戸建て住宅にも適用させようと考えた。
 たまたま、81年徳島県から戸建て住宅地における"まちなみづくり"のコーディネータ役を頼まれた。
できあがって、木材供給元の、木頭スギ林業家から、まちびらきのイベントで、コメントあり
木材を供給したが、「自分たちの供給した80年かかって育林した木が見えない住宅ばかりだった。残念」
この林業家の思いを解決すべく木組みの家を検討したいと考え茨城県の課長に相談すると、大工田中文男さんを紹介される。
「建築家は森や木のことを勉強しろ」と説教される。
 田中さんの指導を受けながらやった初めての仕事が「石神井の家」
「つまようじ」のような細い柱でなく、骨太な4寸、4.5寸角の柱
木の顔が見える、真壁づくり
民家型構法というコンセプトが固まってきた
 同上
 前の家をこわしたら
やせ細った柱、腐食した土台
大壁の中で腐っている
金物も傷んでいる
 ということで、今回の経験、田中さんの話などをまとめたメモ
右側
川上の問題点、上述の通り
そして、田中さんは「建築者は森林を見ろ」
だけど、川上の問題点も意識し始めた
左側
葉枯らし材ない
量と価格の不安定
たくさん発注すると高くなる?これなに?
 そこで、民家型構法の考えがまとまってきた
 丁度そのころ、タイミングよく
林野庁から「国産材ハウス」のモデル設計と建設の依頼を私と田中さんが受けることになる。
グッドリビングショウのコンペで大賞
晴海の家、民家型構法の提案
コンクールで
林野庁潮見旧貯木場でモデルハウス展示
  民家型構法の工夫1
 
継ぎ手を整理し
工場でパネル化して現場に持ち込むなど合理化の工夫も
   民家型構法の工夫2
土台材を基礎から15mm浮かせ、腐食を防ぐ。
 
   民家型構法の工夫3
持送り梁を採用、梁のスパンを短くする。
   民家型構法
丁度アトピーだとか、シックハウスだとか話題になり
自然素材(しっくい、木材、和紙etc)を主体とする民家型構法がインパクト
 建設省の方でも工務店の近代化にむけたプロポーザル(家づくり85)
ベスト5に選ばれた
確信をもってきたところで、公団から紹介された足助町にから、モデル団地の設計依頼を受け
まちなみ住宅生産供給をシステム化を検討・提案
 向3軒両隣
愛知県の林務部の方が町に出向されて、一本の木からどれだけ製材品がとれるか(製材率向上)など森と建築づくりをつなぐ様々な工夫をされた。

木材組合が間に入り、第三セクター”ほるくす”が設立され、新しい木造住宅供給体制ができた。
実証実験的成果が得られた。
 兵庫県梶原知事が田園都市構想
住宅金融公庫が認定した高規格住宅への利子補給をする制度によって県住宅供給公社が10棟のモデル分譲住宅を建設・販売した。
 間取りもいろんなバラエティーが選択可能
大阪営林局山崎営林署も入って、産直型の木材供給体制が実現した。
 
 地方自治体諫早市がはいって、丸太を購入
 同上
 岩手県遠野市が国交省のHOPE計画を立案し、その一環として木工団地を、林野庁の8割補助制度を最大限に活用して整備した。
 木工団地は製材・乾燥・プレカット等のたくさんの組合の連携によって成立・運営されている。
市営の低層集合住宅(平屋、2階建て)によって囲まれた人々の触れ合う絆の中庭づくり
 石原都知事がテレビ番組で「ハウスメーカーが建てる東京の家は高すぎる」

「地域の木材で地域の工務店で建設・販売すればもっと安く供給できるはずだ」と発言
 東京都による100戸の実証実験的家づくりのコンペに、地域工務店と遠野のグループと連携供給体制で参加、トップ当選

100戸の住宅は、一般の販売住宅よりお客がついた。競争率3倍
 大きな建築物への取組み
学校建築
 林野庁の木材を公団が随契することになっていたが、公団が不祥事で、買えなくなったので
有利随契で、6千本の丸太を、田中文男さんと藤本さんが銀行融資を受けて調達した。
 左の大きな梁は、外材の集成材を導入
地域材とのハイブリッド
 2階の床はRCで安心と安全のハイブリッド
広島市内の建築家の若手が地域材を活かした家づくりを実現すべくグループを結成、市民へのセミナーを実施し、共感した市民の方々の家づくりに取り組んでいる。
(広島市生協やJAがセミナーの後援を引き受けている)
 業界と一緒になって、消費者と木の勉強
家づくりのサプライチェーンの現状を見てみると

製材などの川中は大きくなって近代化してきた部分があるが、
川下の建築関係者(設計事務所、工務店)の連携、システムができていない
川上も成長産業だというが、育林に80年かかる業務を簡単に成長産業といえるのか?公益団体的道を歩むんのでは?

ポストコロナの新しい社会をどう作るか、川下の建築関係者もがばんっているので、川上側も頑張ってください

以上、「住まい」という私有財産だけど、一度できると、地域に根ざしてどこにもいかない「まち」という社会資本の一部になる建築の仕事を未来に向けて考えづくけてこられた藤本さんの50年間の足跡。そして、地域に根差した自然資本を提供する森林への思い。

一時間の記念講演を、1時間の藤原の責任で振り返りました。

((質疑のなかから))

プレゼン終了後30分ばかり質疑の時間んがありました。その時のやり取りを紹介します

(木の見える民家型が見通しは)

(ローカルな木の見える民家型住宅のすばらしさについて、木の家も実際に行政やマーケットは集成材、CLTなど別の方向に向かっているんではんでないでしょうか?という質問が複数ありました。)

特に大規模建築物では、部材の構造の安定性でCLTの普及が推進されています。木の新しい製品の可能性を求めてチャレンジしている方もいますが、補助金がおわったらどうなのか?とネガティブに考えている人もいます。

集成材は上記の学校づくりのなかで取り組んできましたが、どちらか一方だけというのでなく、ハイブリッドで取り組む必要があるのではないでしょうか?

(都市の再開発など)

人口減少で、家が建たなくなってくるのは間違えないでしょう。まちが、シャッター通りになったり、建築過剰、もうマンションはいらないとなっていますね。

そこで、古いマンションは建て替えて、といった方向に国交省もなっています。けれど、壊して建て替えるのか、リフォームするのかという重要なSDGs的論点があります。

マーケットの側では「建て替えて仕事を」となりますが、先と同様、大切な資源をどう使うSGDsといった観点では、経済成長より省資源という大切な観点がより必要ですね。

省エネより省資源!リフォームをどうしていくのか、という議論が大切です。

(郊外の人がいなくなってどうなるー参加型のまちづくり)

また、関連して郊外の家並みが人が少なくなってどうしよう、という議論があります。すくなくなって水道も維持できない?欧州ではこうなったら水道もストップして移住の強制もあり、そういう中で、持続可能な郊外のコミュニティ再生に取り組んでいこうという人たちがいます。

空き地を再編成して、5−6件のユニットを創って子供たちの遊べる空き地もつくって、向こう3軒両隣。参加型の家づくりに若い人が取り組んでいる事例もでてきています

戦後国が立ち上げた、公社・公団という公共的な供給する機関がまだ残っています。これからの時代にふさわしい、新しい公共としてのまちづくり機関づくりの可能性もありますね。

新しい公共としての森づくりも議論してくださいね。

(ひらかれた地域主義でいろいろ考えてみると)

右の図は、このイベント準備過程で藤原が作成した一枚の図面です。

時間がなくて、ご紹介することできませんでしたが、藤本さんの問題提起をうけて、頑張りましょうという、一枚です。

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