準備会長挨拶
規約案
準備委員会経過報告
関連資料目次
緑の消費パワーが、森の列島を再びみずみずしく蘇らせます
ご あ い さ つ
日本の杉・桧を守る会
設立準備委員会
会長 武 内 達 男
本日、私達はこの地より、すべての林業・木材産業に携わる人々と共に、国産材の復権を目指し、全国に広げ、行動する「日本の杉・桧を守る会」を設立する運びとなりました。
今日、日本の森林・木材産業は過去に例を見ない危機に貧し、私達個々の自助努力だけでは解決の糸口さえ見い出せない状況です。「長期に亘たる木材価格の低迷」「無制限な外材輸入」「現況に追いつかない政策・法律」等、山積する問題を解決・突破していかなければ、営々と築いてきた森林を次世代へ伝える事なく崩壊させてしまいます。
今こそ、再生可能な資源である私達の人工林を、地球環境浄化に寄与させ、地域産業の要として存続させていく為に、私達は、英知と情熱を結集し努力しなければならないと痛感しています。
当会は民間の団体であり、一人ひとりの参加を基本としており、本日ご参集の皆様のご理解ご賛同を切にお願い申し上げます。
また、この度の設立に際しましては、各業界団体の多大な、ご支援ご協力を賜り誠に感謝の念に耐えません。
今後とも、当会へのご指導ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。
平成12年9月30日
「日本の杉桧を守る会」規約(案)
(名称)
第1条 当会は「日本の杉桧を守る会」という
(事務所)
第2条 当会は事務所を日田市におく
(目的)
第3条 当会は森林木材産業の復活と、国産材で作る家のすばらしさを全国に広めることを目的とする。
(事業)
第4条 当会は目的を達成するために次の事業を行う
1.総会の開催
2.目的達成のための各種事業
3.啓蒙普及
4.その他必要な事業
(会員)
第5条 当会の会員及び賛助会員は当会の目的に賛同するものとする
(役員)
第6条 当会には次の役員をおく
1.会長 1名
2.副会長 5名以内
3.理事及びその他の役員 30名以内
4.監事 2名
(顧問)
第7条 当会は顧問をおくことができる
(理事、監事の選任)
第8条 理事、監事は総会で選任する
(役員の職務)
第9条 会長は当会を代表し業務を総理する
1.副会長は会長を補佐する
2.監事は当会の財務及び業務の状況を監査する
3.顧問は当会の運営について会長の諮問に応じて意見を述べる
(任期)
第10条 役員の任期は2年として再選は妨げない
(事務局及び会計)
第11条 当会の事務を処理するため事務局及び会計をおく
2.事務局員及び会計は会長が指名する
(会の召集)
第12条 当会は毎年1回定期総会の他、必要なときに会長が召集する
(議決事項)
第13条 この規約に定めるものの他、次の事項は総会の議決又は承認を受けなければならない
1.事業計画及び収支予算
2.事業報告及び収支決算
3.規約の変更
4.当会の解散
5.その他会長が必要と認めた事業
(会費)
第14条 当会の会費は次のとおりにする
1.会費 正会員 年額 5,000円
2.その他
(事業年度)
第15条 当会の事業年度は1年とし、毎年1月1日に始まり、12月31日に終了するものとする
付 則 この規約は平成12年9月30日より施行する
準備委員会経過報告
7月 5日 筑後川流域木材市場連絡協議会に於いて、外材輸入規制、
杉桧の住宅PRをする団体の組織化を提案、承認された。
7月13日 第1回 発起人会
発起人8名で、目的、輸入税制、杉桧の住宅PR団体の設立に向けての発起人全を催した。
7月16日 第2回 発起人会
9月末日を目指して会の発足を決定した。
7月22日 第3回 発起人会
名称「日本の杉桧を守る会」に決定した。
7月31日 第4回 発起人会
8月30日設立準備委員会発足に向けての打合せをした。
8月 3日 設立準備委員会
設立準備委員会発足
日田木材協同組合2階に於いて、委員60名、顧閏4名、報道陣多数にて、設立準備委員会設立の承認を得、役員も承認された。
8月 7日 第1回 役員会
総会・決起大全日程を検討した。
8月 9日 第2回 役員会
活動方針、会員拡大、大会動員について検討した。
8月22日 第3回 役員会
大会内容を検討した。
8月31日 第4回 役員会
大全内容を検討した。
9月11日 第5回 役員会
会員の加入、動員活動状況について
役員・顧問 合同会議
森林・木材産業関連資料
目 次
1.森林木材産業の現状…………………………………………………… 7
(1)日本の外材輸入は他国と比べて圧倒的に首位である!
(2)木材自給率は木材輸入との対比において全く反比例!
(3)伐期はピークを超えている!
(4)木材自給率の低下が林業就業者数を激減させた!
(5)着工数の変化に拘らず木造率は激減している!
(6)まさにシックハウスの実態である!
(7)あまりにも安すぎる原木価格!
(8)森林木材雇業は呼吸困難!
(9)若者のDNAに木の文化を!
2.地球温暖化と国産材住宅………………………………………………12
(1)せめて自分達の住む家は「都市の森林」となる家づくりを!
(2)循環資源の森林と住まいとの関わり
3.健康で長生きできる木の環境…………‥…‥15
(1)マウスを使った実験結果
(2)床材質の行動への影響
4.杉桧の家は素晴らしい…………………………………………………17
(1)在来工法は決して高くない!
(2)スギヒノキは軽くて丈夫です
(3)スギは衝撃を緩和する名人
(4)木材は優れた断熱材
(5)スギは調湿性能を持ったすぐれもの
(6)スギ、ヒノキの香りは病を治す
(7)騒音をまろやかにする木
(8)目にやさしい杉桧
(9)木は鉄よりも火に強い
5.消費革命の終絵 21世紀は緑の消費者……………………………21
(1)消費革命
(2)放置されることによる深刻な危機
(3)木の家の住み心地がいいのは!
(4)山持ちと称えられたけれど、今では山が重荷になった
櫛の歯が欠けるように、山からまた人が出て行った
(5)緑の消費パワーが、森の列島を再びみずみずしく蘇らせます
6.国会へ行こう!…………………………………………………………27
(5)緑の消費パワーが、森の列島を再びみずみずしく蘇らせます。
住宅展示場に陳列された住宅をみると、今、これが一番新しい住宅だということを競い合っています。市場メカニズムは「今これが売れている」ということで形成されますので、この競い合いは絶えざる陳腐を伴わざるを得ません。そして、流行に左右され、造っては壊すスクラップ・アンド・ピルドはもう限界に来ているのに、一向に改められません。そうして住宅産業界は、すぐにか、あるいはやがて陳腐化される住宅を誇示し合っているのです。
町の工務店は、この住宅陳腐化の流れの中で、「今これが売れている」といわれると浮き足立ち、焦り、それを模倣したデザインを後追いしてきました。それによって町の工務店は「らしさ」を削がれ、その存在価値すら疑われているのに、安易に目先の「流行」に囚われ続けました。
最近の「流行」は自然素材・健康素材です。流行をハウ・ツーするハウス雑誌が書店を賑わし、住宅展示場をのぞくと自然素材・健康素材のオン・パレードです。昨日まで幅を利かせていた材料は一体どこに消えたのでしょうか。何故使っていたのか理由も、消えた理由も語られることなく忽然と消えて、自然素材・健康素材をして、これが「今の流行」だといわれても、俄かに信じ難いのが普通です。
業界を支配する、このような有り様に辟易とし、不信を覚え、自分にとって何が大切なのかという、「自分価値」を見極めようとする人が増えています。環境を考え、透明でシンプルな暮らしを求める緑の消費者の台頭であり、業界に対する消費者の「反乱」です。
本来住まいは、長い必要と、長い好みと、長い寿命に応え、建てられた土地に馴染み、その土地土地の、地域景観を形づくるものであるべきです。緑の消費者が立ち戻るべきところは、この住宅の本質的価値にあるのであり、何故、日本の山の木で家をつくるのかの意味と価値もまたここにあります。町の工務店は、消費者が「これを使って」というのに対し、「請負業」という性格からでしょうか、案外素直です。
今回の取り組みを根底で支えるのは、「自覚した消費者」です。森の列島を、再びみずみずしく蘇らせるのは、何といっても、この緑の消費者のパワーが決め手です。