2001年6月19日(火) 11時25分

中国政府から正式な通知はまだない=セーフガード報復措置で経済産業相(ロイター)



 [東京 19日 ロイター] 平沼経済産業相は、中国の農産物3品目にセーフガードを発動したことに対し、中国が、日本製の自動車などに特別関税を課す報復措置を決めたとする新華社通信の報道について、中国政府から正式な通知を受けておらず、外交ルートを通じ確認中である、と述べた。
 閣議後の会見で述べたもの。
 報復措置が事実の場合の政府の対応について、平沼経済産業相は、「中国が正式に措置をとることがあれば、各省庁と連絡し、対応を協議しなければならない。中国は、いろいろな分野で密接な連携がある隣国で、しっかり話し合いをしながら、事実なら、問題解決に向け、両国で協力していかなければならない」と述べた。
 報じられる、日本製の自動車、携帯電話、空調機の輸入に対する報復措置については、3品とも対中国輸出の絶対量は大きくないことをあげ、「中国は、かって韓国に対して巨額の報復措置を講じた。中国も、日本との関係を大切に思って、ある意味の意志表示を行ったのではないかと、政治家として思う。(3品は)壊滅的なアイテムではない。両国関係を、中国側も大切に思ってくれているとの感想を持つ」と述べた。
 通商政策のスタンスについては、「自由貿易態勢を基本に置くことは大切だ」としながらも、農産品の暫定セーフガード発動はWTOのルールに則ったものとし、「粛々とやることに問題はない。一方で、自由貿易の観点から、話し合いの道を探ることも重要だ」と述べた。
ネギ、シイタケ、畳表の農産品に対する暫定的セーフガードの本発動については、「本発動は考えていない。(農産3品については、暫定的に)200日間の関税割り当てを行っているが、まだ日数はある。(本発動)するとか、しないとかの段階ではない」と述べ、今後も話し合いを継続していくと述べた。