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違法伐採を取り締まるのは<当事国の問題>と言って放置してよいのだろうか?

  <5月26日 日本国内の、森林NGO中心で行われた、Workshopからのメッセージ>

 

今こそ、木材の最大輸入国である日本は、<政府と業界と消費者>が、

      協力し合い、役割分担をして、我々の排出する炭酸ガスをも吸収する、

              途上国・移行国の森林資源の持続・修復に立ち上がろう!

 

    日本政府、および、G8メンバー国政府に対して求めること。

違法伐採対策がG8サミットで求められている事に鑑み、先進国が共同して、途上国・移行国に当たれば、内政の壁を、越えられるのではと考える。

通関書類を厳しく審査すること。違法伐採でない事の証明を既存の枠組みで強化する。当事国からの輸出通関時に、丸太伐採許可証の、添付と照合を求めること。   製材・合板の場合も、製材工場あるいは合板工場から、グリーン調達証書を添付させること。日本での輸入通関時に、輸出通関時の一式書類を添付させ、照合チェックを厳しくすること。(伐採地、伐採者、伐採日、伐採許可、樹種など)

   近視眼的ではあるが、「通関書類偽造防止技術」の支援も検討方。

既存の枠組みが、汚職などにより腐敗している事実に鑑み、新しく<違法伐採トラッキング・システム>を当事国に導入するよう呼びかけ、最初の限られた範囲でのモデルケースについては、導入に伴なう財政的支援を行う。

   現在考えられるシステムは、SGS社で実績のある、バーコードを丸太につける方法がある。 製材所・合板工場が介在する場合は若干面倒になる。

違法伐採解決の根本には、「地域住民に森林所有権を与え、自ら持続的森林経営を自覚させる事・アグロフォーレストの導入など地域自立型の生業を支援すること。道路建設などのインフラ開発には慎重であること」と世銀のレポートにある。政府は当事国の持続的森林経営のための「Capacity Building」に財政支援など実効ある施策を推進すべきである。特に土地所有制度につき地域住民や先住民族の権利を尊重する制度にすべき。

  

違法伐採抑制を長期的に持続させるには、ODAの改革をすべき。

   今、インフラ投資から貧困救済融資にと言う流れはあるが、絶対額は依然小さい。しかも低いとは言え利子付き融資である。無利子かグラントを増やすべき。貧困救済は主に農山村に向けられるが、森林資源保護のためには、先住民や地域住民の土地に対する権利を確立し、個人・家族ベースでの将来利益の確保が図れるようにした上で、植林を進めると共に、<アグロフォーレスト>の概念を導入して、短期的収入と長期的収入を確保せしめること。

債務帳消しと自然保護区の拡大をスワップすると言う方法を提案する先進国がある。単純な保護区の拡大は、地域住民の生業を奪うなどの問題があるなら、森林保護の枠組み・構造改革とのスワップを日本政府も検討したらどうか。

 

    業界に対して求めたいこと

   グリーン調達が、義務ではなく今や企業倫理として、追求して行かないと、消費者も株主も、やがてその企業を見捨ててしまう時代が到来した。

業界または企業が<違法伐採材>の購入をしない事を宣言し、自主的・自発的に取引き相手の伐採業者や輸出業者に対し、上記の<違法伐採ではない事>を証明する書類の提出を求める事、また、第3者機関にモニタリング調査依頼などを通じてこれを確保する事。

   (我々NGOは一方で、違法伐採でない木材の購入をするよう、消費者の啓蒙を行う)

当事国の、違法伐採抑制活動や、持続可能森林認証活動に、積極的に参画し、財政的支援も行う事。(これが輸入国での)当該企業のイメージ向上と販売促進に繋がる。

 

     地方自治体などに求めたいこと

かって熱帯林・型枠・不使用キャンペーンがある程度成功したように、地方自治体の調達における、影響力を活用したい。

インドネシアとロシアからの木材の半分は違法伐採によるものなので、<違法伐採でない証明>を出来ない当該国の木材は調達しないとの声明を出す事。

政府調達における「グリーン調達法」の成立に鑑み、間伐材(国産材)の活用を念頭において、違法伐採(輸入)木材の不使用を推進すること。

 

     消費者(消費者団体)に求めたいこと

大量消費の現代生活において、木材・紙の購入と消費が環境負荷・森林破壊をもたらしていると言う認識を持って欲しい。日本は木材・紙の原料の80%を海外に仰ぎ、途上国からの木材とパルプは大半が違法伐採であることの認識を持って欲しい。

家を建てたり・購入する際、そこに使う木材はどんな樹種でどこの国から調達しているかを確認すべきである。紙の場合も再生紙利用とは言い条、上質の紙ほど多くのバージンパルプを使っている。パルプやチップはどこの国から来るのか、自然林(違法伐採が多い)からか、植林木からのパルプか販売店に聞いて欲しい。このことがハウスメーカや製紙会社の環境重視に繋がって行く筈だ。

消費者団体は、食料問題の延長線上で林産物についても消費者啓発に取組んで欲しい。

 

    NGOsが政府・業界との協調を図りながら、進めたい今後の活動

違法伐採は<海の彼方の事>と言う日本の業界・消費者の認識を変えて行きたい。

木材製品の「樹種」と「生産国」に関心を持たせる運動を、グリーン購入法の実施に合わせて推進したい。農・水産物で産出国の表示が一般的になって来たように、行く行くは、木材製品に、樹種と生産国をラベル表示するように持って行きたい。

   FSCの普及とタイアップして「エコラベル」を普及させたい。

先ずは年内目標で、木材輸入業者・国内流通業者・住宅建築業者・製紙業者、地方自治体・通販業者・消費者団体などを集めて違法伐採の現実を認識してもらうセミナーを開きたい。

グリーン購入法に絡めた、違法伐採木材不買運動を、グリーンコンシューマー・ネットワークなどと連携した、消費者啓発運動を行う。オルタトレード、カタログハウスなど。

今回参加のNGOsはそれぞれ当事国のNGOsとのネットワークを持っている。このネ

   ットを通して途上国・移行国において;

@    地域住民の森林所有・管理などの権利獲得への支援。Agro-Forestryへの誘導

A    希少樹種の伐採・流通調査。 インドネシアのラミン/ロシアのベニマツ・タモ

B    <衛生伐採>と言われるものの定量的調査と、当局への対策要求(ロシア)

C    個別・違法伐採ケースへの対応。NGOや若者パトロール(ロシア)への支援

 

    メディアへのお願い

日本は世界の環境保護関係者から、<森林破壊者>と言うレッテルを貼られつつある。日本が世界の輸出林産物の1/3を輸入しているからである。食料品はその姿をあまり変えないで消費者の手元に届く故に、環境負荷の大きい商品は、メディアの報道に取り上げ易い故に、近年敬遠されつつあるが、木材は多くの業者を経由して原形を留めなくなる故に、生産国とか材質に、最終消費者が無関心になってしまった。自分の新居に使われる木材の大部分がロシアでの違法伐採の木材であると誰も証明できないために、マスコミが取り上げにくいテーマなのかも知れない。

日本の木材輸入は世界の森林を破壊しているだけでなく、日本の林業を経営難に陥れ、日本の森林、特に人工林の保全に支障を来たし、日本の森林劣化をも引起こしている。

森林の持つ炭酸ガス吸収能力が地球温暖化対策の中心になりました。森林資源問題はいまやグローバルな問題です。メディアはもっと、世界と日本の森林資源の減少・劣化についての報道を増やすべきです。違法伐採は極東ロシアと東南アジアでの政府の腐敗と絡んだ大きな問題です。上記NGO・2項のセミナーにメディアの参加を切に望みたい。

 

更に詳細についての問い合わせ先:

   国際環境NGO・地球の友ジャパン  Tel03-3951-1081 mail; okazaki@foejapan.org

   ウータン・森と生活を考える会  Tel ; 0722-52-0505 mail; fwpc3808@mb.infoweb.ne.jp

   JATAN・熱帯林行動ネットワーク   Tel: 03-5367-2865  mail; kohama@jca.apc.org

   AM-NetAPEC Monitor NGO Network  Tel ;06-4800-0888 mail; toyo@jca.apc.org