持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)の結果概要(森林関係)
平成14年9月10日
林 野 庁
8月26日(月)から9月4日(水)までの間、南アフリカ共和国のヨハネスブルグにおいて、「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」(公式サイト英文、外務省サイト日本語)が開催され、我が国からは、小泉総理、川口外務大臣、大木環境大臣が出席した。(農林水産省からの出席者は、遠藤副大臣、大森技術総括審議官、西藤総合食料局長、西郷環境対策室長ほか)
今回の会議では、持続可能な開発の実現に向けた各国首脳の決意を示す「政治宣言(英文PDFファイル、和文骨子環境省サイト暫定版)」、1992年の「地球サミット」で採択された「アジェンダ21」の実施を促進するための取組を掲げた「実施計画(英文PDFファイル)」が採択されるとともに、関係国、国際機関、NGO等が自主的に行う取組を多数提案したほか、各国政府、国際機関、NGO等の主催によるセミナー等「サイドイベント」が多数開催されたところ、森林関係についての概要は次のとおり。
1 実施計画
森林の多面的な便益の重要性が認識され、持続可能な森林経営の達成が「持続可能な開発」に不可欠なゴールとして位置付けられるとともに、森林法規の実行、林産物の違法な国際貿易への対処等、違法伐採への国際的取組の必要性が盛り込まれた。
2 アジア森林パートナーシップの発足
アジア地域の持続可能な森林経営の促進を目的として、関係国、国際機関、NGO等が違法伐採対策、森林火災予防、荒廃地の復旧(植林)等の活動を通じて協力していくため、我が国とインドネシアが提唱した「アジア森林パートナーシップ林野庁プレスリリースより概要」が正式に発足する運びとなった。
(注)これまでにタイ、カンボジア、米国、英国等12ヶ国、国際林業研究センター(CIFOR)、国連食糧農業機関(FAO)、国際熱帯木材機関(ITTO)等8国際機関及びNGOが正式に参加を表明しているが、本会議期間中に新たに中国、フィンランドが正式に参加を表明したほか、マレーシア、ロシアも参加の意向を示した。
3 サイドイベント
(1)「持続可能な森林経営」に関するセミナー
8月29日、地球環境行動会議(GEA)、外務省、林野庁の共催で「持続可能な森林経営」に関するセミナーが開催され、清水嘉与子GEA代表幹事の議事進行により、谷津義男GEA代表幹事による違法伐採問題に関する基調講演のほか、「アジア森林パートナーシップ」の紹介、NGOを含む200名近い内外の参加者との、違法伐採対策を含む持続可能な森林経営への取組の重要性に関する活発な議論等が行われた。
(2)その他のサイドイベント
その他にも、次のような森林関係のサイドイベントが開催され、このうち、B及びCには遠藤農林水産副大臣が出席し、持続可能な森林経営に向けた我が国の積極的な姿勢を表明して、多くの出席者の賛同を得た。
@ ITTO主催のセミナー「持続可能な熱帯林経営」(8月27日、ソブラルITTO事務局長、スイス政府代表者等が出席)
A 地球環境国際議員連盟(GLOBE Japan)、日本政府、第3回水フォーラム事務局の共催によるセミナー「水・人・持続性」(8月29日、橋本龍太郎
GLOBE Japan会長、谷津義男GLOBE Japan事務総長、セネガル政府代表者等が出席)
B EU主催のセミナー「森林法規の実行、行政と貿易」(8月31日、ワルストロムEU環境委員、ニールソンEU開発委員、ミーチャー英国環境大臣等が出席)
C 米国主催の「コンゴベイスン森林パートナーシップ」発足式(9月4日、パウウェル米国国務長官、サスンゲッソ・コンゴ共和国大統領等が出席)