◇ 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)
 
   森林法
目次
 第一章 総則(第一条―第三条)
 第二章 森林計画等(第四条―第十条の四)
 第二章の二 営林の助長及び監督
  第一節 市町村等による森林の整備の推進(第十条の五―第十条の十二)
  第二節 森林整備協定の締結の促進(第十条の十三・第十条の十四)
  第三節 森林施業計画(第十一条―第二十条)
  第四節 補則(第二十一条―第二十四条)
 第三章 保安施設
  第一節 保安林(第二十五条―第四十条)
  第二節 保安施設地区(第四十一条―第四十八条)
 第四章 土地の使用(第四十九条―第六十七条)
 第五章 都道府県森林審議会(第六十八条―第七十三条)
 第六章 削除
 第七章 雑則(第百八十七条―第百九十六条の二)
 第八章 罰則(第百九十七条―第二百十三条)
 附則
   第一章 総則
 (この法律の目的)
第一条 この法律は、森林計画、保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて、森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り、もつて国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「森林」とは、左に掲げるものをいう。但し、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
一 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹
二 前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地
2 この法律において「森林所有者」とは、権原に基き森林の土地の上に木竹を所有し、及び育成することができる者をいう。
3 この法律において「国有林」とは、国が森林所有者である森林及び国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第十条第一号に規定する分収林である森林をいい、「民有林」とは、国有林以外の森林をいう。
 (承継人に対する効力)
第三条 この法律又はこの法律に基く命令の規定によつてした処分、手続その他の行為は、森林所有者、権原に基き森林の立木竹の使用若しくは収益をする者又は土地の所有者若しくは占有者の承継人に対しても、その効力を有する。
   第二章 森林計画等
 (全国森林計画等)
第四条 農林水産大臣は、政令で定めるところにより、森林・林業基本法(昭和三十九年法律第百六十一号)第十一条第一項の基本計画に即し、かつ、保安施設の整備の状況等を勘案して、全国の森林につき、五年ごとに、十五年を一期とする全国森林計画をたてなければならない。
2 全国森林計画においては、次に掲げる事項を、地勢その他の条件を勘案して主として流域別に全国の区域を分けて定める区域ごとに当該事項を明らかにすることを旨として、定めるものとする。
一 森林の整備の目標その他森林の整備に関する基本的な事項
二 森林の立木竹の伐採に関する事項(間伐に関する事項を除く。)
三 造林に関する事項
三の二 間伐及び保育に関する事項
三の三 公益的機能別森林施業(水源のかん養の機能その他の森林の有する公益的機能の別に応じて、当該森林の伐期の間隔の拡大及び伐採面積の規模の縮小その他の当該森林の有する公益的機能の維持増進を特に図るための森林施業をいう。第十一条第四項第二号ロにおいて同じ。)を推進すべき森林(以下「公益的機能別施業森林」という。)の整備に関する事項
四 林道の開設その他林産物の搬出に関する事項
四の二 森林施業の合理化に関する事項
五 森林の土地の保全に関する事項
六 保安施設に関する事項
七 その他必要な事項
3 全国森林計画は、良好な自然環境の保全及び形成その他森林の有する公益的機能の維持増進に適切な考慮が払われたものでなければならない。
4 全国森林計画は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項の規定による環境基本計画と調和するものでなければならない。
5 農林水産大臣は、全国森林計画に掲げる森林の整備の目標の計画的かつ着実な達成に資するため、全国森林計画の作成と併せて、五年ごとに、森林整備事業(造林、間伐及び保育並びに林道の開設及び改良の事業で政令で定める者が実施するものをいう。以下同じ。)に関する計画(以下「森林整備事業計画」という。)をたてなければならない。
6 森林整備事業計画においては、全国森林計画の計画期間のうち最初の五年間に係る森林整備事業の実施の目標及び事業量を定めるものとする。
7 農林水産大臣は、森林の現況、経済事情等に変動があつたため必要と認めるときは、全国森林計画及び森林整備事業計画を変更することができる。
8 農林水産大臣は、全国森林計画をたて、又はこれを変更しようとするときは、環境大臣その他関係行政機関の長に協議し、かつ、林政審議会及び都道府県知事の意見を聴かなければならない。
9 農林水産大臣は、全国森林計画をたて、又はこれを変更するには、閣議の決定を経なければならない。
10 農林水産大臣は、全国森林計画をたて、又はこれを変更したときは、遅滞なく、その概要を公表するとともに、当該計画(変更の場合にあつては、変更後の計画)を環境大臣その他関係行政機関の長及び都道府県知事に通知しなければならない。
11 前三項の規定は、森林整備事業計画について準用する。この場合において、第八項及び前項中「環境大臣その他関係行政機関の長」とあるのは、「関係行政機関の長」と読み替えるものとする。
第四条の二 国は、森林整備事業計画の達成を図るため、その実施につき必要な措置を講ずるものとする。
 (地域森林計画)
第五条 都道府県知事は、全国森林計画に即して、森林計画区別に、その森林計画区に係る民有林(その自然的経済的社会的諸条件及びその周辺の地域における土地の利用の動向からみて、森林として利用することが相当でないと認められる民有林を除く。)につき、五年ごとに、その計画をたてる年の翌年四月一日以降十年を一期とする地域森林計画をたてなければならない。
2 地域森林計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 その対象とする森林の区域
二 森林の有する機能別の森林の所在及び面積並びにその整備の目標その他森林の整備に関する基本的な事項
三 伐採立木材積その他森林の立木竹の伐採に関する事項(間伐に関する事項を除く。)
四 造林面積その他造林に関する事項
四の二 間伐立木材積その他間伐及び保育に関する事項
四の三 公益的機能別施業森林の区域(以下「公益的機能別施業森林区域」という。)の基準その他公益的機能別施業森林の整備に関する事項
五 林道の開設及び改良に関する計画、搬出方法を特定する必要のある森林の所在及びその搬出方法その他林産物の搬出に関する事項
五の二 森林施業の共同化その他森林施業の合理化に関する事項
六 樹根及び表土の保全その他森林の土地の保全に関する事項
七 保安林の整備、第四十一条の保安施設事業に関する計画その他保安施設に関する事項
八 その他必要な事項
3 第四条第三項の規定は、地域森林計画に準用する。
4 都道府県知事は、森林の現況、経済事情等に変動があつたため必要と認めるときは、地域森林計画を変更することができる。
 (地域森林計画の案の縦覧等)
第六条 都道府県知事は、地域森林計画をたて、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該地域森林計画の案を当該公告の日から三十日間公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項の規定による公告があつたときは、当該地域森林計画の案に意見がある者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該都道府県知事に、理由を付した文書をもつて、意見を申し立てることができる。
3 都道府県知事は、第一項の縦覧期間満了後、当該地域森林計画の案について、都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。この場合において、当該地域森林計画の案に係る森林計画区の区域内に第七条の二第一項の森林計画の対象となる国有林があるときは、都道府県知事は、併せて関係森林管理局長の意見を聴かなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定により地域森林計画の案について都道府県森林審議会の意見を聴く場合には、第二項の規定により申立てがあつた意見の要旨を都道府県森林審議会に提出しなければならない。
5 都道府県知事は、地域森林計画をたて、又はこれを変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に協議しなければならない。この場合において、当該地域森林計画に定める事項のうち、前条第二項第二号の森林の整備の目標、同項第三号の伐採立木材積、同項第四号の造林面積、同項第四号の二の間伐立木材積、同項第五号の林道の開設及び改良に関する計画並びに同項第七号の保安林の整備及び保安施設事業に関する計画については、農林水産大臣の同意を得なければならない。
6 都道府県知事は、地域森林計画をたて、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係市町村長に通知し、かつ、農林水産大臣に報告しなければならない。この場合においては、第二項の規定により申立てがあつた意見の要旨及び当該意見の処理の結果を併せて公表しなければならない。
 (森林計画区)
第七条 第五条第一項の森林計画区は、農林水産大臣が、都道府県知事の意見を聴き、地勢その他の条件を勘案し、主として流域別に都道府県の区域を分けて定める。
2 農林水産大臣は、森林計画区を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
 (国有林の地域別の森林計画)
第七条の二 森林管理局長は、全国森林計画に即して、森林計画区別に、その管理経営する国有林で当該森林計画区に係るもの(その自然的経済的社会的諸条件及びその周辺の地域における土地の利用の動向からみて、森林として利用することが相当でないと認められる国有林を除く。)につき、五年ごとに、その計画をたてる年の翌年四月一日以降十年を一期とする森林計画をたてなければならない。
2 前項の森林計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 第五条第二項第一号から第四号の二まで、第五号及び第六号から第八号までに掲げる事項
二 公益的機能別施業森林区域及び当該公益的機能別施業森林区域内における施業の方法その他公益的機能別施業森林の整備に関する事項
三 森林施業の合理化に関する事項
3 第四条第三項及び第五条第四項の規定は、第一項の森林計画について準用する。
4 第六条第一項及び第二項の規定は、第一項の規定により森林管理局長が森林計画をたてる場合に準用する。
5 森林管理局長は、前項において準用する第六条第一項の縦覧期間満了後、当該森林計画の案について、関係都道府県知事及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
6 森林管理局長は、第一項の森林計画をたて、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係都道府県知事及び関係市町村長に通知しなければならない。この場合においては、第四項において準用する第六条第二項の規定により申立てがあつた意見の要旨及び当該意見の処理の結果を併せて公表しなければならない。
 (地域森林計画等の遵守)
第八条 森林所有者その他権原に基づき森林の立木竹又は土地の使用又は収益をする者は、地域森林計画に従つて施業し、又は森林の土地の使用若しくは収益をすることを旨としなければならない。
2 森林管理局長は、前条第一項の森林計画に従つて国有林を管理経営するよう努めなければならない。
第九条及び第十条 削除
 (開発行為の許可)
第十条の二 地域森林計画の対象となつている民有林(第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林並びに第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内及び海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第三条の規定により指定された海岸保全区域内の森林を除く。)において開発行為(土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為で、森林の土地の自然的条件、その行為の態様等を勘案して政令で定める規模をこえるものをいう。以下同じ。)をしようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 国又は地方公共団体が行なう場合
二 火災、風水害その他の非常災害のために必要な応急措置として行なう場合
三 森林の土地の保全に著しい支障を及ぼすおそれが少なく、かつ、公益性が高いと認められる事業で農林水産省令で定めるものの施行として行なう場合
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、これを許可しなければならない。
一 当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。
一の二 当該開発行為をする森林の現に有する水害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水害を発生させるおそれがあること。
二 当該開発行為をする森林の現に有する水源のかん養の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること。
三 当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること。
3 前項各号の規定の適用につき同項各号に規定する森林の機能を判断するに当たつては、森林の保続培養及び森林生産力の増進に留意しなければならない。
4 第一項の許可には、条件を附することができる。
5 前項の条件は、森林の現に有する公益的機能を維持するために必要最小限度のものに限り、かつ、その許可を受けた者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
6 都道府県知事は、第一項の許可をしようとするときは、都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
 (監督処分)
第十条の三 都道府県知事は、森林の有する公益的機能を維持するために必要があると認めるときは、前条第一項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第四項の条件に違反して開発行為をした者又は偽りその他の不正な手段により同条第一項の許可を受けて開発行為をした者に対し、その開発行為の中止を命じ、又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる。
 (適用除外)
第十条の四 この章の規定は、試験研究の目的に供している森林で農林水産大臣の指定するものその他農林水産省令で定める森林には適用しない。
   第二章の二 営林の助長及び監督
    第一節 市町村等による森林の整備の推進
 (市町村森林整備計画)
第十条の五 市町村は、その区域内にある地域森林計画の対象となつている民有林につき、五年ごとに、当該民有林の属する森林計画区に係る地域森林計画の計画期間の始期をその計画期間の始期とし、十年を一期とする市町村森林整備計画をたてなければならない。ただし、地域森林計画の変更により新たにその区域内にある民有林が当該地域森林計画の対象となつた市町村にあつては、その最初にたてる市町村森林整備計画については当該地域森林計画の計画期間の終期をその計画期間の終期とし、当該市町村森林整備計画に引き続く次の市町村森林整備計画については当該地域森林計画に引き続きたてられる次の地域森林計画の計画期間の始期をその計画期間の始期として、たてなければならない。
2 市町村森林整備計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 伐採、造林、保育その他森林の整備に関する基本的事項
二 立木の標準伐期齢、立木の伐採の標準的な方法その他森林の立木竹の伐採に関する事項(間伐に関する事項を除く。)
三 造林樹種、造林の標準的な方法その他造林に関する事項
四 間伐を実施すべき標準的な林齢、間伐及び保育の標準的な方法その他間伐及び保育の基準
五 間伐又は保育が適正に実施されていない森林であつてこれらを早急に実施する必要のあるもの(以下「要間伐森林」という。)の所在並びに要間伐森林について実施すべき間伐又は保育の方法及び時期に関する事項
六 公益的機能別施業森林区域及び当該公益的機能別施業森林区域内における施業の方法その他公益的機能別施業森林の整備に関する事項
七 森林施業の共同化の促進に関する事項
八 林業に従事する者の養成及び確保に関する事項
九 森林施業の合理化を図るために必要な機械の導入の促進に関する事項
十 作業路網その他森林の整備のために必要な施設の整備に関する事項
十一 林産物の利用の促進のために必要な施設の整備に関する事項
十二 その他森林の整備のために必要な事項
3 市町村森林整備計画は、地域森林計画に適合したものでなければならない。
4 第四条第三項の規定は、市町村森林整備計画について準用する。
5 第六条第一項及び第二項の規定は、第一項の規定により市町村が市町村森林整備計画をたてる場合に準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「都道府県知事」とあるのは、「市町村の長」と読み替えるものとする。
6 市町村の長は、当該市町村の区域内に第七条の二第一項の森林計画の対象となる国有林があるときは、前項の規定により読み替えて準用する第六条第一項の縦覧期間満了後、当該市町村森林整備計画の案について、関係森林管理局長の意見を聴かなければならない。
7 市町村は、市町村森林整備計画をたてようとするときは、第五項の規定により読み替えて準用する第六条第一項の縦覧期間満了後、都道府県知事に協議しなければならない。
8 市町村は、市町村森林整備計画をたてたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事(当該市町村の区域内に第十九条第四項の規定による通知に係る農林水産大臣の認定を受けた森林施業計画の対象とする森林が存するときは、都道府県知事及び農林水産大臣)及び関係森林管理局長に当該市町村森林整備計画書の写しを送付しなければならない。この場合においては、第五項の規定により読み替えて準用する第六条第二項の規定により申立てがあつた意見の要旨及び当該意見の処理の結果を併せて公表しなければならない。
 (市町村森林整備計画の変更)
第十条の六 都道府県知事は、地域森林計画の変更により市町村森林整備計画が地域森林計画に適合しなくなつたと認めるときは、当該市町村森林整備計画に係る市町村に対し、当該市町村森林整備計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
2 市町村は、前項の規定による通知を受けたときは、市町村森林整備計画を変更しなければならない。
3 市町村は、前項の場合を除くほか、森林の現況等に変動があつたため必要があると認めるときは、市町村森林整備計画を変更することができる。
4 前条第五項から第八項までの規定は、市町村森林整備計画の変更について準用する。
 (市町村森林整備計画の遵守)
第十条の七 森林所有者その他権原に基づき森林の立木竹の使用又は収益をする者(以下「森林所有者等」という。)は、市町村森林整備計画に従つて施業することを旨としなければならない。
 (伐採及び伐採後の造林の届出)
第十条の八 森林所有者等は、地域森林計画の対象となつている民有林(第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林及び第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内の森林を除く。)の立木を伐採するには、農林水産省令で定める手続に従い、あらかじめ、市町村の長に森林の所在場所、伐採面積、伐採方法、伐採齢、伐採後の造林の方法、期間及び樹種その他農林水産省令で定める事項を記載した伐採及び伐採後の造林の届出書を提出しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合
二 第十条の二第一項の許可を受けた者が当該許可に係る同項の開発行為をするために伐採する場合
三 第十一条第四項の認定に係る森林施業計画(その変更につき第十二条第三項において準用する第十一条第四項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの)において定められている伐採をする場合
四 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けて伐採する場合
五 第百八十八条第二項の規定に基づいて伐採する場合
六 法令によりその立木の伐採につき制限がある森林で農林水産省令で定めるもの以外の森林(次号において「普通林」という。)であつて、立木の果実の採取その他農林水産省令で定める用途に主として供されるものとして市町村の長が当該森林所有者の申請に基づき指定したものにつき伐採する場合
七 普通林であつて、自家の生活の用に充てるため必要な木材その他の林産物の採取の目的に供すべきもののうち、市町村の長が当該森林所有者の申請に基づき農林水産省令で定める基準に従い指定したものにつき伐採する場合
八 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
九 除伐する場合
十 その他農林水産省令で定める場合
2 前項第八号に掲げる場合に該当して森林の立木を伐採した森林所有者等は、農林水産省令で定める手続に従い、市町村の長に伐採の届出書を提出しなければならない。
 (伐採及び伐採後の造林の計画の変更命令等)
第十条の九 市町村の長は、前条第一項の規定により提出された届出書に記載された伐採面積、伐採方法若しくは伐採齢又は伐採後の造林の方法、期間若しくは樹種に関する計画が市町村森林整備計画に適合しないと認めるときは、当該届出書を提出した者に対し、その伐採及び伐採後の造林の計画を変更すべき旨を命ずることができる。
2 前項の命令があつたときは、その命令があつた後に行われる立木の伐採については、同項の届出書の提出はなかつたものとみなす。
3 市町村の長は、前条第一項の規定により届出書を提出した者の行つている伐採又は伐採後の造林が当該届出書に記載された伐採面積、伐採方法若しくは伐採齢又は伐採後の造林の方法、期間若しくは樹種に関する計画に従つていないと認めるときは、その者に対し、その伐採及び伐採後の造林の計画に従つて伐採し、又は伐採後の造林をすべき旨を命ずることができる。
 (施業の勧告等)
第十条の十 市町村の長は、森林所有者等がその森林の施業につき市町村森林整備計画を遵守していないと認める場合において、市町村森林整備計画の達成上必要があるときは、当該森林所有者等に対し、遵守すべき事項を示して、これに従つて施業すべき旨を勧告することができる。
2 市町村の長は、前項の規定により、要間伐森林について市町村森林整備計画において定められている当該要間伐森林に係る間伐又は保育の方法及び時期に関する事項に従つて間伐又は保育を実施すべき旨を期限を定めて勧告した場合において、その勧告を受けた者がこれに従わないとき、又は従う見込みがないと認めるときは、その者に対し、当該要間伐森林又は当該要間伐森林の立木について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者で当該市町村の長の指定を受けたものと当該要間伐森林又は当該要間伐森林の立木についての所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転に関し協議すべき旨を勧告することができる。
 (都道府県知事の調停)
第十条の十一 市町村の長が前条第二項の規定による勧告をした場合において、その勧告に係る協議が調わず、又は協議をすることができないときは、同項の指定を受けた者は、その勧告があつた日から起算して二月以内に、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、その協議に係る所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転につき必要な調停をなすべき旨を申請することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による申請があつたときは、速やかに調停を行うものとする。
3 都道府県知事は、第一項の調停を行う場合には、当事者の意見を聴くとともに、当該市町村の長に対し、助言、資料の提供その他必要な協力を求めて、調停案を作成しなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定により調停案を作成したときは、これを当事者に示してその受諾を勧告するものとする。
 (裁定の申請)
第十条の十一の二 都道府県知事が前条第四項の規定による勧告をした場合(当該勧告に係る要間伐森林の森林所有者が当該要間伐森林の土地の所有者である場合に限る。)において、その勧告を受けた森林所有者が当該勧告があつた日から起算して二月以内に当該勧告に係る調停案の受諾をしないときは、第十条の十第二項の指定を受けた者(地方公共団体その他の政令で定める者に限る。以下この条において「指定地方公共団体等」という。)は、当該勧告があつた日から起算して六月以内に、都道府県知事に対し、農林水産省令で定めるところにより、当該要間伐森林の立木について、当該指定地方公共団体等を分収林特別措置法(昭和三十三年法律第五十七号)第二条第二項に規定する育林者とし、当該森林所有者を同項に規定する育林地所有者とする同項に規定する分収育林契約の締結に関し裁定を申請することができる。
 (意見書の提出)
第十条の十一の三 都道府県知事は、前条の規定による申請があつたときは、農林水産省令で定める事項を公告するとともに、その申請に係る要間伐森林の森林所有者にこれを通知し、二週間を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
2 前項の意見書を提出する者は、その意見書において、その者が前条の規定による申請に係る要間伐森林について間伐又は保育を実施していない理由その他の農林水産省令で定める事項を明らかにしなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。
 (裁定)
第十条の十一の四 都道府県知事は、第十条の十一の二の規定による申請に係る要間伐森林が次に掲げる要件のすべてに該当すると認められる場合において、当該申請に従つて当該要間伐森林について間伐又は保育を実施することが当該要間伐森林及びその周辺の地域における土砂の流出又は崩壊その他の災害の発生を防止するために必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、分収育林契約を締結すべき旨の裁定をするものとする。
一 間伐又は保育が実施されておらず、かつ、前条第一項の意見書の内容その他の諸事情を考慮して引き続き間伐又は保育が実施されないことが確実であると見込まれること。
二 引き続き間伐又は保育が実施されないときは当該要間伐森林及びその周辺の地域における土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。
2 前項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 分収育林契約に係る森林の所在及び面積並びに立木の樹種別及び林齢別の本数
二 分収育林契約の存続期間
三 育林地所有者が育林者に設定する利用権(分収育林契約に係る森林の土地を育林(立木の保育及び管理をいう。以下同じ。)の目的に使用する権利をいう。以下同じ。)の種類並びにその始期及び存続期間
四 利用権の地代又は借賃
五 分収育林契約に係る立木についての各契約当事者の持分の割合並びに育林者が取得する立木の持分の対価の額及びその支払方法
六 育林の内容、時期及び方法
七 各契約当事者が負担する費用の範囲
八 育林による収益の分収の割合
九 分収育林契約に係る立木の伐採又は販売の時期及び方法
十 分収育林契約に係る立木の滅失その他の損害をてん補する措置に関する事項
十一 分収育林契約の変更又は解除に関する事項
3 前項各号に掲げる事項は、それぞれ次の各号に掲げる基準に適合するものとして定めなければならない。
一 前項第一号から第三号まで、第六号及び第九号に掲げる事項については、申請の範囲を超えないこと。
二 前項第五号に規定する持分の割合及び同項第八号に掲げる分収の割合については、同項第七号に定めるところにより各契約当事者が負担することとなる費用の合計の見積りの額の割合と等しくなること。
三 前項第七号に掲げる事項については、次のイ又はロに掲げる者の区分に応じ、それぞれイ又はロに掲げる費用を負担するものであること。
イ 育林地所有者 分収育林契約に係る森林の土地に係る公租公課及び育林に要する費用のうち利用権の地代又は借賃の総額に相当する部分(ロにおいて「地代相当分」という。)
ロ 育林者 育林に要する費用のうち地代相当分以外の部分、前項第十号に掲げる事項に要する費用及び立木の伐採又は販売に要する費用
 (裁定の効果等)
第十条の十一の五 都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨をその裁定の申請をした者及びその申請に係る森林所有者に通知するとともに、これを公告しなければならない。その裁定についての異議申立てに対する決定によつてその裁定の内容が変更されたときも、同様とする。
2 前条第一項の裁定について前項の規定による公告があつたときは、その裁定の定めるところにより、その裁定の申請をした者とその申請に係る森林所有者との間に分収育林契約が締結されたものとみなす。
第十条の十一の六 第十条の十一の四第一項の裁定のうち次に掲げる事項について不服がある者は、訴えをもつて、その増減を請求することができる。ただし、その裁定があつた日から三月を経過したときは、この限りでない。
一 利用権の地代又は借賃の額
二 第十条の十一の四第二項第五号に規定する持分の割合及び同項第八号に掲げる分収の割合
三 第十条の十一の四第二項第五号に規定する持分の対価の額
2 前項の訴えにおいては、第十条の十一の二の裁定の申請をした者又はその申請に係る要間伐森林の土地の所有者を被告とする。
3 第十条の十一の四第一項の裁定についての異議申立てにおいては、第一項各号に掲げる事項についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
 (分収育林契約の解除)
第十条の十一の七 第十条の十一の五第二項の規定により締結されたものとみなされた分収育林契約の育林地所有者は、当該分収育林契約に係る森林及びその周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害の発生のおそれ(当該森林について間伐又は保育が実施されないことに起因するものに限る。)がなくなつたときは、都道府県知事の承認を受けて、当該分収育林契約の解除をすることができる。この場合においては、育林地所有者は次に掲げる額の合計額にそれぞれその支出の日以後の利息を付してこれを育林者に支払わなければならない。
一 当該分収育林契約に基づき育林者が育林地所有者に支払つた立木の持分の対価の額
二 当該分収育林契約に基づき育林者が負担した費用の額
 (施業実施協定)
第十条の十一の八 市町村の区域内に存する一団の民有林で次に掲げる要件に該当するもの(以下この項において「対象森林」という。)の森林所有者等又は当該対象森林の土地の所有者は、当該市町村の長の認可を受けて、当該対象森林について行う間伐又は保育その他の森林施業の共同化及びそのために必要な施設の整備に関する協定(以下「施業実施協定」という。)を締結することができる。
一 地域森林計画の対象となつている森林であること。
二 森林の保続培養及び森林生産力の増進を期するためには一体として整備することが相当と認められる森林であること。
2 施業実施協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 施業実施協定の目的となる森林の区域及びその面積
二 共同して行う森林施業の種類並びにその実施の方法及び時期その他森林施業の共同化に関する事項
三 前号に掲げる事項を実施するために必要な作業路網その他の施設の設置及び維持運営に関する事項
四 施業実施協定の有効期間
五 施業実施協定に違反した場合の措置
3 施業実施協定については、当該施業実施協定の対象となる森林の森林所有者等及び当該森林の土地の所有者の全員の合意がなければならない。
4 施業実施協定の有効期間は、十年を超えてはならない。
 (施業実施協定の内容と法令等との関係)
第十条の十一の九 施業実施協定の内容は、この法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令(条例を含む。)並びにこれらに基づく処分に違反するものであつてはならない。
2 施業実施協定の内容は、法令に基づき策定された国又は地方公共団体の計画に適合するものでなければならない。
 (施業実施協定の縦覧等)
第十条の十一の十 市町村の長は、第十条の十一の八第一項の認可の申請があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該施業実施協定を当該公告の日から二週間利害関係人の縦覧に供しなければならない。
2 前項の規定による公告があつたときは、利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該施業実施協定について、市町村の長に意見書を提出することができる。
 (施業実施協定の認可)
第十条の十一の十一 市町村の長は、第十条の十一の八第一項の認可の申請が次の各号のすべてに該当するときは、当該施業実施協定を認可しなければならない。
一 申請の手続又は施業実施協定の内容が法令に違反するものでないこと。
二 施業実施協定の内容が森林の利用を不当に制限するものでないこと。
三 施業実施協定の内容が市町村森林整備計画の達成に資すると認められるものであること。
2 市町村の長は、前項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該施業実施協定の写しを当該市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、施業実施協定の対象とする森林である旨を当該森林の区域内に明示しなければならない。
 (施業実施協定の変更)
第十条の十一の十二 施業実施協定に係る森林所有者等及び森林の土地の所有者は、施業実施協定において定めた事項を変更しようとする場合においては、全員の合意をもつてその旨を定め、市町村の長の認可を受けなければならない。
2 前二条の規定は、前項の認可について準用する。
 (施業実施協定の効力)
第十条の十一の十三 第十条の十一の十一第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公告のあつた施業実施協定に定める事項のうち、第十条の十一の八第二項第三号に掲げる事項(施設の維持運営に関する事項に限る。)は、その公告のあつた後において当該施業実施協定の対象とする森林の森林所有者等又は当該森林の土地の所有者となつた者に対しても、その効力があるものとする。
 (施業実施協定の廃止)
第十条の十一の十四 施業実施協定に係る森林所有者等及び森林の土地の所有者は、第十条の十一の八第一項又は第十条の十一の十二第一項の認可を受けた施業実施協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、市町村の長の認可を受けなければならない。
2 市町村の長は、前項の認可をしたときは、その旨を公告しなければならない。
 (施業実施協定の認可の取消し)
第十条の十一の十五 市町村の長は、第十条の十一の八第一項又は第十条の十一の十二第一項の認可をした後において、当該認可に係る施業実施協定の内容が第十条の十一の十一第一項各号に掲げる要件に該当しないものと認められるに至つたときは、当該施業実施協定の認可を取り消すものとする。
2 市町村の長は、前項の規定による認可の取消しを行つたときは、その旨を、当該施業実施協定に係る森林所有者等及び森林の土地の所有者に通知するとともに、公告しなければならない。
 (協力の要請)
第十条の十二 市町村は、市町村森林整備計画の達成のため必要があるときは、関係森林管理局長に対し、技術的援助その他の必要な協力を求めることができる。
    第二節 森林整備協定の締結の促進
 (森林整備協定の締結に関する協議)
第十条の十三 その区域内に相当規模の森林が存する地方公共団体(以下この条において「森林所在地方公共団体」という。)の長は当該森林の属する流域に係る河川の下流地域をその区域に含む地方公共団体(以下この条において「下流地方公共団体」という。)の長に対し、また、下流地方公共団体の長は森林所在地方公共団体の長に対し、それぞれ、森林所在地方公共団体の区域内の森林についての森林整備協定の締結に関し、協議を行うべき旨の申入れをすることができる。
2 前項の「森林整備協定」とは、森林所在地方公共団体及び下流地方公共団体(以下この項及び次条第一項において「関係地方公共団体」という。)が共同して森林整備法人(分収林特別措置法第九条第二号に掲げる森林整備法人をいう。)を設立し、森林の整備を促進する事業に係る基金に対して拠出し、又は分収育林契約(同法第二条第二項に規定する分収育林契約をいう。)を締結する等により、関係地方公共団体が協力して森林の整備を推進することを約する協定をいう。
 (森林整備協定の締結についてのあつせん)
第十条の十四 前条第一項の申入れをした地方公共団体の長は、当該申入れに係る協議が調わなかつた場合には、農林水産大臣(当該申入れに係る関係地方公共団体がいずれも同一都道府県内の市町村である場合には、都道府県知事。次項において同じ。)に対し、前条第一項の森林整備協定の締結についてあつせんを求めることができる。
2 農林水産大臣は、前項の規定による請求があつた場合において、当該森林整備協定の締結が森林の公益的機能の維持増進を図る上で必要であると認めるときは、あつせんに努めるものとする。
    第三節 森林施業計画
 (森林施業計画)
第十一条 森林所有者等は、単独で又は共同して、これを一体として整備することを相当とするものとして政令で定める基準に適合する森林につき、農林水産省令で定めるところにより、五年を一期とする森林施業計画を作成し、これを当該森林施業計画の対象とする森林の所在地の属する市町村の長に提出して、当該森林施業計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
2 森林施業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 その対象とする森林についての森林施業の実施に関する長期の方針
二 その対象とする森林についての所在場所別の面積、人工植栽に係る森林とその他の森林との区別、樹種又は林相、林齢及び立木の材積
三 伐採する森林についての所在場所別の伐採時期、伐採面積、伐採立木材積及び伐採方法(間伐に関する事項を除く。)
四 造林する森林についての所在場所別の造林時期、造林面積、造林樹種及び造林方法
五 間伐を実施する森林についての所在場所別の間伐時期、間伐面積、間伐立木材積及び間伐方法
六 保育の種類別の面積
七 その他農林水産省令で定める事項
3 第一項の規定による認定の請求は、農林水産省令で定める書類を添えてしなければならない。
4 市町村の長は、第一項の規定による認定の請求があつた場合において、当該森林施業計画の内容が次に掲げる要件のすべてを満たすときは、当該森林施業計画が適当である旨の認定をするものとする。
一 第二項第一号に掲げる長期の方針が、森林施業計画の対象とする森林の整備を図るために有効かつ適切なものであること。
二 第二項第三号から第六号までに掲げる事項が、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める基準に適合していること。
イ 公益的機能別施業森林区域以外の区域内に存する森林 森林生産の保続及び森林生産力の増進を図るために必要なものとして、農林水産省令で定める植栽、間伐その他の森林施業の合理化に関する基準
ロ 公益的機能別施業森林区域内に存する森林 森林の有する公益的機能の維持増進を特に図るために必要なものとして、農林水産省令で定める公益的機能別森林施業の実施に関する基準
三 市町村森林整備計画の内容に照らして適当であると認められること。
 (森林施業計画の変更)
第十二条 前条第四項の認定を受けた森林所有者等(以下「認定森林所有者等」という。)は、次に掲げる場合には、当該森林施業計画を変更しなければならない。この場合には、当該認定森林所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、市町村の長にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めなければならない。
一 当該認定森林所有者等が当該森林施業計画の対象とする森林の一部につき森林所有者等でなくなつた場合
二 当該認定森林所有者等が次条の規定による通知を受けた場合
2 認定森林所有者等は、前項各号に掲げる場合を除くほか、当該森林施業計画の変更を必要とする場合には、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、市町村の長にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
3 前二項の規定による認定の請求については、前条第三項及び第四項の規定を準用する。この場合において、同項中「当該森林施業計画の内容」とあるのは「当該変更後の森林施業計画の内容」と、「当該森林施業計画が適当である」とあるのは「当該変更が適当である」と読み替えるものとする。
 (森林施業計画の変更に関する通知)
第十三条 市町村の長は、第十一条第四項の認定に係る森林施業計画(その変更につき前条第三項において準用する第十一条第四項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの。)の内容が同項各号に掲げる要件の全部又は一部に適合しなくなつたと認めるときは、当該森林施業計画に係る認定森林所有者等に対し、当該森林施業計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
 (森林施業計画の遵守)
第十四条 認定森林所有者等は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、当該森林施業計画の対象とする森林の施業について当該森林施業計画を遵守しなければならない。
 (森林施業計画に係る森林の伐採等の届出)
第十五条 認定森林所有者等は、当該森林施業計画の対象とする森林につき立木の伐採又は造林をした場合その他農林水産省令で定める場合には、農林水産省令で定めるところにより、市町村の長にその届出書を提出しなければならない。
 (認定の取消し)
第十六条 市町村の長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該森林施業計画に係る第十一条第四項の認定を取り消すことができる。
一 認定森林所有者等が、第十二条第一項各号に掲げる場合において、同項の規定による認定の請求をせず、又は請求をしたが当該認定を受けられなかつたとき。
二 認定森林所有者等が、第十四条の規定に違反していると認められるとき。
三 認定森林所有者等が、前条の規定による届出書の提出をせず、又は虚偽の届出書の提出をしたとき。
 (死亡、解散又は分割の場合の包括承継人に対する効力等)
第十七条 第十一条から第十三条まで、第十五条若しくは前条の規定又はこれらの規定に基づく農林水産省令の規定によつてした処分、手続、その他の行為は、第十一条第一項の規定による認定の請求をした者又は認定森林所有者等が死亡し、合併により解散し、又は分割をした場合には、その包括承継人に対しても、その効力を有する。
2 前項に規定する場合には、同項の包括承継人は、農林水産省令で定めるところにより、市町村の長にその届出書を提出しなければならない。
3 第一項に規定する処分、手続その他の行為については、第三条の規定は、適用しない。
第十八条 削除
 (数市町村にわたる事項の処理等)
第十九条 森林施業計画の対象とする森林の所在地が二以上の市町村にわたる場合には、第十一条から第十三条まで及び第十五条から第十七条までの規定において市町村の長の権限に属させた事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める者が処理する。
一 当該森林施業計画の対象とする森林の全部が一の都道府県の区域内にある場合 当該都道府県知事
二 前号に掲げる場合以外の場合 農林水産大臣
2 農林水産大臣は、前項の規定により同項の事項を処理する場合には、当該森林施業計画の対象とする森林の所在地を管轄する都道府県知事から当該森林の所在地の属する市町村に係る市町村森林整備計画書の写しの送付を受けるものとする。
3 農林水産大臣及び都道府県知事は、第一項の規定により第十一条第四項の規定による認定(第十二条第三項において準用する第十一条第四項の規定による変更の認定を含む。次項において同じ。)又は第十三条の規定による通知をしようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、関係市町村の長の意見を聴かなければならない。
4 農林水産大臣及び都道府県知事は、第一項の規定により第十一条第四項の規定による認定又は第十六条の規定による認定の取消しをしたときは、農林水産省令で定めるところにより、関係市町村の長にその旨を通知しなければならない。
第二十条 削除
    第四節 補則
 (火入れ)
第二十一条 森林又は森林に接近している政令で定める範囲内にある原野、山岳、荒廃地その他の土地においては、その森林又は土地の所在する市町村の長の許可を受けてその指示するところに従つてでなければ火入れをしてはならない。ただし、国又は地方公共団体が火入れをする場合は、この限りでない。
2 前項の市町村の長は、火入れをする目的が次の各号の一に該当する場合でなければ同項の許可をしてはならない。
一 造林のための地ごしらえ
二 開墾準備
三 害虫駆除
四 焼畑
五 前各号に準ずる事項であつて農林水産省令で定めるもの
3 第一項の市町村の長は、国有林野の管理経営に関する法律に規定する国有林野又はこれに接近する森林若しくは土地について同項の許可をするには、あらかじめ、その国有林野を管轄する森林管理署長に協議し、その同意を得なければならない。
 (防火の設備等)
第二十二条 前条第一項の森林又は土地において火入をする者は、あらかじめ必要な防火の設備をし、且つ、火入をしようとする森林又は土地に接近している農林水産省令で定める範囲内にある立木竹の所有者又は管理者にその旨を通知しなければならない。
 (危害防止のための条例)
第二十三条 前二条に規定するものの外、都道府県は、条例をもつて森林における火災の予防その他危害防止のため必要な定をすることができる。
 (適用除外)
第二十四条 前三条の規定を除き、この章の規定は、第十条の四に規定する森林には適用しない。
   第三章 保安施設
    第一節 保安林
 (指定)
第二十五条 農林水産大臣は、次の各号(指定しようとする森林が民有林である場合にあつては、第一号から第三号まで)に掲げる目的を達成するため必要があるときは、森林(民有林にあつては、重要流域(二以上の都府県の区域にわたる流域その他の国土保全上又は国民経済上特に重要な流域で農林水産大臣が指定するものをいう。以下同じ。)内に存するものに限る。)を保安林として指定することができる。ただし、海岸法第三条の規定により指定される海岸保全区域及び自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第十四条第一項の規定により指定される原生自然環境保全地域については、指定することができない。
一 水源のかん養
二 土砂の流出の防備
三 土砂の崩壊の防備
四 飛砂の防備
五 風害、水害、潮害、干害、雪害又は霧害の防備
六 なだれ又は落石の危険の防止
七 火災の防備
八 魚つき
九 航行の目標の保存
十 公衆の保健
十一 名所又は旧跡の風致の保存
2 前項但書の規定にかかわらず、農林水産大臣は、特別の必要があると認めるときは、海岸管理者に協議して海岸保全区域内の森林を保安林として指定することができる。
3 農林水産大臣は、第一項第十号又は第十一号に掲げる目的を達成するため前二項の指定をしようとするときは、環境大臣に協議しなければならない。ただし、保安林整備臨時措置法(昭和二十九年法律第八十四号)第二条第三項の規定によりすでにその指定の計画を含む同項の保安林整備計画についての協議をしている場合には、この限りでない。
4 農林水産大臣は、第一項又は第二項の指定をしようとするときは、林政審議会に諮問することができる。
第二十五条の二 都道府県知事は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するため必要があるときは、重要流域以外の流域内に存する民有林を保安林として指定することができる。この場合には、同項ただし書及び同条第二項の規定を準用する。
2 都道府県知事は、前条第一項第四号から第十一号までに掲げる目的を達成するため必要があるときは、民有林を保安林として指定することができる。この場合には、同項ただし書及び同条第二項の規定を準用する。
3 都道府県知事は、前二項の指定をしようとするときは、都道府県森林審議会に諮問することができる。
 (解除)
第二十六条 農林水産大臣は、保安林(民有林にあつては、第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するため指定され、かつ、重要流域内に存するものに限る。以下この条において同じ。)について、その指定の理由が消滅したときは、遅滞なくその部分につき保安林の指定を解除しなければならない。
2 農林水産大臣は、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につき保安林の指定を解除することができる。
3 前二項の規定により解除をしようとする場合には、第二十五条第三項及び第四項の規定を準用する。
第二十六条の二 都道府県知事は、民有林である保安林(第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するため指定されたものにあつては、重要流域以外の流域内に存するものに限る。以下この条において同じ。)について、その指定の理由が消滅したときは、遅滞なくその部分につき保安林の指定を解除しなければならない。
2 都道府県知事は、民有林である保安林について、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につき保安林の指定を解除することができる。
3 前二項の規定により解除をしようとする場合には、第二十五条の二第三項の規定を準用する。
4 都道府県知事は、第一項又は第二項の規定により解除をしようとする場合において、当該解除をしようとする保安林が次の各号のいずれかに該当するときは、農林水産大臣に協議し、その同意を得なければならない。
一 第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するため指定された保安林で、第一項又は第二項の規定により解除をしようとする面積が政令で定める規模以上であるもの
二 その全部又は一部が第四十一条第三項に規定する保安施設事業又は地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二条第四項に規定する地すべり防止工事若しくは同法第四十一条のぼた山崩壊防止工事の施行に係る土地の区域内にある保安林
 (指定又は解除の申請)
第二十七条 保安林の指定若しくは解除に利害関係を有する地方公共団体の長又はその指定若しくは解除に直接の利害関係を有する者は、農林水産省令で定める手続に従い、森林を保安林として指定すべき旨又は保安林の指定を解除すべき旨を書面により農林水産大臣又は都道府県知事に申請することができる。
2 都道府県知事以外の者が前項の規定により保安林の指定又は解除を農林水産大臣に申請する場合には、その森林の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の場合には、遅滞なくその申請書に意見書を附して農林水産大臣に進達しなければならない。但し、申請が第一項の条件を具備しないか、又は次条の規定に違反していると認めるときは、その申請を進達しないで却下することができる。
第二十八条 農林水産大臣又は都道府県知事が前条第一項の申請に係る指定又は解除をしない旨の処分をしたときは、その申請をした者は、実地の状況に著しい変化が生じた場合でなければ、再び同一の理由で同項の申請をしてはならない。
 (保安林予定森林又は解除予定保安林に関する通知等)
第二十九条 農林水産大臣は、保安林の指定又は解除をしようとするときは、あらかじめその旨並びに指定をしようとするときにあつてはその保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る第三十三条第一項に規定する指定施業要件、解除をしようとするときにあつてはその解除予定保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該解除の理由をその森林の所在地を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。その通知した内容を変更しようとするときもまた同様とする。
第三十条 都道府県知事は、前条の通知を受けたときは、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その通知の内容を告示し、その森林の所在する市町村の事務所に掲示するとともに、その森林の森林所有者及びその森林に関し登記した権利を有する者にその内容を通知しなければならない。この場合において、保安林の指定又は解除が第二十七条第一項の規定による申請に係るものであるときは、その申請者にも通知しなければならない。
第三十条の二 都道府県知事は、保安林の指定又は解除をしようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめその旨並びに指定しようとするときにあつてはその保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る第三十三条第一項に規定する指定施業要件、解除をしようとするときにあつてはその解除予定保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該解除の理由を告示し、その森林の所在する市町村の事務所に掲示するとともに、その森林の森林所有者及びその森林に関し登記した権利を有する者にその内容を通知しなければならない。その告示した内容を変更しようとするときもまた同様とする。
2 前項の場合には、前条後段の規定を準用する。
 (保安林予定森林における制限)
第三十一条 都道府県知事は、前二条の規定による告示があつた保安林予定森林について、農林水産省令で定めるところにより、九十日を超えない期間内において、立木竹の伐採又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為を禁止することができる。
 (意見書の提出)
第三十二条 第二十七条第一項に規定する者は、第三十条又は第三十条の二第一項の告示があつた場合においてその告示の内容に異議があるときは、農林水産省令で定める手続に従い、第三十条の告示にあつては都道府県知事を経由して農林水産大臣に、第三十条の二第一項の告示にあつては都道府県知事に、意見書を提出することができる。この場合には、その告示の日から三十日以内に意見書を都道府県知事に差し出さなければならない。
2 前項の規定による意見書の提出があつたときは、農林水産大臣は第三十条の告示に係る意見書について、都道府県知事は第三十条の二第一項の告示に係る意見書について、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において、都道府県知事は、同項の告示に係る意見書の写しを農林水産大臣に送付しなければならない。
3 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の意見の聴取をしようとするときは、その期日の一週間前までに意見の聴取の期日及び場所をその意見書を提出した者に通知するとともにこれを公示しなければならない。
4 農林水産大臣又は都道府県知事は、第三十条又は第三十条の二第一項の告示の日から四十日を経過した後(第一項の意見書の提出があつたときは、これについて第二項の意見の聴取をした後)でなければ保安林の指定又は解除をすることができない。
5 農林水産大臣は、第三十条の二第一項の告示に係る第一項の意見書の提出があつた場合において、保安林として指定する目的を達成するためその他公益上の理由により特別の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、保安林の指定又は解除に関し必要な指示をすることができる。
6 前項の指示は、第二項の意見の聴取をした後でなければすることができない。
 (指定又は解除の通知)
第三十三条 農林水産大臣は、保安林の指定又は解除をする場合には、その旨並びに指定をするときにあつてはその保安林の所在場所、当該指定の目的及び当該保安林に係る指定施業要件(立木の伐採の方法及び限度並びに立木を伐採した後において当該伐採跡地について行なう必要のある植栽の方法、期間及び樹種をいう。以下同じ。)、解除をするときにあつてはその保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該解除の理由を告示するとともに関係都道府県知事に通知しなければならない。
2 保安林の指定又は解除は、前項の告示によつてその効力を生ずる。
3 都道府県知事は、第一項の通知を受けたときは、その処分の内容をその処分に係る森林の森林所有者及びその処分が第二十七条第一項の申請に係るものであるときはその申請者に通知しなければならない。
4 第一項の規定による通知に係る指定施業要件のうち立木の伐採の限度に関する部分は、当該保安林の指定に係る森林又は当該森林を含む保安林の集団を単位として定めるものとする。
5 第一項の規定による通知に係る指定施業要件は、当該保安林の指定に伴いこの章の規定により当該森林について生ずべき制限が当該保安林の指定の目的を達成するため必要最小限度のものとなることを旨とし、政令で定める基準に準拠して定めるものとする。
6 前各項の規定は、都道府県知事による保安林の指定又は解除について準用する。この場合において、第一項中「告示するとともに関係都道府県知事に通知しなければならない」とあるのは「告示しなければならない」と、第三項中「通知を受けた」とあるのは「告示をした」と、第四項及び前項中「通知」とあるのは「告示」と読み替えるものとする。
 (指定施業要件の変更)
第三十三条の二 農林水産大臣又は都道府県知事は、保安林について、当該保安林に係る指定施業要件を変更しなければその保安林の指定の目的を達成することができないと認められるに至つたとき、又は当該保安林に係る指定施業要件を変更してもその保安林の指定の目的に支障を及ぼすことがないと認められるに至つたときは、当該指定施業要件を変更することができる。
2 保安林について、その指定施業要件の変更に利害関係を有する地方公共団体の長又はその変更に直接の利害関係を有する者は、農林水産省令で定める手続に従い、当該指定施業要件を変更すべき旨を書面により農林水産大臣又は都道府県知事に申請することができる。
第三十三条の三 保安林の指定施業要件の変更については、第二十九条から第三十条の二まで、第三十二条第一項から第四項まで及び第三十三条の規定(保安林の指定に関する部分に限る。)を、保安林の指定施業要件の変更の申請については、第二十七条第二項及び第三項並びに第二十八条の規定を準用する。この場合において、第二十九条及び第三十条の二第一項中「その保安林予定森林の所在場所、当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る」とあるのは「その保安林の所在場所、保安林として指定された目的及び当該変更に係る」と、第三十条(第三十条の二第一項において準用する場合を含む。)及び第三十二条第一項中「第二十七条第一項」とあるのは「第三十三条の二第二項」と、第三十三条第一項(同条第六項において準用する場合を含む。)中「当該指定の目的及び当該保安林に係る」とあるのは「保安林として指定された目的及び当該変更に係る」と、同条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)中「第二十七条第一項」とあるのは「第三十三条の二第二項」と読み替えるものとする。
 (保安林における制限)
第三十四条 保安林においては、政令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければ、立木を伐採してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分により伐採の義務のある者がその履行として伐採する場合
一の二 次条第一項に規定する間伐のための立木の伐採をする場合
二 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けて伐採する場合
三 第百八十八条第二項の規定に基づいて伐採する場合
四 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
五 除伐する場合
六 その他農林水産省令で定める場合
2 保安林においては、都道府県知事の許可を受けなければ、立竹を伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 法令又はこれに基づく処分によりこれらの行為をする義務のある者がその履行としてする場合
二 森林所有者等が第四十九条第一項の許可を受けてする場合
三 第百八十八条第二項の規定に基づいてする場合
四 火災、風水害その他の非常災害に際し緊急の用に供する必要がある場合
五 軽易な行為であつて農林水産省令で定めるものをする場合
六 その他農林水産省令で定める場合
3 都道府県知事は、第一項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る伐採の方法が当該保安林に係る指定施業要件に適合するものであり、かつ、その申請(当該保安林に係る指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団の立木について当該申請が二以上あるときは、これらの申請のすべて)につき同項の許可をするとしてもこれにより当該指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団に係る立木の伐採が当該指定施業要件に定める伐採の限度を超えることとならないと認められるときは、これを許可しなければならない。
4 都道府県知事は、第一項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る伐採の方法が当該保安林に係る指定施業要件に適合するものであり、かつ、その申請(当該保安林に係る指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団の立木について当該申請が二以上あるときは、これらの申請のすべて)につき同項の許可をするとすればこれにより当該指定施業要件を定めるについて同一の単位とされている保安林又はその集団に係る立木の伐採が当該指定施業要件に定める伐採の限度を超えることとなるが、その一部について同項の許可をするとすれば当該伐採の限度を超えることとならないと認められるときは、政令で定める基準に従い、当該伐採の限度まで、その申請に係る伐採の面積又は数量を縮減して、これを許可しなければならない。
5 都道府県知事は、第二項の許可の申請があつた場合には、その申請に係る行為がその保安林の指定の目的の達成に支障を及ぼすと認められる場合を除き、これを許可しなければならない。
6 第一項又は第二項の許可には、条件を付することができる。
7 前項の条件は、当該保安林の指定の目的を達成するために必要最小限度のものに限り、かつ、その許可を受けた者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
8 第一項の許可を受けた者は、当該許可に係る立木を伐採したときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を、都道府県知事に届け出るとともに、その者が当該森林に係る森林所有者でないときは、当該森林所有者に通知しなければならない。
9 第一項第四号及び第二項第四号に掲げる場合に該当して当該行為をした者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事に届出書を提出しなければならない。
10 都道府県知事は、第八項又は前項の規定により立木を伐採した旨の届出があつた場合(同項の規定による届出にあつては、第一項第四号に係るものに限る。)には、農林水産省令で定めるところにより、当該立木の所在地の属する市町村の長にその旨を通知しなければならない。ただし、当該伐採が、第十一条第四項の認定に係る森林施業計画(その変更につき第十二条第三項において準用する第十一条第四項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの)の対象とする森林に係るものである場合は、この限りでない。
 (保安林における間伐の届出等)
第三十四条の二 保安林においては、当該保安林に係る指定施業要件に定める立木の伐採の方法に適合し、かつ、当該指定施業要件に定める伐採の限度を超えない範囲内において間伐のため立木を伐採しようとする者は、前条第一項第一号、第二号から第四号まで及び第六号に掲げる場合を除き、農林水産省令で定める手続に従い、あらかじめ、都道府県知事に森林の所在場所、間伐立木材積、間伐方法その他農林水産省令で定める事項を記載した間伐の届出書を提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により提出された届出書に記載された間伐立木材積又は間伐方法に関する計画が当該保安林に係る指定施業要件に適合しないと認めるときは、当該届出書を提出した者に対し、その間伐の計画を変更すべき旨を命じなければならない。
3 前項の命令があつたときは、その命令があつた後に行われる間伐のための立木の伐採については、同項の届出書の提出はなかつたものとみなす。
4 都道府県知事は、第一項の規定により間伐の届出書が提出された場合(前項の規定により届出書の提出がなかつたものとみなされる場合を除く。)には、農林水産省令で定めるところにより、当該間伐に係る立木の所在地の属する市町村の長にその旨を通知しなければならない。ただし、当該間伐が、第十一条第四項の認定に係る森林施業計画(その変更につき第十二条第三項において準用する第十一条第四項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの)の対象とする森林に係るものである場合は、この限りでない。
 (保安林における植栽の義務)
第三十四条の三 森林所有者等が保安林の立木を伐採した場合には、当該保安林に係る森林所有者は、当該保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の方法、期間及び樹種に関する定めに従い、当該伐採跡地について植栽をしなければならない。ただし、当該伐採をした森林所有者等が当該保安林に係る森林所有者でない場合において当該伐採があつたことを知らないことについて正当な理由があると認められるとき、当該伐採跡地について第三十八条第一項の規定による造林に必要な行為をすべき旨の命令があつた場合(当該命令を受けた者が当該伐採跡地に係る森林所有者以外の者であり、その者が行う当該命令の実施行為を当該森林所有者が拒んだ場合を除く。)その他農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
 (損失の補償)
第三十五条 国又は都道府県は、政令で定めるところにより、保安林として指定された森林の森林所有者その他権原に基づきその森林の立木竹又は土地の使用又は収益をする者に対し、保安林の指定によりその者が通常受けるべき損失を補償しなければならない。
 (受益者の負担)
第三十六条 国又は都道府県は、保安林の指定によつて利益を受ける地方公共団体その他の者に、その受ける利益の限度において、前条の規定により補償すべき金額の全部又は一部を負担させることができる。
2 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の場合には、補償金額の全部又は一部を負担する者に対し、その負担すべき金額並びにその納付の期日及び場所を書面により通知しなければならない。
3 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の通知を受けた者が納付の期日を過ぎても同項の金額を完納しないときは、督促状により、期限を指定してこれを督促しなければならない。
4 前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までにその負担すべき金額を納付しないときは、農林水産大臣は国税滞納処分の例によつて、都道府県知事は地方税の滞納処分の例によつて、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
 (担保権)
第三十七条 保安林の立木竹又は土地について先取特権、質権又は抵当権を有する者は、第三十五条の規定による補償金に対してもその権利を行うことができる。但し、その払渡前に差押をしなければならない。
 (監督処分)
第三十八条 都道府県知事は、第三十四条第一項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第六項の条件に違反して立木を伐採した者又は偽りその他不正な手段により同条第一項の許可を受けた立木を伐採した者に対し、伐採の中止を命じ、又は当該伐採跡地につき、期間、方法及び樹種を定めて造林に必要な行為を命ずることができる。
2 都道府県知事は、第三十四条第二項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第六項の条件に違反して同条第二項の行為をした者又は偽りその他不正な手段により同項の許可を受けて同項の行為をした者に対し、その行為の中止を命じ、又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる。
3 都道府県知事は、森林所有者が第三十四条の三の規定に違反して、保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の期間内に、植栽をせず、又は当該指定施業要件として定められている植栽の方法若しくは樹種に関する定めに従つて植栽をしない場合には、当該森林所有者に対し、期間を定めて、当該保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の方法と同一の方法により、当該指定施業要件として定められている樹種と同一の樹種のものを植栽すべき旨を命ずることができる。
 (標識の設置)
第三十九条 都道府県知事は、民有林について保安林の指定があつたときは、その保安林の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。この場合において、保安林の森林所有者は、その設置を拒み、又は妨げてはならない。
2 農林水産大臣は、国有林について保安林の指定をしたときは、その保安林の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
3 前二項の標識の様式は、農林水産省令で定める。
 (保安林台帳)
第三十九条の二 都道府県知事は、保安林台帳を調製し、これを保管しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の保安林台帳の閲覧を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
3 保安林台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
 (保安林の適正な管理)
第三十九条の三 農林水産大臣及び都道府県知事は、保安林制度の負う使命にかんがみ、保安林に関しこの法律及びこれに基づく政令の規定によりその権限に属させられた事務を適正に遂行するほか、保安林に係る制限の遵守及び義務の履行につき有効な指導及び援助を行ない、その他保安林の保全のため必要な措置を講じて、保安林が常にその指定の目的に即して機能することを確保するように努めなければならない。
第四十条 削除
    第二節 保安施設地区
 (指定)
第四十一条 農林水産大臣は、第二十五条第一項第一号から第七号までに掲げる目的を達成するため、国が森林の造成事業又は森林の造成若しくは維持に必要な事業を行う必要があると認めるときは、その事業を行うのに必要な限度において森林又は原野その他の土地を保安施設地区として指定することができる。
2 農林水産大臣は、民有林又は国の所有に属さない原野その他の土地について、第二十五条第一項第四号から第七号までに掲げる目的を達成するため前項の指定をしようとするときは、都道府県知事の意見を聴かなければならない。
3 農林水産大臣は、第一項の事業(以下「保安施設事業」という。)を都道府県が行う必要があると認めて都道府県知事から申請があつた場合において、その申請を相当と認めるときは、その事業を行うのに必要な限度において森林又は原野その他の土地を保安施設地区として指定することができる。
4 第二十五条第一項但書及び第二項の規定は、第一項又は前項の指定をしようとする場合に準用する。この場合において、第二十五条第二項中「森林を保安林として」とあるのは、「森林又は原野その他の土地を保安施設地区として」と読み替えるものとする。
 (指定の有効期間)
第四十二条 前条の保安施設地区の指定の有効期間は、七年以内において農林水産大臣が定める期間とする。但し、農林水産大臣は、必要があると認めるときは、三年を限りその有効期間を延長することができる。
 (解除)
第四十三条 農林水産大臣は、国又は都道府県が保安施設事業を廃止したときは、遅滞なく保安施設地区の指定を解除しなければならない。
2 保安施設地区の指定後一年を経過した時に国又は都道府県がなお保安施設事業に着手していないときは、その時に、指定はその効力を失う。
 (保安林に関する規定の準用)
第四十四条 保安施設地区の指定については、第二十九条、第三十条、第三十一条、第三十二条第一項から第四項まで、第三十三条第一項から第五項まで及び第三十九条の規定を、保安施設地区に係る指定施業要件の変更については、第二十九条、第三十条、第三十二条第一項から第四項まで及び第三十三条第一項から第五項までの規定(農林水産大臣による保安林の指定に関する部分に限る。)並びに第三十三条の二第一項の規定(農林水産大臣による保安林の指定施業要件の変更に関する部分に限る。)を、保安施設地区に係る指定施業要件の変更の申請については、第二十七条第二項及び第三項、第二十八条並びに第三十三条の二第二項の規定(農林水産大臣に対する申請に関する部分に限る。)を、保安施設地区の指定の解除については、第三十三条第一項から第三項までの規定を、保安施設地区における制限については、第三十四条及び第三十四条の二の規定を準用する。ただし、保安施設地区の指定に係る森林が保安林である場合には第三十一条、第三十四条及び第三十四条の二の規定、災害を復旧するため緊急に保安施設事業を行う必要がある場合には第三十二条第四項の規定は、準用しない。
 (受忍義務)
第四十五条 保安施設地区の土地の所有者その他その土地に関し権利を有する者(以下この節において「関係人」という。)は、国又は都道府県が、その保安施設地区において、その指定の有効期間内に行う造林、森林土木事業その他の保安施設事業の実施行為並びにその期間内及びその期間満了後十年以内に行う保安施設事業に係る施設の維持管理行為を拒んではならない。
2 国又は都道府県は、その行つた前項の行為により損失を受けた関係人に対し、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 (費用区分)
第四十六条 国は、その行う保安施設事業により利益を受ける都道府県にその事業に要した費用の三分の一以内を負担させることができる。
2 国は、都道府県が行う保安施設事業に対し、その要した費用の三分の二以内を補助することができる。
 (保安施設地区台帳)
第四十六条の二 都道府県知事は、保安施設地区台帳を調製し、これを保管しなければならない。
2 保安施設地区台帳については、第三十九条の二第二項及び第三項の規定を準用する。
 (保安林への転換)
第四十七条 保安施設地区であつて第四十二条の規定による指定の有効期間の満了の時に森林であるものは、既に保安林となつているものを除き、その時に、第二十五条又は第二十五条の二の規定により保安林として指定され、これについて第三十三条の規定による告示及び通知があり、当該保安施設地区に係る指定施業要件が引き続き当該保安林の指定施業要件となつたものとみなす。
 (適用除外)
第四十八条 国又は都道府県が保安施設地区において行う第四十五条第一項の行為については、第四十四条において準用する第三十四条及び第三十四条の二の規定(その保安施設地区の指定に係る森林が保安林である場合には第三十四条及び第三十四条の二の規定)は、適用しない。
   第四章 土地の使用
 (立入調査等)
第四十九条 森林所有者等は、森林施業に関する測量又は実地調査のため必要があるときは、市町村の長の許可を受けて、他人の土地に立ち入り、又は測量若しくは実地調査の支障となる立木竹を伐採することができる。
2 市町村の長は、前項の許可の申請があつたときは、土地の占有者及び立木竹の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 第一項の許可を受けた者は、他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採する場合には、あらかじめその土地の占有者又は立木竹の所有者に通知しなければならない。
4 第一項の規定により他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採しようとする者は、同項の許可を受けたことを証する書面を携帯し、その土地の占有者又は立木竹の所有者にこれを呈示しなければならない。
5 第一項の規定により他人の土地に立ち入り、又は立木竹を伐採した者は、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
6 森林所有者等は、森林に重大な損害を与えるおそれのある害虫、獣類、菌類又はウイルスが森林に発生し、又は発生するおそれがある場合において、その駆除又は予防のため必要があるときは、市町村の長の許可を受けて他人の土地に立ち入ることができる。この場合には、第二項から前項までの規定を準用する。
 (使用権設定に関する認可)
第五十条 森林から木材、竹材若しくは薪炭を搬出し、又は林道、木材集積場その他森林施業に必要な設備をする者は、その搬出又は設備のため他人の土地を使用することが必要且つ適当であつて他の土地をもつて代えることが著しく困難であるときは、その土地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その土地の所有者(所有者以外に権原に基きその土地を使用する者がある場合には、その者及び所有者)に対し、これを使用する権利(以下「使用権」という。)の設定に関する協議を求めることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による認可の申請があつたときは、その土地の所有者及びその土地に関し所有権以外の権利を有する者(以下「関係人」という。)の意見を聞かなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、その旨をその土地の所有者及び関係人に通知するとともにその土地の所在する市町村の事務所に掲示しなければならない。
4 第一項の認可を受けた者は、同項の搬出又は設備に関する測量又は実地調査のため必要があるときは、他人の土地に立ち入り、又は測量若しくは実地調査の支障となる立木竹を伐採することができる。この場合には、前条第三項から第五項までの規定を準用する。
 (裁定の申請)
第五十一条 前条第一項の規定による協議がととのわず、又は協議をすることができないときは、同項の認可を受けた者は、農林水産省令で定める手続に従い、その使用権の設定に関し都道府県知事の裁定を申請することができる。但し、同項の認可があつた日から六箇月を経過したときは、この限りでない。
 (意見書の提出)
第五十二条 都道府県知事は、前条の申請があつたときは、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を公示するとともにその申請に係る土地の所有者及び関係人に通知し、二十日を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
2 都道府県知事は、前項の期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。
 (裁定)
第五十三条 使用権を設定すべき旨の裁定においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
一 使用権を設定すべき土地の所在、地番、地目及び面積
二 設定すべき使用権の内容及び存続期間
三 使用の時期
四 補償金の額並びにその支払の時期及び方法
2 都道府県知事は、前項第一号及び第二号に掲げる事項については、申請の範囲内で、且つ、第五十条第一項の搬出又は設備のため必要な限度で、前項第四号に掲げる事項については、あらかじめ収用委員会の意見を聞き、これに基いて裁定をしなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の裁定をしたときは、遅滞なく、農林水産省令で定める手続に従い、その旨をその裁定の申請者及び前条第一項の通知を受けた者に通知するとともにこれを公示しなければならない。
 (使用権の取得)
第五十四条 前条第一項の裁定があつたときは、その裁定において定められた使用の時期に、裁定を申請した者は、その土地の使用権を取得し、その土地に関するその他の権利は、その使用権の内容と抵触する限度においてその行使を制限される。
 (収用の請求)
第五十五条 使用権が設定された場合において、その土地の使用が三年以上にわたるとき、又はその使用権の行使によつて土地の形質が変更されるときは、土地の所有者は、その土地につき使用権を有する者に対し、その土地の収用に関する協議を求めることができる。この場合において、土地の一部が収用されることによつて残地を従来用いていた目的に供することが著しく困難となるときは、その土地の所有者は、その全部の収用に関する協議を求めることができる。
2 前項の場合には、第五十一条本文及び第五十二条の規定を準用する。この場合において、第五十一条中「同項の認可を受けた者」とあるのは、「第五十五条第一項の協議を求めた者」と読み替えるものとする。
3 前項において準用する第五十一条の裁定においては、その収用の可否を定め、収用すべき旨の裁定においては更に左に掲げる事項を定めなければならない。
一 収用すべき土地の所在、地番、地目及び面積
二 収用の時期
三 補償金の額並びにその支払の時期及び方法
4 前項の裁定については、第五十三条第二項及び第三項の規定を準用する。
 (収用の効果)
第五十六条 前条第三項の収用すべき旨の裁定があつたときは、その裁定において定められた収用の時期に、収用する者は、その土地の所有権を取得し、その他の権利は、消滅する。
 (協議がととのつた場合)
第五十七条 第五十条第一項又は第五十五条第一項の規定による協議がととのつた場合において、その当事者が、農林水産省令で定めるところにより、それぞれその協議において定められた第五十三条第一項各号の事項又は第五十五条第三項各号の事項を都道府県知事に届け出たときは、その届け出たところに従い、使用権を設定すべき旨の裁定又は収用すべき旨の裁定があつたものとみなす。但し、第五十条第一項の規定による協議については、同項の認可があつた日から六箇月以内に届け出た場合に限る。
 (損失補償)
第五十八条 土地の使用又は収用によつてその土地の所有者及び関係人が受ける損失は、土地を使用し、又は収用する者が補償しなければならない。
2 土地の一部を使用し、又は収用することによつて、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければならない。
3 土地の一部を使用し、又は収用することによつて、残地に通路、みぞ、かきその他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用を補償しなければならない。
4 前二項に規定する補償の外、土地を使用し、又は収用することによつてその土地の所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない。
5 土地の所有者又は関係人が、第五十条第三項の規定による都道府県知事の通知があつた後に土地の形質を変更し、工作物の新築、改築、増築若しくは大修繕をし、又は物件を附加増置したときは、これについての損失は、補償しなくてもよい。但し、あらかじめ都道府県知事の承認を受けてこれらの行為をしたときは、この限りでない。
 (使用の廃止による損失の補償)
第五十九条 第五十条第三項の規定による都道府県知事の通知があつた後にその土地を同条第一項の目的のため使用することを廃止した者は、これによつてその土地の所有者又は関係人が損失を受けたときは、これを補償しなければならない。
2 土地の所有者又は関係人は、前項の規定による損失の補償について土地の使用を廃止した者と協議がととのわず、又は協議することができないときは、都道府県知事に裁定の申請をすることができる。この場合には、第五十二条並びに第五十三条第一項第四号、第二項及び第三項の規定を準用する。
3 前項において準用する第五十三条第三項の公示があつたときは、裁定の定めるところにより当事者間に協議がととのつたものとみなす。
 (訴訟)
第六十条 この章の規定による都道府県知事の裁定において定められた損失の補償に関する事項について不服がある者は、裁定の通知を受けた日から六十日以内に、訴を提起することができる。この場合には、第五十条第一項の認可を受けた者、土地の所有者又は関係人を被告としなければならない。
 (供託)
第六十一条 土地を使用し、又は収用する者は、左の各号の一に該当する場合には、補償金を供託することができる。
一 補償金を受ける者がその受領を拒んだとき。
二 土地を使用し、又は収用する者が過失がなく補償金を受ける者を確知することができないとき。
三 土地を使用し、又は収用する者が補償金払渡の差押又は仮差押を受けたとき。
 (協議又は裁定の失効)
第六十二条 土地を使用し、又は収用する者が補償金の支払の時期までにその支払(供託を含む。)をしないときは、その協議又は裁定は、その時以後その効力を失う。但し、土地の所有者及び関係人が損害賠償の請求をすることを妨げない。
 (原状回復の義務)
第六十三条 使用者は、土地の使用を終つたとき、又は前条の規定により協議若しくは裁定が失効したときは、土地を原状に回復し、又は原状に回復しないことによつて生ずる損失を補償して、これを返還しなければならない。
 (土地収用法の準用)
第六十四条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第百三条(危険負担)、第百四条(担保物権と補償金等又は替地)、第百六条第一項、第三項及び第四項(買受権)並びに第百七条(買受権の消滅)の規定は、この章の規定による使用又は収用に係る土地に準用する。この場合において、同法第百六条第一項中「第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示の日から二十年以内」とあるのは「収用の時期から十五年以内」と、「事業の認定の告示の日から十年」とあるのは「収用の時期から五年」と、「権利取得裁決において定められた権利取得の時期」とあるのは「収用の時期」と、「事業の認定の告示の日から二十年の」とあるのは「収用の時期から十五年の」と、「第七十六条第一項」とあるのは「森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第五十五条第一項後段」と、同条第三項中「権利取得裁決において定められた権利収得の時期」とあるのは「収用の時期」と読み替えるものとする。
 (水の使用権の使用)
第六十五条 この章の土地の使用及び収用に関する規定は、水の使用に関する権利の上に使用権を設定する場合に準用する。
 (水流における工作物の使用等)
第六十六条 森林から水流によつて木材若しくは竹材を搬出し、又は搬出する設備をする者は、その搬出又は搬出設備のため水流における他人の工作物を使用し、移動し、改造し、又は除却することが必要且つ適当であつて他の方法をもつて代えることが著しく困難であるときは、この工作物の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その工作物の所有者(所有者以外に権原に基きその工作物を使用する者があるときは、その者及び所有者)に対し、その工作物の使用、移動、改造又は除却に関する協議を求めることができる。この場合には、土地の使用及び収用に関するこの章の規定を準用する。
 (流送木竹のための立入)
第六十七条 森林から水流によつて木材又は竹材を搬出する者は、水流に木材又は竹材を流すため必要があるときは、沿岸の土地に立ち入ることができる。この場合には、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
   第五章 都道府県森林審議会
 (設置及び所掌事務)
第六十八条 都道府県に都道府県森林審議会を置く。
2 都道府県森林審議会は、この法律又は他の法令の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この法律の施行に関する重要事項について都道府県知事の諮問に応じて答申する。
3 都道府県森林審議会は、前項に規定する事項について、関係行政庁に建議することができる。
第六十九条 削除
 (組織)
第七十条 都道府県森林審議会は、委員十五人以内で組織する。
2 委員は、第六十八条第二項に規定する事項に関し学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。
3 委員の任期は、二年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、非常勤とする。
 (会長)
第七十一条 都道府県森林審議会の会長は、前条第一項の委員が互選した者をもつて充てる。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは、第一項の委員が互選した者がその職務を代行する。
第七十二条 削除
 (政令への委任)
第七十三条 この法律に定めるもののほか、都道府県森林審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
   第六章 削除
第七十四条から第百八十六条まで 削除
   第七章 雑則
 (林業専門技術員及び林業改良指導員)
第百八十七条 都道府県に林業専門技術員及び林業改良指導員を置き、その都道府県の吏員をもつて充てる。
2 林業専門技術員は、試験研究機関と密接な連絡を保ち、専門の事項について、調査研究を行い、及び林業改良指導員を指導する。
3 林業改良指導員は、左に掲げる事務を行う。
一 森林所有者その他林業を行う者又は林業に従事する者に接して林業に関する技術及び知識を普及すること。
二 森林の施業に関する指導を行なうこと。
4 農林水産大臣が農林水産省令で定めるところにより行う林業専門技術員資格試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者でなければ、林業専門技術員に任用されることができない。
5 都道府県知事が条例で定めるところにより行う林業改良指導員資格試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者でなければ、林業改良指導員に任用されることができない。
 (立入調査等)
第百八十八条 農林水産大臣、都道府県知事又は市町村の長は、この法律の施行のため必要があるときは、森林所有者等からその施業の状況に関する報告を徴することができる。
2 農林水産大臣、都道府県知事又は市町村の長は、この法律の施行のため必要があるときは、当該職員に、他人の森林に立ち入つて、測量若しくは実地調査をさせ、標識を建設させ、又は測量、実地調査若しくは標識建設の支障となる立木竹を伐採させることができる。
3 前項の規定により他人の森林に立ち入つて測量、実地調査、標識建設又は立木竹の伐採をする当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者にこれを呈示しなければならない。
4 第二項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 国、都道府県又は市町村は、第二項の規定による当該職員の処分によつて損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
 (掲示)
第百八十九条 農林水産大臣、都道府県知事又は市町村の長は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による通知又は命令をする場合において、相手方が知れないとき、又はその所在が不分明なときは、その通知又は命令に係る森林、土地又は工作物等の所在地の属する市町村の事務所の掲示場にその通知又は命令の内容を掲示するとともに、その要旨及び掲示した旨を官報又は都道府県若しくは市町村の公報に掲載しなければならない。この場合においては、その掲示を始めた日又は官報若しくは都道府県若しくは市町村の公報に掲載した日のいずれか遅い日から十四日を経過した日に、その通知又は命令は、相手方に到達したものとみなす。
 (不服申立て)
第百九十条 第十条の二、第二十五条から第二十六条の二まで、第二十七条第三項ただし書(第三十三条の三及び第四十四条において準用する場合を含む。)、第三十三条の二(第四十四条において準用する場合を含む。)、第三十四条(第四十四条において準用する場合を含む。)、第四十一条若しくは第四十三条第一項の規定による処分又は第二十八条(第三十三条の三及び第四十四条において準用する場合を含む。)に規定する処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に対して裁定の申請をすることができる。この場合においては、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
2 行政不服審査法第十八条の規定は、前項の処分につき、処分庁が誤つて審査請求又は異議申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。
3 第四章の規定による都道府県知事の裁定についての異議申立てにおいては、損失の補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
 (農林水産大臣等の援助)
第百九十一条 農林水産大臣及び都道府県知事は、全国森林計画及び地域森林計画の達成並びに市町村森林整備計画及び森林施業計画の作成及びこれらの達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあつせんその他の援助を行うように努めるものとする。
2 市町村は、市町村森林整備計画の達成並びに森林施業計画の作成及びその達成のために必要な助言、指導その他の援助を行うように努めるものとする。
 (都道府県の費用負担)
第百九十二条 次に掲げる費用は、都道府県の負担とする。
一 地域森林計画の作成に要する費用
二 保安林に関し都道府県知事が行う事務に要する費用
三 第三十五条の規定により都道府県が行う損失の補償に要する費用
 (国庫の補助)
第百九十三条 国は、都道府県に対し、毎年度予算の範囲内において、政令で定めるところにより、造林及び地域森林計画に定める林道の開設又は拡張につき、都道府県が自ら行う場合にあつてはその要する費用の一部を、市町村その他政令で定める者が行う場合にあつてはその者に対し都道府県が補助する費用の一部を補助する。
第百九十四条 国は、林業に関する試験研究をする者に対し、毎年度予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その試験研究に要する費用の一部を補助する。
第百九十五条 国は、都道府県に対し、次に掲げる事業(次項において「林業普及指導事業」という。)について、交付金を交付する。
一 林業専門技術員及び林業改良指導員を置くこと。
二 林業専門技術員又は林業改良指導員が第百八十七条第二項又は第三項に規定する事務を行うこと。
2 農林水産大臣は、前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の林業人口、民有林面積及び市町村数を基礎とし、各都道府県において林業普及指導事業を緊急に行うことの必要性等を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。
第百九十六条 国は、都道府県に対し、政令で定めるところにより、第百九十二条の規定により都道府県が負担する費用の二分の一を補助する。
 (事務の区分)
第百九十六条の二 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務のうち、次に掲げるものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
一 第二十五条の二、第二十六条の二、第二十七条第一項、第三十三条の二及び第三十九条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務(第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するための指定に係る保安林に関するものに限る。)
二 第二十七条第二項及び第三項(申請書に意見書を付する事務に関する部分を除く。)、第三十条並びに第三十三条第三項(これらの規定を第三十三条の三において準用する場合を含む。)の規定により都道府県が処理することとされている事務
三 第三十条の二第一項、同条第二項において準用する第三十条後段、第三十二条第二項及び第三項並びに第三十三条第六項において準用する同条第一項及び第三項(これらの規定を第三十三条の三において準用する場合を含む。)の規定により都道府県が処理することとされている事務(第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するための指定に係る保安林に関するものに限る。)
四 第三十一条、第三十二条第一項(第三十三条の三において準用する場合を含む。)、第三十四条、第三十四条の二、第三十八条及び第三十九条の二第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務(民有林にあつては、第二十五条第一項第一号から第三号までに掲げる目的を達成するための指定に係る保安林に関するものに限る。)
五 第四十四条において準用する第二十七条第二項及び第三項(申請書に意見書を付する事務に関する部分を除く。)、第三十条、第三十一条、第三十二条第一項、第三十三条第三項、第三十四条、第三十四条の二並びに第三十九条第一項の規定並びに第四十六条の二第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務
    第八章 罰則
第百九十七条 森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第百九十八条 森林窃盗が保安林の区域内において犯したものであるときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第百九十九条 森林窃盗の贓物を原料として木材、木炭その他の物品を製造した場合には、その物品は、森林窃盗の贓物とみなす。
第二百条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第百九十六条(占有者の費用償還請求権)の規定は、森林窃盗の贓物の回復には適用しない。ただし、善意の取得者についてはこの限りでない。
第二百一条 森林窃盗の贓物を収受した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 森林窃盗の贓物の運搬、寄蔵、故買又は牙保をした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二百二条 他人の森林に放火した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 自己の森林に放火した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
3 前項の場合において、他人の森林に延焼したときは、六月以上十年以下の懲役に処する。
4 前二項の場合において、その森林が保安林であるときは、一年以上の有期懲役に処する。
第二百三条 火を失して他人の森林を焼燬した者は、五十万円以下の罰金に処する。
2 火を失して自己の森林を焼燬し、これによつて公共の危険を生じさせた者も前項と同様とする。
第二百四条 第百九十七条、第百九十八条及び第二百二条の未遂罪は、これを罰する。
第二百五条 第二十一条第一項又は第二十二条の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。この場合において、その火入れをした森林が保安林であるときは、三十万円以下の罰金に処する。
2 第二十一条第一項又は第二十二条の規定に違反し、これによつて他人の森林を焼燬した者は、三十万円以下の罰金に処する。この場合において、その森林が保安林であるときは、五十万円以下の罰金に処する。
第二百六条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十条の二第一項の規定に違反し、開発行為をした者
二 第十条の三の規定による命令に違反した者
三 第三十四条第一項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反し、保安林又は保安施設地区の区域内の森林の立木を伐採した者
四 第三十四条第二項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反し、立竹を伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をした者
五 第三十八条の規定による命令に違反した者
第二百七条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十条の八第一項の規定に違反し、届出書の提出をしないで立木を伐採した者
二 第十条の九第三項の規定による命令に違反した者
三 第三十一条(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定による禁止命令に違反し、立木竹の伐採又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をした者
四 第三十四条の二第一項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反し、届出書の提出をしないで間伐のため立木を伐採した者
第二百八条 第三十九条第一項又は第二項(これらの規定を第四十四条において準用する場合を含む。)の規定により設置した標識を移動し、汚損し、又は破壊した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二百九条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第十条の八第二項又は第三十四条第九項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出書の提出をしない者
二 第三十四条第八項(第四十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、都道府県知事に届け出ない者
第二百十条及び第二百十一条 削除
第二百十二条 第百九十七条若しくは第百九十八条の罪(これらの未遂罪を含む。)又は第二百一条の罪を犯した者には、情状により懲役刑及び罰金刑を併科することができる。
第二百十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百五条から第二百九条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。