東京農工大学漬習林が森林認証FSCを取得したことの3つの意義
木平勇吉(日本大学生物資源科学部)
2001年11月16日

森林認証の目的と結果ー商売抜きの認証はもとが取れるか

森林環境の保全、蒜林資源の維持を目的として森林認証を取得する場合は、森林環境志向型FSCと呼ぺる。その結果として、林業収入の向上も期待できる。一方、木材ラペリングよる林業収益という市場価値を目的として、森林認証を取得する場合を林業収益志向型FSCと呼べる。その結果として、環境と資源の維持が図られよう。東京農工大学は前者のタイプである、後者のタイプはその動機が分かりやすいが、それに固執すると森林認証の意義が矮小化される。前者と後者のタイプがバランスよく発展してほしい。

演習林の役割は何かー絶滅危倶の演習林は再生できるか_

長い歴史をもつ演習林の役割は何かが問われている。大学改革の流れの中で、その存在意義は次の3点にある。@森林科学、プィールドサイェンスの実験・実習のための教育機会、場所、材料の提供。A地域環境、地域資源として、技術・知識のリーダーとして地域社会への貢献、Bフィールドサイエンスの研究拠点となり、複合的プロジェクト・異分野交流のプロモーター。そのために・演習林には次の要件が具体的に明確に求められる。目的意識、公開性と客観性、解説と展示、利用の便利さ、信頼性と親密さ、積極性と協調、森林認証は、演習林の役割と社会に示し、社会に応える機会である。

森林管理への情熱と挑戦ー管理者、教職員の意識改革はなるか_

法律を守ること、環境を守ること、地域杜会に貢猷することなどをFSCは求める。管理を担当する教職員はこれらの要求に、具休的に、明快に、文書で、口頭で説明して、日常の仕事で実践することになる。それは容易ではない、意識改革であり演習林の仕事への情熱である。FSCは森林管理への新しい挑戦の機会である。