速水林業の環境方針
速水林業は基本計画に基づいて森林経営を行うことにより豊かな森林環境を維持し、人類の生存の為に地球環境に貢献することと共に、地域社会の安定に尽くすことを目標とする。
1.当林業は、適応される法律上の要求事項及びFSCの原則を遵守する。
2.当林業は、効率的な事業を実行する。
3.当林業は、生産される木材の効率的な販売を実行する。
4.当林業は、地域社会に対する影響を考慮しながら経営を行う。
5.当林業は、環境負荷の少ない森林施業を実行する。
6.当林業は、地域住民に当環境方針を公開し、これ対する意見を常に検討する。
7.当林業は、利害関係者との協議が出来る体制を維持する。
8.当林業は、当組織において可能な限り、管理する林地において行われる他の事業体の事業に環境負荷を少なくさせる事を要求、奨励する。
9.当林業は、従業員の安全確保と健康管理、並びに雇用の維持に努力する。
10.当林業は、当方針を従業員全員に教育を行い、作業の習熟のための教育も同時に実行する。
11.当林業は、持ちうる森林管理技術を公開することによって他の林業事業体あるいは地域の森林所有者に環境的配慮の知識を普及することに努める。
12.当林業は、当方針が効果を上げるように監視し、継続的に促進する。
13.日本に於いての継承税制は当林業規模の森林所有者に対しては、高率の税が課されるため、その状況が発生した場合は臨時的に伐採量が急激に増大することはさけられない。そのため長期的に見た保続性に重きを置いて考える。
速水林業代表
速水 勉
速水 亨
環境方針の具体例
速水林業は事業の環境管理の具体例を下記に挙げ、実行していく。
1.生物多様性の確保
@当林業はヒノキ、スギの人工造林を基本として事業を継続していくことからこれらの林分の中層には広葉樹、下層には適切な下層植生を維持、育成することによって生物多様性を確保していく。
A人工林は動物の食害防止に努め、野生生物との共存の可能性を高める。
B林地内を流れる渓流の水質汚染を防ぐための適切な対応を行い、水生生物の多様性を確保する。
C化学薬品を使用する場合は、生物の遺伝子に影響を与えると証明されている物質は使用せず、また可能な限り周辺環境に影響の少ない薬剤を利用していく。
D広葉樹林は環境的配慮を行いながら取り扱う。
E林地に地域の原自然条件を再生した部分を配置する努力をする。
2.土地利用の効率化
@土地にあった造林品種を選択的に利用し、また施業も適切に考慮する。
A経済的に適切でない林種転換を行わない。
B林内路網の整備を図ることで林地の経済性を高めていく。
C速水林業の林地は、現在木材生産を主として利用してきているが、将来リクレーション利用が可能かを検討をしていく。実現出来るとした場合は環境的配慮を行いながら計画することとする。
3.木材の効率的利用
@伐採された木材は経済的条件が許される範囲で最大限搬出し販売、利用する。
A搬出された木材は最も市場に適した状態で販売を行うように配慮する。
B効率的な搬出を可能にするための努力を常に行う。
C市場の要求する木材を適切に供給できるような育林を実行する。
4.土壌浸食を防ぐ
@林分の密度管理を適切に実行し、下層植生を可能な限り維持し土壌浸食を防ぐ。
A土壌浸食を可能な限り防ぐような伐採や路網開設を行う。
B既設の路網は土壌浸食を防止するための管理を行う。
5.森林の健全性の確保
@森林の健全性確保のための適切な施業を実行する。
A年間伐採量は原則として生長量以下とするが、材価等の変動により1年間の伐採量を増大させるときは5年間の生長量計以下で伐採量計を決定する。
B常に林分の状況を掌握するため適宜の巡回を実行する。
C伐採後の跡地は可能な限り早急に植林を実行する。
D森林火災の防止のため森林内の火気の使用は充分に注意をはらう。
6.化学薬剤の取り扱い
@薬剤の使用に関しては、それぞれの薬剤の取扱説明書に基づくこと。
A残った薬剤に関しては、適切な保存条件で保存する。
B特に注意すべきは、適量を超すことのないよう使用する。
C薬剤特性を十分理解し、最も少量、或いは少ない回数で効果が出るようにする。
7.森林被害の対応
@森林被害が予想され、被害を防ぐ事前対応が可能な場合は速やかに実行する。
A大量の被害が出た場合は早急に被害調査を実行し対応する計画を立案する。
B被害木は経済的に採算が合う場合はC以外は搬出し販売を実行する。
C被害木の伐採搬出作業は作業の安全確保が不可能な場合は実行しない。
D被害木を搬出しない場合は被害地あるいは周辺の環境的負荷を下げるため、或いは周辺森林の経済的価値を下げる事を防止するために当該林地の整理が必要で有れば実行する。
8.森林内の事業の事前調査(評価方法は別紙に添付する)
@森林の施業は事前に施業が環境にあたえる影響を評価しなければならない。
A森林内に施設を造る場合は事前に環境にあたえる影響を評価しなければならない。
9.速水林業関係者以外の森林利用
@地域住民をはじめとする人々の森林に対する侵入は、経営上支障のない範囲で認めるが、環境負荷が少ないような指摘を可能な限り実行していく。
A子ども達をはじめとした森林利用は、森林の環境教育の場として利用を中心に推進していく。