森林認証概論

本稿はEUが公式にサポートする森林認証に関するサイトであるCertification Information Service(CIS)に基づいて構成されています。
本稿の第一部はHistory and Development of Certification、第二部はCertification Schemes and Certification Initiatives、第三部はcountry reportを参照下さい。

作成に当たり、オリジナル情報の取り扱いに関しCISウェブサイトの編集スタッフAndreas Schuck氏、目次の作成・原文のチェックに関し中部森林管理局名古屋分局勝占君の協力を得ました。

目次

第一部 森林認証の歴史と形成

森林認証の背景
森林認証の基本的仕組み

第二部 森林認証の各種制度の国際的動向

利用に当たって
はじめに
世界的な認証システム
森林管理協議会 (FSC)
国際標準化機関 (ISO)
国際熱帯木材機関 (ITTO)
全ヨーロッパ認証機関
地域的な認証システム
African Initiatives (省略)
北米の制度
アメリカ森林製紙協会 (AFANDPA)
カナダ規格協会 (CSA)
その他の北米の制度
インドネシアエコラベル協会 - Lembaga Ekolabel Indonesia (LEI)
マレーシアの制度
スカンジナビアの制度
Fauna and Flora International - Soundwood Programme
英国の制度
太平洋地域の制度

第三部 国ごとの制度


第一部 森林認証の歴史と形成

森林認証の背景

世界の森林の減少と荒廃は近時のことではない。原因は様々なところで言及され、原因を除去しこの傾向を緩和しようとする多大な努力が傾注されてきたが、成功を収めたケースはまれであった。その結果、森林の減少傾向は、70年代に毎年11百万ヘクタールだったものが80年代には15百万ヘクタールへと拡大した。

多くの国が森林の減少に歯止めをかけるための計画を立案した。また、人材と技術が不足する国には二国間や多国間の技術援助が行われた。世銀、アジア銀行、FAO,UNDP、国連などが森林の援助計画に長年携わった。

とりわけ次の4つの取り組みが有名である。

森林の減少傾向が続いたことからも明らかなように、これらの取り組みは効果的な成果を上げることができなかった。

WWF、グリーンピース、地球の友などの環境NGOは、これらの取り組みでは森林の経営を改善することは難しいと繰り返し主張してきた。地球サミットで事態が進展しなかったために彼らの懸念は増幅されることとなった。

環境NGOは多くの政府組織と歩調をそろえ、森林の減少荒廃に対処するための国際条約などの法的枠組みを作るよう行動した。法的枠組みはできず、彼らの見方からすると地球サミットは失敗だった。基本的な合意は、「全ての種類の森林経営の保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威のある原則声明」という長い名前が付いている。

この合意は、次の世紀に向けての森林行動原則と行動計画の形式を取り、アジェンダ21は様々な分野を網羅しているが11章は森林減少への対処に関するものであり、次の4つの行動分野を記述している。

これらの四つの計画分野は持続可能な森林経営の行動計画のそのものである。国連にアジェンダ21と森林原則の実行をモニタリングするために持続可能開発委員会(CSD)が設置され、森林に関し政府間パネル(IPF)、政府間フォーラム(IFF)が設置された。

(訳注:その後「国連森林フォーラム」という形でフォローアップすることとなって現在に至っている)

地球サミットの前に、NGOは森林のよりよい経営の仕組みを作るための様々な方策を検討した。最も注目されたものが森林の認証とラベリングだった。開発援助、ソフトローン、技術協力などの従来の手法が商業的なセクターを無視ないし軽視していたことである。この新しい手法が注目されたのは、市場を基盤としており、流通や国際市場に依存した手法であったからである。

森林認証の基本的仕組み

認証制度を支える論理は、消費者は良好に管理された森林の生産物を選別して購入し、より高い代金を支払うだろうということである。

良好に管理された森林は信頼できる独立した第三者評価機関により認証され、生産物は独特の手法で識別可能にラベリングされる。消費者はこれらの製品を容易に識別し選別できる。
良好に管理された森林の厳密な規定は基準の形で明示される。基準は地域により若干の違いはあるが、良好な森林経営の基本は共通であり容易に記述でき合意できる。ほとんどの基準(standards)が既往のフォーマットである規準(criteria)と指標(indicators)の形をとっている。基準に合致した森林とその生産物にマークが付されることとなる。

認証ラベリングは利益をもたらす。認証をとれなかったものは価格が下がり国際市場での地位を失う。

信頼できる認証制度は次のような要素を備えている。

信頼性と効率性を確保するため貿易の障害とはならないことが必要。

このような条件を異なった要素により計画し、また、異なった手法で表現することは可能である。そのため、厳格さ、信頼度、複雑さなどの程度に応じて様々なシステムがあり得る。実際に、異なった地域の条件、特別の要請、違った利害関係者などの要因で様々な森林認証制度が創設されている。

各国政府や国営の森林企業は、信頼性と正当性があると信じている自らの制度に固執し、他の組織他の国で開発された手法を採用に否定的である。

結局消費者が望み信頼する制度が残り、そうでないものは消滅することになる。

同時に、すでに始まっているところであるが、制度同士の統合や相互認証も行われるだろう。


第二部 森林認証の各種制度の国際動向

利用に当たって

このサイトは異なった認証システムの優劣を比較するものでなく、違いを説明するものである。

CIS 図書目録データベースに様々なスキームの比較も含むに認証制度に関する包括的な参考資料が収録されている。

様々な制度は見かけ上の成功は見せているようだが、初歩的な目標も達成してはいない。制度の優劣は最終的には森林の経営を改善できるかによって判断されるものである。

はじめに

様々な認証の仕組みがあるが、基本的には二つの仕組みに分類される。どちらの仕組みも基準(standards)(だいたいにおいて規準(criteria)と指標(indicators)からなる)に基づき実施されるがそのアプローチの方法が異なっている。.

森林管理評議会FSC=Forest Stewardship Councilで代表されるいわゆるパフォーマンスに基づく認定の仕組みは、パフォーマンス基準を基礎としており、対象組織は認証されるまでにある基準値を達成しておかなければならない。

もう一つの 国際標準化機構International Standards Organisation (ISO)によって採用されている仕組みは、政策や管理目標がどのようにして設定されるか、またどのようにして達成されるかなどの、組織のマネジメントの過程を評価しようというものである。パフォーマンスについての基準をあらかじめ設定することはなく、不断の改善を評価するものである。


世界的な認証システム


森林管理協議会Forest Stewardship Council

森林管理協議会The Forest Stewardship Council はメキシコのオアハカ(Oaxaca)に本部を置く国際機関である。個人会員・団体会員の双方があるが、会員であるかどうかは認証には関係がない。FSCの認証を求める団体はFSCの認定を受けた認証機関の検査を受けなければならない。

FSCの森林認証は 森林管理の10の原則と基準.訳注:WWFJapanホームページに同日本語訳掲載)に基づいて行われる。1999年2月に改訂が行われた。10の原則と基準はFSCのシステムを基盤となりFSC会員の基本方針となっている。しかし、直接の認証のための基準とはなっていない。

認証機関は、FSCによって認められた国別ワーキンググループによって設定される国別あるいは地域別の基準に基づいて認証を行う。これらの基準は10原則に合致する必要があるが、地域的な環境に即応した基準となっている。この国別地域別基準が作成されている場合、FSCの認証機関は認証作業にこの基準を使用することが義務づけられる。

国別地域別基準が作成されていない場合、自らの認証基準を既存の地域ルールなどを参考にして加工した基準を使うことが許される。

FSC認定認証機関のみがFSCに関する認証をすることができる。現在6社が認定されている。

FSC は国別のウェブサイトを持っている。

カナダFSCカナダとマリタイム地区FSCは 独自のウェブサイト.を運営している
米国のFSCは独自のウェブサイトを運営している。その中には11地区の地域基準作成の状況を掲載している。
(訳注:我が国に最も関係の深い太平洋岸地域の版はドラフトが作成された段階である。)
FSCの国別地域別基準作成には正式の国別手続きが必要である。日本も含む39か国のFSCの取り組み状況を FSCのウェブサイト国別取り組みの詳細Details of the progress of the FSC national initiatives に掲載している。
3つの国別基準が作成され運用されている。 スウェーデンの国別基準Swedish National Standard は、 スウェーデンFSCのウェブサイトに掲載されている。
英国については FSC英国国別基準(FSC's UK National Standard) が1998年10月に本部決定となった。 FSC-UKのウェブサイトにはその他に、FSC認証活動や貿易の状況、ニュースレター、メンバーリスト、認証森林一覧表、バイヤーズグループの状況などが掲載されている。
英国ではFSの基準作成作業と平行して独自の森林認証制度(UK Woodland Assurance Scheme (UKWAS))を開発してきた。その基礎となる基準はダウンロードすることができる。 現在ではこのふたつのプロセスは互換性がある。つまり企業はUKWAS基準を満たすことをFSC認定機関が保証すればFSC認証を取得することができる。
FSC基準のボリビア版も本部決定しており、FSC本部からメールで: mailto:fscoax@fscoax.org取り寄せることができる。
(訳注:日本については現在のところ唯一のFSCメンバーであるWWF日本委員会がウェブサイトでFSCの情報を提供している。)

FSC Notesというニュースレターが FSC website. を通じて配信されている。最新のFSCの進展状況が掲載されている。

FSC Facts というウェブサイトは作者は不詳で、FSCの認証森林などに関する批判を行っている。同様に http://www.treemail.nl/も特定のFSC認証森林についての批判を行っている。


国際標準化機構 International Standards Organisation (ISO)

国際標準化機構 (ISO)は 大きく包括的なウェブサイトを持っており環境管理システムISO14000などの品質環境を保証するシステムをはじめとしたISOの詳細を説明している。

手続き過程に基づく認証制度(Process-based certification systems) (特に ISO 14000) と欧州エコマネージメント監査システム(the European Eco-Management Auditing Scheme (EMAS))は、FSCなどパフォーマンスに基づく認証システムに代わるものとして最も多く採用されており、欧州製紙産業協議会(the Confederation of European Paper Industries (CEPI))など多くの紙パルプ産業がこの選択肢を採用している。. CEPI はISO14000についての支持を表明しており、98年末に80の工場がISO・EMASその他の品質環境を保証するシステムを採用している。

最新の CEPIの立場は CEPI websitehttp://www.paperonline.org/で見ることができる。

ISO 14000 と EMAS などの手続き規定に基づくシステムは林業に限った基準を作成していない。

(訳注;森林関係では「森林経営組織がISO14001及びISO14004環境マネジメントシステム規格を使用する際の情報」と題する技術報告書(ISO/TR14061が参考資料として公表されている。ISO/TR14061については、オンラインで入手することはできない。ISOの協定に基づき各国の標準化機関が提供窓口となっている。本報告署は財団法人日本規格協会普及事業部海外規格課で販売している。)

ISO 14000 やEMAS などの認証は林業事業体に対し環境政策環境目標を作成しまた、その通りに実施するための内部メカニズム作ることを義務づけている。

認証はさらに実施状況の質をモニタリングし不断に政策を改善してゆく内部手続きを義務づけている。

監査の手続きは包括的・周期的であり自らの設定した目標や法令に沿っているかどうかチェックされる。内部的な監査は企業内の監査システムを通じて実施可能であるが、この仕組みの監査は独立した第三者機関の監査を要求している。



国際熱帯木材機関 International Tropical Timber Organisation

国際熱帯木材機関 (ITTO) は国際熱帯木材条約などによりメンバー国の森林経営の水準を改善することを追求してきた。

しかしながら、ITTOは自ら良好な管理の定義と自主的な基準ガイドラインを作成している。経営の基準の詳細はウェブサイトに掲載されている。しかしながら内容は優れていて近年大幅な見直しをしたものの、適応を判断する組織的な整備がなされていないのでITTOの基準は認証制度といえるものではない。

また、ITTOは国際的な認証制度に関した幅広い事柄を扱っているニュースレターTropical Forest Update を作成している。最新のもの過去のものどちらもウェブサイトを通じて入手できる。.(訳注:「認証における政府の役割」など重要な論点を含む論説です、一読を推奨します)


全ヨーロッパの認証制度(The Pan-European Certification Process)

ITTOとちがって 全欧森林認証制度Pan-European Forest Certification Scheme (PEFC)はFSC認証に代わる認証制度として創設された。欧州のみが対象であり真に世界的ということはできないが、他の制度と相互認証などにより世界的な影響力が予想される。

欧州においては民間の所有者はほとんど30ha以下であり、彼らはFSCの認証は費用がかかり負担が多いとして、敬遠しがちである。

様々な国の関係者が同様の懸念を表明しており、国ごとの認証システムを構築している。スカンジナビア森林所有者協会(the Scandinavian forest owners associations)が最も真剣にFSC認証に代わるものの開発を行ってきた。スウェーデンとフィンランドにおいてはすでにFSCの手続きが決められており、二つの類似の仕組みが並立することとなった。

各国の認証システムは各国の基準を満たすことはもちろんだが、同時に国際的な認知と信頼を得る必要がある。

1994年ヘルシンキで開催された欧州森林保護閣僚会議による専門家グループによってヘルシンキプロセスの規準と指標が策定された。この6規準20指標は各国資源の管理の持続可能性を比較しモニタリングするための一般的な参考指標を与えるものであった。

98年6月にリスボンで開催された第三回閣僚会議の準備過程で実行レベルのガイドラインが策定された。

リスボンの閣僚会議において、この実行レベルのガイドラインが認証その他の品質保証の仕組みを設立するための技術的な内容を与えることとなるとされた。これが、ヘルシンキプロセスの規準指標が全欧森林認証制度のベースとなる根拠となった。

1998年8月全欧森林認証制度設立の運動が始まった。PFECのコンセプトは各国が独自に認証制度を作りそれを包括するものとして互換性・同等性を保証しようと言うものである。

各国が制度を作ることに関心を示したが、最も素早く対応したのはフィンランドであった。フィンランドにおいては95年に基準作りが始められたが96年には多くの環境NGOが策定手続きから手を引き、策定された基準案の支持を拒否した。しかしながら、99年3月5日フィンランドは全国森林認証協議会を発足させた。フィンランド認証ニュースレターが示しているように、99年中に14百万haの認証を目指している。

99年8月プロセスに反対していたWWFフィンランドはフィンランドの制度に詳しい批判を公表した。これに対して農林業者の団体が詳しい反論を加えている、詳細は彼らのウェブサイトに掲載されている。

WWFフィンランドの反対の論拠はフィンランドのシステムは、それ以前の表明と異なり、FSCと両立しないという点であった。しかしながら、WWFは作成過程から撤退したため影響力を行使することはできなかった。フィンランドの制度は実施の段階になっており、FSCのプロセスの有力メンバーもその中に加わっている。WWFフィンランドの主張の一部に正当性があったとしても、現時点で大幅な変更を加えることは困難だろう。

フィンランドの状況は進んでいたとしても、昨年の6月パリでPEFCが正式に発足する時点までOEFCの内容は不透明だった。11カ国(オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、フィンランド、アイルランド、ノルウェイ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス)の代表が署名をし各国に国別の実行組織を設立した。

PEFC のウェブサイトで入手できる発足に際する プレスリリース によると、この試みはオーストラリア、カナダ、米国、ブラジルなど欧州以外の国が関心を持っている。PEFCが欧州中心とすると、何らかの相互認証の仕組みなしにはこれらの国の参画は困難だろう。

全欧森林認証制度協議会(PEFCC)は各国間の調整を行う実施機関として設立された。国別の認証組織が設立されることとなる。

PEFCは実施に当たっていくつかの点をクリアしなければならないが、NGOベースのFSCと、業界よりの柔軟なISOの中間をゆく第三の選択肢を提供している。

PEFCの強みはヘルシンキプロセスにより多くの国の間で協議されてできあがった規準指標に基礎をおいていることである。

ヘルシンキ原則はFSCと同様、各国が国ごとの基準を決めるための基礎となる枠組みを提供している。

しかし、PEFCはFSCと以下の重要な点で相違している:

PEFCなこれらの問題を解決する必要がある。様々なケースで各国の実施機関に持ち込まれることとなるが、全欧的な解決が必要なケースもある。先行するFSCと競争する意味でも生産物の認定ラベリングの問題も解決しておく必要がある

最新のPEFCの情報は PEFC のウェブサイトで見ることができる。ヘルシンキプロセスの基準指標と経営基準も同じウェブサイトで入手できる。その他のPEFCの情報、フィンランドの制度についてはフィンランドの森林認証,と 中央農業生産者・森林所有者同盟のウェブサイトで入手できる。またこのウェブサイトは ニュースレターを作成している。.


地域的な認証システム


アフリカ地域の制度

省略

北米カナダの制度

アメリカ森林製紙協会 American Forest and Paper Association (AF&PA)

アメリカ紙パルプ協会持続可能林業制度Sustainable Forestry Initiative(SFI)を1994年に設立した。その中で持続可能な森林の原則と実施ガイドラインを作成した。

技術的には認証システムを言うことはできないが、傘下の各社が最終的な持続可能な森林経営を目指して経営を改善しパフォーマンスを改善してゆっくためのガイドラインを示したこのシステムは、水質・野生生物の生息地・土壌・再造林・利用の改善など様々な指標を利用している。

すべての参加者は原則とガイドラインの遵守を誓約し毎年改善記録を作成することとなっている。ISO14400と類似した監査・検証システムが導入され、進捗状況の自己評価、第二者、あるいは独立した第三者の評価の道を選択することができる。

このシステムは製品のラベリングや起源を証明する仕組みをとっていない

SFIの制度は環境団体・専門家団体など様々な分野の代表からなる専門家委員会の監督を受けて発足している。

制度の詳細はウェブサイトで入手でき、また、米国フォレスター協会の専門部会による評価がなされその結果は 同協会のウェブサイトでダウンロードできる。

その他にSFIの制度の内容及び、自社におけるAF&PAのガイドラインの適用と改善のモニタリング結果を掲載しているサイトがある。.

99年6月現在、22百万haの森林がSFI制度の下で自己誓約している。

レインフォレスト同盟のスマートウッド認証プログラムは、AF&PA'の森林認証制度とFSCの制度の下でのスマートウッド認証との相違を記述した概要書を掲載している

カナダ規格協会 (CSA)

カナダの業界にはFSCの認証についての拒否反応がある。ISOの仕組みをベースにしてカナダ規格協会が独自の手続き過程に基づく認証制度を作っている。

カナダのシステムの詳細についてはカナダ持続可能林業認証同盟(Canadian Sustainable Forestry Certification Coalition)のウェブサイトで入手できる。.

このサイトはカナダの規格が生まれた経緯が記述されている。その中にはISOとの整合性、エコラベリング制度との相違などが記載されている。

ISO14000をベースにしてパフォーマンス基準を取り入れたカナダのシステムは、FSCなどのパフォーマンス基準の仕組みの代替を意識したものである。

しかし、CSA制度の導入は進んでいない。カナダ林業会社の最大手であるマクミランブローデル社(MacMillan Bloedel),はCSAの取得を誓約しているが、もう一つの大手である ウエアハウザー社(Weyerhaeuser)は遅れている。
(訳注:99年11月マクミランブローデル社はウェアハウザー社に合併した)

制度のベースとなる基準は SCAから入手できるが有料となっている。 .カナダ規格協会(Canadian Standards Association)のウェブサイトから基準を入手することは不可能でないが困難である。

その他の北米の制度

The Rogue Institute for Ecology and Economyは南部オレゴンに本社を置く組織で持続可能な社会林業の仕組みを開発している。スマートウッドネットワークと連携をとっており持続可能な10原則.を基礎としている。

The Institute for Sustainable Forestryは北西部カリフォルニアに本部を置く地域組織であり、スマートウッドネットワークに属している。やはり持続可能な10原則を掲げている.

The Silva Forest Foundationはカナダに本拠を置く環境団体で認証制度を持っている。Silva はFSCの認証が適用される。Silva の基準はダウンロードファイルで.入手することができる。

ンドネシアエコラベリング協会 - Lembaga Ekolabel Indonesia (LEI)

インドネシアは最も早くLEI (Lembaga Ekolabel Indonesia) という全国の認証制度導入した国である。

94年4月SCS森林コンサルタントが持続可能な森林経営のエコラベルについてフィジビリティ調査を行った。

94年11月LEIのワーキンググループは「インドネシアのエコラベルのための持続可能な森林経営の基準指標」という討議資料を国際会議に向けて作成した。

基準と指標が認証手続きとともに明らかにされた。

全面的な認証システムが導入され実施可能となっていながら普及がすすまず、情報が提供されていない。

98年から9年にかけてシステムの改訂が行われた。FSCの認証機関であるスマートウッドとSCSの専門家が参画しシステムの再構築をはかった。99年年央に試行が始まった。

マレーシアの取り組みと同様インドネシアは国際的に認知された制度との連携を模索している。その結果98年3月LEIとFSCの間で協定が成立し最終的な相互認証の目標に向けて協力関係を深めてゆくこととした。

(訳注:2000年6月現在LIEのウェブサイトが運営されているが、インドネシア語が中心で英語の情報は限定されている)

マレーシア認証委員会

世界で最も有力な輸出国として、マレーシアは森林認証と持続可能な森林経営に積極的に関わってきた。

森林認証制度への要求や国際的な制度の発足を受けてマレーシアは幅広い活動をしてきた。

国際熱帯木材機関の積極的なメンバーであり、熱帯木材協定と 国際熱帯木材機関の持続可能な森林経営のガイドライン,の署名者として、マレーシアはマレーシア持続可能な森林経営基準と指標を作成し、それに基づく認証制度を創設した。

99年1月マレーシアにおける独立した第三者の木材認証を実施するため、全国木材認証協会(NTCC)を設立した。NTCCは認証の実施、検査、報告書の検証、認証決定に関する統合機関である。NTCCは認証会社の認定を行うとともに決定に至る報告書のチェックを行う。また、NTCCは認証基準の策定も行う。

マレーシア企画局の手続き規定に従うことにより、NTCCは認証が国際的な基準に従っていることを保証している。

マレーシアの認定を近い将来FSC認定と同等のものとするための努力がなされている。99年3月FSC会長のシノット博士がマレーシアを訪問し、大臣、NTCC、貿易団体,NGOなどと協議した。その結果マレーシアの認証制度との協力関係を進めてゆくことに合意をした。

同時にオランダの輸入業者との連携によりマレーシアは独自の商品認定ラベリング制度を作成した。そのパイロット調査の詳細はMTC のウェブサイトで(訳注:リンク切れになってます)閲覧することができる。多くの企業がオランダの最低要求基準を満たすことを保証するこのシステムを利用している。.オランダの最低要求基準は97年に輸入木材の持続可能性に関して作成されたもの。また、オランダは自国の持続可能な森林経営の2000年目標に関する中間報告を99年2月にまとめている。

その他にサラワクのある森林が97年にSFSによってFSC認定をうけている。概要はGS Qualifor's のwebsite.で入手できる。

スカンジナビアの制度


スカンジナビア諸国は当初独自の北欧制度を作ろうとしたが、スウェーデンの関係者がFSCを選択し、スウェーデンがもっとも早いFSC国別基準を作成することとなった。

スウェーデンとフィンランドの多くの民有林所有者はFSC認定を拒み、ヘルシンキプロセスの規準指標に基づく全欧プロセスPan-European Process に参加し新たな道を探っている。

フィンランドはPEFCのシステムを最初に完成させた国で、フィンランドの制度は現在実施中となっている。これらの情報はPEFC website や - Forest Certification in Finland Central Union of Agricultural Producers and Forest Owners.などのウェブサイトで入手できる。また、このサイトでは ニュースレターを配信している

ノルウェイはLiving Forests Projectという自国の持続可能な森林経営の仕組みを持っている。そし98年3月ヘルシンキプロセスに基づく自国の基準を作成しtた。これらの基準はそのウェブサイトからダウンロードできる。


国際野生生物機関 Fauna and Flora International - Soundwood Programme

99年8月現在FFIのウェブサイトは改修中でリンクが十分にできないがメールによる連絡は可能である。

Flora and Fauna International (FFI) (email: info@fauna-flora.org) は英国を本拠とする国際的な環境NGOで、アフリカブラックウッドの保全をはじめ多くの保全事業を手がけている。

これらの活動の一つがサウンドウッドプロジェクトで(email: soundwood@igc.org),楽器に使う高品質貴重材の問題に取り組むために計画されたもの。独自の認証制度を設けて将来の資源を守ることを目的としている。


英国の制度

英国のFSCは96年に最初の認証機関が認定されてからから活動を開始している。98年に英国のFSC基準が策定されるまでは一般的な基準が適用されていたが、現在では英国の基準に基づき.認証されている。FSC認証の詳細は website of FSC-UK で入手できる。このサイトは、一部の更新が遅れているところもあるが、その他の制度、英国の流通、ニュースレター、会員リスト、質問箱、認証森林のリスト、英国における認証木材取扱業者、購入者、リンクなどの情報を掲載している。

FSCの国別基準と平行して英国は別の認証制度である英国林地保証制度(UK Woodland Assurance Scheme (UKWAS),)を持っている。UKWASで使っている基準は ダウンロード可能である. これらの基準は様々なプロセスから生まれたもので英国の林業会社、森林管理に関わる各種団体によって支持されている。英国の企業はUK Woodland Assurance Scheme に重要な役割を果たしており、詳細は 英国林業委員会UK Forestry Commission. のウェブサイトで見ることができる。林業委員会は a briefing note を発行している。

これらの基準は、FSCによって英国FSC基準と同等のものと認定されている。

林業企業は直接FSC認定を受けてもUKWASの認定を受けてもどちらでも良い。FSC認定認証機関が調査をする限りUKWASの認定を受ければ自動的にFSC認証を受けることとなる。

同様な制度がアイルランドでも進行中である。これらの情報は their website.で入手できる。


太平洋地域の制度

太平洋地域では商業伐採や丸太での輸出が所得の主要な源泉となっており、森林認証が重要な課題となっている。

太平洋地域では、従来の丸太生産に代わり、地域林業や環境に易しい木材、認証制度などの取り組みがなされてきた。

FSCが最も一般的な認証モデルである。認証された森林は共同経営ないしグループ認証である。パプアニューギニア、ソロモン諸島ではFSC認証が進んでいる。

その他FSC National Initiativesなどいくつかの地域ごとの制度が地域基準を作るための作業を行っている。最も作業が進んでいるのはPNGである。ソロモンでも非公式の作業が行われており地域基準の草案が作成されている。

98年11月、森林認証にかかる南太平洋地域ワークショップがソロモン諸島のギゾで開催された。99年には次回の開催が予定されており関係者は認証機関の創設を期待している。

EUは南太平洋エコフォレストコミュニティ計画(The South Pacific Community Eco-Forestry Project (SPCEF)). など、持続可能な森林経営を支援している。

この件に関する情報は南太平洋基金(英国)会長Ms Dorothy McIntosh(email:ukfsp@cableinet.co.uk), から入手できる。

国際的な環境NGOであるGreenpeaceはこの地域での活動に力をいれており、FSCでもISOでもないエコ木材認証制度を作っている

グリーンピースはソロモン諸島開発公社(SIDT)の持続可能な木材を輸入する商社の連合(the Imported Tropical Timber Group or ITTG) を支援している。

グリーンピースはITTGの基準や彼ら独自のResponsible Forestry Standards. (訳注:リング切れとなっています、調査中)使って制度を考案している。

ITTG はSIDTに対してアドアイス、機材供与、技術訓練をしている。これらの情報は、以下で入手できる。

Greenpeace (Solomons)
P.O.Box 556
Honiara, Solomon Islands
Tel: (677)-20455

Greenpeace Pacific
Forests Campaigner
Private Bag 92507
Wellesley Street
Auckland 1, New Zealand
Tel: (64)-9-630-6317
Fax: (64)-9-630-7121
email: Grant.Rosoman@dialb.greenpeace.org


第三部 国ごとの認証制度

各国によって様々な開発段階の認証制度がある。多くは発想の段階であり、完全に機能しているのは少ない。

国ごとのの取り組みの詳細は以下の国別報告書に掲載する。報告書の留意事項などは country reports.を参照されたい。


Western Europe
Latin America
Africa
South East Asia
Oceania