時流をつかめー企業価値を高める木造建築ー「需要サイドからの林業改革」につながるか?(2019/9/15

ビジネスの本流の需用者からの木材利用の推進をすすめるウッドソリューションネットワークの、ユーザー向けの情報発信、「MOKU LOVE DESIGN 〜木質空間デザイン・アプローチブック〜」に続く、第二弾、非住宅木造推進アプローチブック 時流をつかめー企業価値を高める木造建築がでたので、読んでみました。

企画編集は日経BP社。

木材関係者ならおなじみの、「木材を利用する木材建築は「第二の森林」」「木材は心身の健康にプラスにはたらく?」といった情報に加えて、木造でたてると、企業経営にどんな影響を与えるの?(環境的社会的ガバナンスのへの配慮が行き届いた会社に優先投資をするESG投資に流れの中で注目される!上、工期が短く財務の負担がすなくなる(ケースがあり)、税務上こんなにお得)といった話しがならんでいます。

こんなパンフレットが、農林中金や日経BPのネットワークを通じて配付されいくと、シンボルとなる自社ビルの建設時に木造化するかが確実に選択肢の一つになってくるので、木材利用の動きももう一段階のぼっていくことは確実ですね。

非住宅木造推進アプローチブック「時流をつかめ!企業価値を高める木造建築〜持続可能な木材利用を経営戦略に取り込もう〜」の制作・発行について(農林中金)

こちらから概要と本文がダウンロードが可能です。是非ご覧になって下さい。

紹介されているケースが公共建築物が多いので、ビジネスの方から見るともう一歩と、いう気もしますが、これから、この辺の蓄積がどのように増えていくのか、このシリーズの第三弾第四弾注目です。

(地方創生に向けた”需要サイド”からの林業改革)

この企画のトップは、東京海上ホールディングス会長隅修三氏のインタビュー記事。

題名は「森林資源の活用で地方から日本を元気にするー地震大国でも木造のビルは建築可能」です。

この記事の冒頭に経済同友会が今年の3月に「地方創生にむけた”需要サイド”からの林政改革」を提言しており、隅会長は地方創生委員会会長その取りまとめ役だったことを知りました。

提言発表記者会見のビデオもYouTubに
経済同友会のページからダウンロードできます(本文事例集共同宣言

地方をまわってみたが、「補助金なしでは林業は立ちゆかないという言葉ばっかり」。そこで、需要を作り出さなければとと考え、この提言を考えた。(記者会見での隅会長の発言)

これを読んでみて、ウッドソリューションネットワークの企画の下敷きが、この報告書だということが解りました。

海外の木造高層建築の先行事例。木造化は環境にもよくて、コストも安いのに。なぜ、日本が遅れているかその理由が、同友会の会員へのアンケートでわかった。自社ビルを木造で建てることなど経営者の選択肢にも入っていない、中高層ビルの木造化に知識のある建築技術者いない・・・。CLTに期待。

隅会長の熱のこもった報告書の内容説明を聞いた上で、是非提言書ご覧下さい。
(ウッドマイルズも紹介されていますP.32)

提言発表記者会見のビデオもYouTubに
地方創生にむけた”需要サイド”からの林政改革

CLTがうまく日本の林業とつながるのか?無垢材にこだわる地方の建築技術者の動きとどのようにタイアップするのか?本当に木材利用が進んだ後に森林再生がどうなるか?

課題は山積していますが、楽しみです。
(1)提言1関連 国産材需要の拡大に向けた理解拡大活動 −国産材利用の意義・理解の促進と都市の木造・木質化の推進−
@企業経営者と地方自治体を対象とする啓発活動 (例:経営者/施設担当者・自治体向け連続セミナー/イベントの開催、 木造建築の現場訪問ツアーの催行等)
ACLT で地方創生を実現する首長連合や一般社団法人日本CLT協会な どとの連携 (例:フォーラムの開催や CLT の活用方法等に関する研修会の実施等)
(2)提言2・提言4(3)関連 新しい時代に向けた人材育成 −最先端の技術やノウハウの習得とその普及−
@設計・建築事業者の育成 (例:CLT や木造建築の設計/施工技術・ノウハウの普及、BIM の活用等 に関する実務講座等)
A高知県立林業大学校を用いた人材育成 (例:民間企業の人材による出張授業、公開講座等)
(3)提言3・提言4(2)関連 スマート林業の推進 −新技術による木材生産や流通の効率化−
@ICT を活用した森林情報の収集・蓄積・見える化 (例:ドローンや林業クラウドの導入・活用支援等)
A生産管理や需給調整システムの開発に向けた共同研究 (例:林業機械や BIM 等を利用した川上〜川下の情報共有システムの あり方の検討等) 


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