海外で社有林拡大 「排出ゼロ」実現-王子ホールディングス (2022/3/15)


日経新聞の「脱炭素社会創るという連載企画」の一環で、海外で社有林拡大 「排出ゼロ」実現 矢嶋進王子ホールディングス会長という見出しの記事が掲載されネット上に公開されています

(国内最大手製紙企業のゼロカーボン戦略)

「当社グループは50年に温暖化ガス排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする「環境ビジョン2050」、その道筋として30年度に18年度比で70%以上を削減する「環境行動目標2030」を定め、・・・

70%削減のうち50%分は森林によるCO2固定化の純増で達成する。」のだそうです。

そして、自社が厳しい目標を立てて挑戦するだけでなく、自社持つ脱炭素ノウハウを共有するとして、成長量の高いユーカリの育種技術などを公開して、貢献するとされています。

(右の図ブラジルでの同社苗畑)

(海外の森林を増やす)

現在57万ヘクタール所有している、森林を、あと15万ヘクタール海外で増やすのだそうです。

どこの企業もゼロカーボン目標を掲げて、苦労をさえている状況の中で、森林の吸収力をその中心にあげて挑戦する王子ホールディングズの取組は、森林関係者だけでなく幅広い関心が広がると思います。

(削減目標の70%を森林の吸収力でまかなう仕組とその意味)

右の図は、王子グループの環境報告書に記載されている30年までの2018年対比70パーセント削減の枠組みです。。

エネルギーの効率化、再生エネルギーの利用率向上、事業構造転換の提案という三つで20%、森林の拡大で50%の削減ですね。

すごい数字ですが、四苦八苦して、30年までに建築のゼロエネ化を進めるなどRE100などの取組をしている企業にとって、排出削減系が20%というのは議論になりそうですね。

製紙過程のエネルギー依存特性が他産業と比べて削減の難しさがあり、事業構造の転換(製紙以外のビジネスを広がる)などの分野の取組が入っているのかもしれません。

(カーボンドミノの先頭を走れるか)

環境省も「2050年のカーボンニュートラルに向けて革新的な技術の開発とその早期の社会への実装は重要です。それとともに、現時点で活用可能な技術を最大限に活用してすぐに取組を始めることも必要不可欠」だとして、「脱炭素ドミノ」で重点対策を全国に伝搬しますなどと、国民的な運動を呼びかけています。

排出削減のプロセスとチャレンジ性の上に立った、吸収量の上乗せが必要です。

森林関係のトップのような大企業が、どんな歩みをすすめていくのか、いかないのか、しっかり見ていきますね


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