緑の募金法制定30周年記念シンポジウム 「緑の国際協力で進める森づくり・人づくり・地域づくり」から(2026/4/14)

3月13日、「緑の募金法制定30周年記念シンポジウム 「緑の国際協力で進める森づくり・人づくり・地域づくり」」といううタイトルのイベントがあったので、オンラインで出席しました。

(シンポジウムの開催趣旨)

「緑の募金法」(正式名称緑の募金による森林整備等の推進に関する法律)が制定・施行されから30周年という節目を迎えたことを記念し、(公社)国土緑化推進機構(公財)国際緑化推進センターの共催により、これまでの国際協力による森づくりの成果を振り返り、未来に向けた取組を考える場として、シンポジウムを開催します。これからの国際協力の担い手である高校生・大学生を含む幅広い世代の皆さまに、森づくりの意義と可能性を共有し、さらなる国際協力の機運を高めます

            開催プログラム
  (総合司会:永田 愛実/2026ミス日本みどりの大使)
オープニング
 開会挨拶:織田 央/(公社)国土緑化推進機構専務理事
 来賓挨拶:小坂 善太郎氏/林野庁長官
基調講演
 「緑の募金とヒューマンキャピタル」
 池上 清子氏(公財)プラン・インターナショナル・ジャパン理事長、
   (公財)アジア人口・開発協会副理事長、緑の募金運営協議会委員
発表セッション
 緑の募金国際協力事業の取組紹介:今泉 裕治/(公社)国土緑化推進機構常務理事
 緑の地球づくりのための取組紹介:高原 繁/(公財)国際緑化推進センター事務局長
事例報告(緑の募金で活動するNGOからの報告)
  報告1:林 久美子氏/(公財)オイスカ 海外事業部海外開発協力担当部長
  報告2:新田 幸夫氏/(特非)アイユーゴー 理事長
  報告3:二角 智美氏/(特非)イカオ・アコ 理事
パネルディスカッション

閉会挨拶:沢田 治雄/(公財)国際緑化推進センター理事長

「緑の募金の30周年」のイベントのタイトルが、「緑の国際協力で進める森づくり・人づくり・地域づくり」!!

グローバルな問題を追いかけている勉強部屋としては、素晴らしいタイトルのイベントなのですが・・・

、緑の募金はグローバルな取組なのだろうか?主催団体の国土緑化推進機構(であり緑の募金法第3章に規定されている指定団体)の名前にある「国土」は日本の国土でないのだろうか?

そんな思いで、右の表の登壇者のプレゼン内容をみてみました。

((緑の募金国際協力の事業の取組))

緑の募金の歴史をトータルに紹介している、緑の募金国際協力事業の取組紹介:今泉 裕治/(公社)国土緑化推進機構常務理事、(以下今泉報告といいます)を見てみましょう

(国土緑化運動のはじめは「日本の国土」)

左の図は、今泉報告の歴史を語る部分の最初のページ

第1回「植樹行事ならびに国土緑化大会」(第1回の全国植樹祭)

写真の由来は令和4年度森林・林業白書だそうですが、そこには、「全国で国土緑化運動が推進され、昭和25(1950)年には「荒れた国土に緑の晴れ着を」をスローガンに第1回の全国植樹祭が開催された(左の図)。以後毎年、天皇陛下御臨席の下、全国植樹祭が開催されている。」と説明があります。

これらの取組により、戦中・戦後に発生した荒廃森林はほぼ解消されるとともに、保安林制度等の伐採規制により新たな荒廃森林の発生は抑制されることとなった。と・・・(当該白書11ページ)

明らかに、出発点となった「国土録化運動」の国土は、日本列島でした(1950年代)

 「緑の募金法」制定(1995年)の時代背景

(1) 市民社会の成熟
?1990年代
?「社会に貢献したい」人の割合が6割超に(内閣府「社会意識に関する世論調査」)
?経済団体連合会に「1%クラブ」が発足
?1995年 阪神淡路大震災が発災 → 「ボランティア元年」と呼ばれる
?1996年 「特定非営利活動促進法」国会提出 → 98年可決・成立
?森林・山村分野でも市民活動の動きが成熟
?1974年 「草刈り十字軍」が始まる
?1993年 「森林づくりフォーラム実行委員会」が結成 → 森林ボランティアの全国ネットワーク組織として「森林づくりフォーラム」が結成 (2000年にNPO法人化)
?1993年 「地球緑化センター」が発足 → 翌年から「緑のふるさと協力隊」事業、96年から森林ボランティア「山と緑の協力隊」事業をスタート(1999年にNPO法人化)

(2) 地球的規模の環境問題への関心の高まり
?戦後、経済のグローバル化と工業化の加速とともに環境問題が顕在化
?1966年 米国の経済学者ボールディングが「宇宙船地球号」(Spaceship Earth)の考え方を提示
?1972年 環境に関する初めての世界的な政府間会議「国連人間環境会議」(ストックホルム)
?1992年 「国連環境開発会議」(UNCED/地球サミット)
?わが国は主要先進国・木材輸入国として積極的に国際貢献
?1984年に設置された「ブルントラント委員会」の着想につながる特別委員会の設置をわが国が提唱
?1986年に設立された「国際熱帯木材機関(ITTO)」の本部を横浜市に誘致
?「シニアフォレスター会議」を提唱、1991年 横浜市で主催

(3) 国内林業の不振と山村の疲弊
?山元立木価格及び林業産出額は、1980年をピークに長期的に下落
?1985年 国土緑化推進委員会に設定された「21世紀の森林(みどり)づくり委員会」→ 林業の不振や山村の過疎化で森林管理が危機に瀕している現状を踏まえ、「国民参加の森林づくり」(労力を提供できる人は汗を、できない人は募金の協力等を通じて森林づくりに協力)の概念を提起
?1991年 高知大学人文学部 大野晃 教授が「限界集落」の概念を提唱

    「森林の整備及び緑化の推進に関する法律制定趣意書」が採択
   (1995年2月22日自由民主党農林部会林政基本問題小委員会)
                    
            「地球を救え、『緑の羽根』!」

 (「緑の募金法」制定(1995年)の時代背景)

そして、左の表は、今泉報告の歴史を語る次のページの記載事項です

「緑の募金法が出来たとき(1995年)の 時代背景」の説明です

時代背景を示す三つの柱
(1) 市民社会の成熟
(2) 地球的規模の環境問題への関心の高まり
(3) 国内林業の不振と山村の疲弊

(2) 地球的規模の環境問題への関心の高まりについて

?戦後、経済のグローバル化と工業化の加速とともに環境問題が顕在化について、わが国は主要先進国・木材輸入国として積極的に国際貢献

など、先進国の仲間入りをした日本がグローバルな視野で世界に 向けた発信を始め

(1)でもの90年代は、市民の視線がグローバル化してきました
(3)では緑に関わってきたビジネス林業がうまくいかず、都市住民などの貢献が必要

(地球を救え!「緑の羽根」)

そのような中で議員立法の動きが出てきた1995年,2月に自民党農林部会林政基本問題小委員会で、「森林の整備及び緑化の推進に関する法律制定趣意書」が採択されました

ーーーー。趣意書の締めの言葉

国内の森林整備と地球問題の解決に向けた我が国の貢献が求められている現在,国民の自発的な協力を基礎とする「緑の羽根」募金の基本的性格を維持しつつ,その基盤の強化と取組みの多様化を図り, より多くの国民の善を結集するため,本法を制定しようとするものである。→地球を救え,『緑の羽根』.

緑の募金法ができる時の、コンセンサスワードが地球を救え!

 目的 (第1条)
国民、事業者及びこれらの者の組織する民間の団体が行う森林整備等に係る自発的な活動等の円滑化を図り、もって我が国における森林の整備及び緑化の推進並びにこれらに係る国際協力の推進に資すること

ということで、法律の本文第一条の目的規程には、左にあるように、国際協力の推進が記載されています

主催団体の国土緑化推進機構(であり緑の募金法第3章に規定されている指定団体)の名前にある「国土」は?日本の国土でなく、各国の国土?

(「緑の募金」による国際協力事業の実施地域)

右の図は、今泉報告の最後の方のi一枚、標記の実施地域が世界地図に表れています

1996年以降2025年までに計 51 の国・地域で実施( アジア 18欧州 4中東 2大洋州 4アフリカ 15中南米 8 )

欧州や北米などにないのは解りますが、ロシアや中国にも、緑の募金の国際協力の実績があるんですね!

(ロシアと中国の緑の募金プロジェクトサンプル)

H26年度緑の募金事業報告集というネット上の報告書を覗いてみたらサンプルがありました

24KC-06  ロシア極東・ハバロフスク地域における地球温暖化防止のための寒帯林保全及び 荒廃林地の造林事業(ロシア)ー(特)むさしの・多摩・ハバロフスク協会:東京都武蔵野市(報告書144ページ)

左の図

25K-37 北京北部地域水源地植林事業ー(公社)島根県緑化推進委員会8松江市母衣町)(報告書169ページ)

右の図

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地球を救うという長い視野のプロジェクトのため、国というシステムが短期的な利害関係調整がうまく機能しないときもありますが、市民同士の連携が続いていく事例でしょう。

今だけを見るのでなく、遠い将来にわたって地球を救う。インパクトありますね、

上記の事例から、12年たって自分の国がファースト等と言っている人がいまも、力をもっていますが・・自分の国ももちろん大切ですが・・・・地球ファーストなのですよね。

その大切なコンセプトをリードするのが緑、森林ですね!

緑の募金法ができて最初のポスター(左図)には、「「緑の羽根」は、地球緑化を含むダイナミックな森づくりを目指す緑の募金として生まれ変わりました」と記載されていたそうです

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ごめんなさい、今泉報告だけになりましたが。グローバルを視野のシンポジウム。

その他に、「森づくり・人づくり・地域づくり」といった、緑の募金がもっているはば広い重要なコンセプトを含んだ大切なイベントでした

報告書のデータがしっかりこちらのページに掲載されているので、関心のある方はどうぞ

緑の募金法制定30周年記念シンポジウムの開催結果(概要)

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