国産木材活用住宅ラベルースギなどの国産材を活用した住宅の表示制度(2024/8/15)

江東区木場に(公財)日本住宅・木材技術センターという林野庁が所管する木材と、国交省が所管する住宅の二つを連携させる技術基準などを運営している大切な組織があります。

いまでは各省庁の連携は普通ですが、出来たのは1977年、時代をリードしてきた組織です。

近くにいく用があったので(運転免許の認知機能検査)、久しぶりにいって最近着任した新理事長とご挨拶。

最近の活動に関する資料をいただきましたが、その中で、今年の2月に始まったばかりの「国産木材活用住宅ラベル」というプログラムがあったので、ご紹介します。

パンフレット
スギ等の国産木材を活用した住宅の表示制度ができましたー国産木材活用住宅ラベル協議会HP
国産木材活用住宅ラベル表示に関するガイドライン
国産木材活用住宅ラベル使用規程

(プログラムの目的)

使用規程に記載されている目的は以下の内容です。

国産材利用を進めるとどんないいことがある?:「住宅における国産木材の活用は、①炭素貯蔵効果や輸送エネルギー削減によるカーボンニュートラルの実現、 ②「 伐 って、使って、植える」という森林資源の循環利用の一環として日本の森林環境の保全や地域経済の活性化、➂スギの伐採促進による花粉症問題の解決等に寄与」します。

国民や企業の考え方が変わってきているのでチャンス:「SDGs等を背景とし、国民や企業の社会貢献活動の機運が高まっている中で、住宅における国産木材の活用がこれらに貢献していることを対外的に示すことは、国産木材活用への波及効果が期待される重要な取組」です。

具体的な手立て:、国産木材を多く活用する住宅がその旨等を分かりやすく表示する仕組みを構築することにより、消費者の選択を促し国産木材活用の一層の促進を図るためのものである。

それどれのステークホルダーへはどんなメリットが?:住宅事業者においては、当該表示により自社のSDGsの推進等への貢献を示すことができるようになること、一方、消費者においては、環境保全等への貢献の意識を醸成し、当該表示が建築・購入する住宅選択の判断材料となることを狙いとしている。

(ラベルに記載され情報)

記載される情報は以下の8つだが➂から⑥は必ずしも必要ではないそうです

① 国産木材活用レベル、② スギの使用量(花粉症対策)、③ キャッチフレーズ、④ 住宅の炭素貯蔵量、⑤ 活用する木材に係るその他の情報、⑥ 建物名称、⑦ 住宅生産者名、⑧ 表示年月日

表示例は以下の通りです。

必須の情報を検討してみましょう

(国産木材の活用レベルとスギの使用量)

必須情報の一つ目は、このプログラムが開発して大きなポイントとなっている、国産の活用レベルの3段階ですね。

国産木材活用レベル  単位床面積当たりの国産木材使用量(㎥/㎡)   平均的な木造戸建住宅に使用される木材使用量に占める国産木材使用量の割合
 レベル1(★☆☆) 0.057 以上0.096 未満   3割以上5割未満
 レベル2(★★☆)  0.096 以上0.134 未満  5割以上7割未満
 レベル3(★★★)  0.134以上  7割以上

(スギの使用量)

必須情報の二つ目が、花粉対策としてスギの使用量、この家一軒でスギの木が何本使われています

消費者が木の家を建てたときに、どのくらいの木材をつかっているか?山の木の立木の本数で表すとわかり易いですね。
ただ、花粉対策としてスギなんですが、北海道などスギが近くにない場合でも、スギの本数が必須なんですかね?

(その他の情報、次への課題など)

必須でなくても住宅の木の中に固定されている炭素量を林野庁のガイドラインに基づいて記載することにもなっています(ガイドライン作成には林業経済研究所が貢献してます)

インパクトのある数字をわかり易く、といいうことでよく考えらえていると思います。が

山との関係性でいうと、伐採跡地の再造林されている木材がすべてです!!(レベルTOPとか)、スギの伐採後に花粉の出ないスギを植えている木材を使えば(すばらしいレベルとか)、いろいろ工夫して、次世代の森づくりに貢献できる数値を表示できるように、是非検討を進めていただきたいと思います。

junkan3-32<kokumokulavel>

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