「木のオリンピックで街を変える」ー2024パリオリ・パラ大会と木材の利用(2024/4/11)

4年に一回の国際的な大イベント、オリンピック・パラリンピック、パリ2024大会が7-8月に開催されます。

このサイトではこのビッグイベントで木の利用がどのように訴求されてきたか、という観点で追っかけてきました。

「新国立競技場」の木材利用。ロンドンに学びそれを超えて世界に何を発信するのか?(2016/1/17)

(大改造の街パリ、オリンピックで「花の都」は「木の都」へ)

そこでネット上の情報をきにしていたら(日本語中心ですが)標記「大改造の街パリ、オリンピックで「花の都」は「木の都」へ」というタイトルの解説ページがありました。

解説者は、青島啓太追手門学院大学文学部 人文学科(美学・建築文化専攻)准教授。充実したぺーじなので、概要紹介します

パリオリンピックでは開会式が会場でなく、セーヌ川で行われるなど初めて取り組まれることが話題になっているのだそうです(左図)が、もう一つの注目点は・・・

「五輪にあわせたパリ都市計画の中で積極的に木材が使われていること」なんだそうです。(図右:選手村)

木材利用推進のための、枠組みFrance Bois 2024(Bois=木材)ができています。

(鉄→コンクリート→木、建物の素材で見るパリ都市計画の歴史)

1889年のパリ万博を記念して建てられたエッフェル塔、20世紀後半の大開発によるビル群、そして・・・木造化・・

2020年2月にはサステナブルな社会をめざす「循環経済法」が・・・また、「サステナブルや建築に関する法案では、建築時に建材の半分を自然材料にするといった具体的な内容を盛り込むことが積極的に検討されました。その一部が、2022年1月から段階的に施行されています。」

誰でも知っているパリの街づくりの歴史を紐解きそして,木を中心とした都市計画が始まる・・・

そのあと、話は

(サステナブルな社会と木質建築をめぐる世界の潮流)

世界で注目される木質建築。コストがかかっても選ばれるワケは、環境負荷に関する関心がたかまっているから・・

なぜ木材はサステナブルな社会に貢献できるのか?という問いで、森の成長量と木材の固定量に関する基本的な説明をしたあと、「ただし木材にもやはり一長一短あって、木材を使うことが唯一の正解ではありません。たとえば耐久年数を考慮し、普遍的な建築をめざすならば、コンクリートや鉄の方が向いているでしょう。用途を考慮しながら、さまざまな素材を組み合わせていくことが大事ですね」(もう少し話の続きをお聞きしたい!!

サステナブルな木質建築。どうして日本は世界に後れを取る?日本はどうなんですか?という問いに対して、公共建築物の木材利用促進法(昨年の改定には触れられなかったですが)など追い風が吹いているます。しかし「建築基準法の合理化が進んでいる過渡期なので、まだハードルが高いのが現状。サステナブルな社会をめざすのであれば、さらなる合理化を含めて総合的に検討していく必要があるでしょう。」・・・

2030年には欧州の木材がなくなる!?という話もあるが、「まずは木材の需要を拡大することで循環型経済を実現可能なものとし、今後は森のデザインや林業の課題について、世界的に着手する必要があるだろうと考えています。」ということで、このセッション終わり

(オリンピック後、パリの都市像は「木質化」「緑化」にあり)

最後のセッションですが、「五輪を通して都市を再編する」という考え方進化するパリ都市計画のインパクトと課題などタイトルが進みます。車社会から転換する大きな枠組の中の都市計画が、パリ2024をきっかけに、一歩前進。

といった都市計画のストーリーが主たる主張点ですが、その中で、木と緑が一つの役割をはなしている、ということがポイントになっています

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以上ですね。

フランスの建築文化を対象とした研究をすすめる建築学者がかたる、2024パリオリンピックパラリンピックの木材利用の話なんですが、日本の木材利用に関する政策論、グローバルな需給見通しまで広がって勉強になしました。

パリオリパラはこの夏に向けてメディアの情報が大量に流れてくるんでしょうが、是非街づくりの中の木材の役割という視点で、フォローしてまいりましょう。

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是非オリジナルなサイトを訪問してください
大改造の街パリ、オリンピックで「花の都」は「木の都」へ

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