エクエーター(赤道)原則ーメガバンクの環境配慮型融資の最前線と森林問題(2016/6/26) | |||
「持続可能な社会づくりと環境社会配慮−エクエーター原則/赤道原則、実務の現場から−」と題する千葉商科大学CUCが主催するセミナーが開催されたので、出席してみました。 違法伐採問題にしろ、森林の持続可能な管理にしろ、これらに対処するには、行政による適切な管理のほかにと、これとタイアップした環境配慮型の企業動向が一つのカギを握っているはずだ、という問題意識にたった情報収集です。 若干未消化ですが勉強部屋の教材として、ネット上の情報を整理しておくことにします。 (エクエーター原則) エクエーター(赤道)原則とは、国際的な金融機関が共同で作成しているプロジェクト融資等の環境配慮基準です。 現在(6月18日現在)36か国86社の金融機関が署名しており、日本の金融機関では、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行(署名順)の4行が署名しています。 (みずほ銀行の関連ページ(日本語で概要が丁寧に説明されています) 三菱東京UFJ銀行の関連ページ 三井住友銀行の関連ページ) Ecuator Principle
Aooocaitonのページ 原則の表題は以下の通り
1千万ドル以上のプロジェクト融資案件を環境・社会的リスクに応じて、3つのカテゴリにわけ、リスクに応じて、融資先に社会環境負荷のアセスメントを要求し、リスクを排除する誓約書を提出させる、など、といったもの。 (環境社会影響基準) 具体的な達成すべき基準(原則3)は世界銀行グループで民間プロジェクトへの投融資国際金融公社(IFC)International Finance Corporation。「IFCパフォーマンススタンダード」(Environmental and Social Performance Standards and Guidance公式のページ)によっています(注)。
基準6に大規模プロジェクトの対象地の森林や生物多様性の配慮、場合によってはオフセットなどが記載され、林業プロジェクトの持続可能性のチェックなどが記載されています。 この基準がさまざまな分野の広がっていく可能性を考えると、基準3にローカルな木材の利用、木材の持続可能性や、環境パフォーマンスに関する規定がしっかり位置づけられることが、必要でしょうね。更なる発展を期待します。 適用される基準は、先進国ではその国の基準、途上国ではIPFのパフォーマンス基準といわば二重基準になっています(原則3)。 先進国が高い国内基準になっているという前提での規定なのでしょうが、環境アセスメントの実施数は、日本は極端に少ない(異常に少ない日本のアセス)(この点で中国に圧倒的に差がついているのだそうです(原科教授))、というこの分野で立ち遅れた状況にある日本のガバナンスあり方が、どのように議論されていくのか気になりますね。 junkan6-3(EP) |
■いいねボタン
|