環境経済・政策学会2022年大会コレクション(2022/10/15)

10月1-2日環境経済・政策学会2022年(SEEPS2022)大会でオンラインで開催されました。

環境経済政策学会2022年プログラム オンラインで二日間にわたる大会。

ばたばたしていて、みんな聞くことはできませんでしたがこの大会は小サイトの立ち上げの動機に係る重要な大会であり可能な限り参加して、プログラムをみて森林に関係ありそうな演題はどれだろう?

この学会で持続可能な森林の管理というグローバルでローカルな課題がどう取り上げられているのか、気になるところです。

森林をテーマとしたセッションがなくて少し残念ですが、森林に関係ありそうかなー報告を紹介します。

①気候変動問題ーカーボンニュートラルにむけてグリーン投資・消費者の対応はどうかな(森林政策に関係するか?)、②自然資源・環境の評価に関する議論と森林政策、③国立公園管理(費用負担)に関するセッションがありました、④環境ガバナンスの未来、その他の森林政策論などが、トピックスです。

論題 発表者 要旨リンク 内容
  気候変動対策カーボンニュウートラルに向けたビジネスと消費者の対応は(森林への投資は見えるかな) 
グリーン投資政策の比較分析および貧困対策も考慮した具体的提案 明日香 寿川(東北大学)他 要旨 グリーン投資戦略のいくつかのシナリオ(政府案も含む)比較分析。貧困層向け住宅リフォーム工事がけっこう効率的?森林投資は分析対象でない見たい。
   消費者の環境意識及びライフスタイルの転換に関する研究  河内 幾帆(金沢大学)  要旨  環境配慮型消費拡大に向けて、社会心理学的先進事例の実施。持続可能な木材消費との関係は?
機関投資家のグリーン・ボンドへの支払意思額〜 善野 吉博(埼玉大学)、他 要旨報告資料 上海の機関投資家へのアンケート調査結果。先行研究の結果よりさらに、グリーンボンドへの志向が高い
  日本におけるカーボン・プライシング導入をめぐるナラティブ分析 渡邉 理絵(青山学院大学) 要旨 各省の審議会の議事録30回分の言語分析、支配的なストーリーは事務局主導?
   ゼロカーボン商品に対する消費者選好に関する研究  池本 忠弘(京都大学)他  要旨  ゼロカーボン農産物とそうでない農産物の購入期待比較アンケート結果、価格差が倍でも
生物多様性と、自然に依拠した解決策(NbS)
計量テキスト分析でみる里地里山政策と課題認識の時系列変化 吉川 圭子(千葉商科大学) 要旨 累次の環境基本計画などをテキスト分析して、自然に根差した解決策NbSの定着などを分析
   Field Experiments for Understanding the Community-based Management of Forest and Fishery Common Pool Resources: A Systematic Review  Tasmin Sayeeda(Kyoto University) 要旨  "Community-based Management" をキーワードに、森林と漁業に関するフィールド実験を採用した研究論文を包括的に整理。主として途上国対象の30論文
生態系保全に資する社会ネットワーク構造の分析: 南アルプスユネスコエコパークを対象として 鈴木 裕也(名古屋大学)、他 要旨報告資料 エコパーク登録で、行政のネットワーク開発は進んだが、異分野間の連携には至っていない。国際的な生態系保全ネットワーク化への課題
  Valuing scattered greenery in urban areas: A hedonic analysis in Japan 黒田 雄太(大阪公立大学)他 要旨 土地被覆データの二つを使って都市の緑地を分析
 国立公園の管理セッション(利用者負担の広がり) 
国立公園の利用者負担の現状と課題 庄子 康(北海道大学) 要旨 国立公園管理費の利用者負担論、セッションの概要説明
  国立公園管理におけるビッグデータ活用の可能性:山岳国立公園を事例に 柘植 隆宏(上智大学)他 要旨関連論文1関連論文2 山岳国立公園の温暖化リスクなど対応するため、携帯電話のビックデータ?が使えそう?
  国立公園における利用者負担の政策評価 栗山 浩一(京都大学)他 要旨 国立公園管理費の利用者負担に関する10年間のwebアンケート調査結果
環境ガバナンスの未来、その他森林政策との関連報告
  利潤に関するナッジは森林経営管理制度への参加意思を高めるか:RCT による検証 野々山 祥平(京都大学) 要旨 山林所有者の森林管理経営制度への参画可能性を高めることができるか?行動経済学が蓄積してきた情報提供理論の可能性
  福島県内での森林除染に対する住民の意識:川俣町を事例として 藤野 正也(福島大学) 要旨 森林除染の対応方法について、アンケート調査、人がほとんどいない山奥の除染の重要性指摘
   動態的レントから導かれる規範的法人税率  島本 美保子(法政大学)  要旨報告資料関連論文 グローバルな環境ガバナンスの財源は?米国の法人所得税率は30年にわたり低下傾向。(収益は増加傾向だが)
   日本の環境NGOによる戦略的アドボカシーの分析 ―再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入に向けた政策提言活動に注目して―  欒 孟馨(東北大学)、他  要旨報告資料  市民運動が固定価格買取制度の実現にどのようにかかわったの分析

報告者にはいろいろご協力をいただきました。

抜けている報告があるかもしれまえせん。

今後とも追加情報を掲載します

gakkai<seeps2022>


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